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我が家にとうとう電気がつきました

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この度全盲夫婦の暮らす我が家に新しい家族が加わりましたので、合理的配慮として電気をつけることにいたしました。 同時に我が子との成長の記録もつけることにいたしました。 ごゆるりとお…
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#全盲

「ほんまいろいろあったんじゃけー」広島への全盲子連れ旅!2日目)後編)

 同じ県内といえども、広島市から大久野島までは意外と遠い。
 まず私たちは広島駅から新幹線で三原駅まで向かった。こだまということもあり、車内はそれほど混んでいなかった。
 タイミングが良いことにひなちゃんも抱っこ紐の中でお昼寝タイムに入った。
 乗車中T先生には出張で行った場所の話や、好きな歌手の推し活の進行状況について聞いてみた。
 本当に推しというのは日々の生活に張りをもたらしてくれる素晴らし

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「ほんまいろいろあったんじゃけー!」広島全盲子連れ旅!2日目(前編)

 広島旅行二日目は、ベッドから起きだしたひなちゃんの、元気なはしゃぐ声から始まった。
 もう少し寝かせてほしいと願う、我々の思いが勿論届くことはない。まだ午前7時にもなっていないというのにだ。
 ひなちゃんは、ホテルの部屋のお盆やティーポットの土台等備え付けの備品を活用しさっそくがちゃがちゃと遊び始めた。
 夫もひなちゃんほどではないが二日目には見事完全回復を果たし、朝から
「なんかお腹空かへん?

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備えあれば憂いなし?広島への全盲子連れ旅 準備編2

 全盲子連れ旅の準備二つ目は持ち物の用意だ。
 私たちの持ち物には必須アイテムが三つある。
 一つ目はジップロックだ。私たちは旅行の荷物を、大きなリュック一つにまとめている。泊りがけかつ三人分荷物ともなれば、もっとバッグを増やしたいところだが、私たちは多くの荷物を持ち運べないのだ。
 まず10キロを超えたひなちゃんの抱っこ担当に一人人員が割かれるため、全員分の荷物運びは残りの一人に委ねられることに

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備えあれば憂いなし?広島への全盲子連れ旅  準備編1

 全盲でも子連れでも行きたいのが旅行だ。
 ということで私たち3人で広島旅行を決行した。
 今回は旅行の準備の1つ旅程作りについて書き残しておきたい。
 広島を選んだ理由は、中学生の時私を担任してくださった恩師と会えることになったからだ。
 当時先生は、熱心で授業も面白かったが、私は厳しいことをよく言われていた。その時は私も今以上にあほで、無駄にエネルギーもあったため、
(負けてなるものか!)

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我々ならではの衣替え

 朝夕少し肌寒くなる日が増え、衣替えの季節がやってきた。
 講演などでお話をさせていただく際によく聞かれることとして、洋服の管理はどのようにしているのですか、という質問がある。
これまで自分が着る服に関しては、手触りや形で色やデザインを覚えています、という話をしてきた。
特に上下の組み合わせで合うものとそうでないものについては目の見えている友人に印象を聞いて、それを参考に日々の洋服選びをしてきた。

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名古屋飯日帰りツアー その2

 名古屋駅周辺で名古屋飯全般を楽しめる店というのは意外と少ない。味噌カツやら手羽先やらひつまぶしやら、その料理に特化したお店なら駅の高島屋などに入っているのだが、それら全部を一度に食べたいというのはやはり食いしん坊なのだろうか。
様々な種類の名古屋飯を味わうなら必然的に居酒屋になり、そうなると夕方まで店が開かないのだ。夕方はひなちゃんが最もぐずる時間だ。それまでには帰りたい。
ただやはり探せばそれ

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どうする!はいはい赤ちゃんとの生活

 ひなちゃんがはいはいを獲得し1ヶ月が過ぎた。よりいっそうはいはいは高速化し、大人たちの対応にも変容が求められている。
 ひなちゃんは大人の動きをよく見ている。一瞬開いたベビーゲートから台所へ入ろうとしたり、リビングのドアが開けば玄関に移動し、ミッフィーの玄関マットの端にあるタグを口でハムハムかじろうとしたりと、
「うわー、それはだめだー!止めてー!」
と言いたくなることをあえてする。
 何度とな

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どうする!ワンオペ育児と家事!

 夫の出張が増え、気づけば数か月が経っていた。私はようやくワンオペ育児とその間の家事にも慣れてきたところだ。一方ひなちゃんもここ数週間で目覚ましい進化を遂げ、とうとうはいはいを獲得した。行きたいときに行きたい場所へ素早くペタペタと移動するようになったのだ。よりいっそうひなちゃんの動向に注意を払わなければならなくなった。
 これにより今まで何気なくやってきた料理・洗濯・掃除といった家事をするにもさら

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LINEのビデオ通話

 これまでビデオ通話を使う習慣はあまりなかった。
同じ視覚障碍者同士で話すならもちろん必要ないし、健常者の人と通話をする時もあまり積極的には使ってこなかった。
別にビデオ通話がいやだったわけではないのだが、何となく自分だけが見られているような不公平感というのだろうか、一言で言うと落ち着かないのだ。
まあそれは僕の自意識過剰ということで置いといて、最近そのビデオ通話を積極的に使うようになったお話をし

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私のお家はどこですか!

 先日、自分がどこにいて、この先どう歩いていけばいいのか全く分からなくなった。物理的に。
 ひなちゃんと二人で過ごしていたとある昼下がり、公園に行くことにした。ひなちゃんは外が大好きで、温かいお昼の公園で、のんびりミルクでも飲めたら喜ぶだろうと思ったからだ。公園までは数100mと近い。ルートも、家の横の路地を真っすぐ行き、幾つ目かの交差点で1度曲がれば着くという単純なものだった。
 昼寝から醒め、

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どうする!離乳食準備

 待ったなしの子供の成長。それに引きずられるように親も子育てに必要な知識、技能を身につけていく。
だっこから始まり授乳、沐浴、服薬、ありとあらゆる課題が現れ、どうにかクリアしてきた。今回の課題は離乳食だ。
5ヶ月から始まるひなちゃんの離乳食に向け、知識を深めるとともに道具をそろえた。
 まず私たちは全く離乳食について知らなかった。そこで2ヶ月初旬、離乳食講習会に参加した。
私たちの住んでいる町では

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どうする!ワンオペ育児中の食事

 ワンオペ育児で地味に困る瞬間が自分の食事だ。ひなちゃんの場合日中あまり寝ないため、食事時間の確保は容易ではない。
限られた昼寝時間にご飯の用意をし、食べるタイミングで起きて泣き出すというのがお決まりのパターンだ。横で派手に泣き散らしているひなちゃんを放置し、のんびり食事をとるというのもなんだか気が引ける。
そこでワンオペ食事法を二つ編み出した。
 一つ目は、だっこしながらの片手ご飯だ。ひなちゃん

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どうする!赤ちゃんの飲み薬

 「一難去ってまた一難」というのは、子育ての大変さを表す諺なのではないだろうか。英語にも
[If the Bermudas let you pass, you must beware of Hatteras.]
(仮にバミューダ諸島を通過できたとしても、次にはハテラス岬に用心しなければならない。)
という同じ意味合いで使われる諺があるそうだ。
 今回の一難はひなちゃんに出された飲み薬だ。バミューダ

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どうする!バースプラン その2

どうする!バースプラン その2

 バースプラン後半、八つ目から十三個目の項目は、出産時と産後の希望についてである。
 八つ目は「呼吸法をリードしてほしい」という希望だ。
出産に関する情報を集めていた時、ラマーズ法やソフロロジー法など呼吸法にも様々なスタイルがあることを知った。しかし、YouTubeにある解説や実演動画を見てもいまいちよくわからなかった。
そこで当日どう呼吸すればよいか助産師さんにアドバイスしてもらえるようお願いし

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