マガジンのカバー画像

ニューヨーク金融市場

148
ニューヨークで話題になった経済情報を日本の皆様にお届けしています。
運営しているクリエイター

#FX

FOMC緊急利下げとQE開始。クイックでポイントをチェック!

FOMC緊急利下げとQE開始。クイックでポイントをチェック!

米国はまだ日曜日ですが、FOMCは急遽緊急の金融政策決定会合を実施。
ポイントをチェックしましょう。

<FOMC声明文のポイント>
a) FF金利の誘導目標を0.00%〜0.25%へ引き下げ。(従来1.00%〜1.25%)
b) 金融機関向けのDiscount Window(ごく短期の貸出制度)は125bp引き下げて0.25%へ。
c) 1000以上の金融機関を対象に預金準備率をゼロに引き下げ。

もっとみる
【クレジットクラッシュ】市場で何が起きているのか?

【クレジットクラッシュ】市場で何が起きているのか?

先日、米国でクレジットクラッシュが起こりつつあるという記事を書いた。
重要なことなので、今日は少し時間を使って次の疑問について考えたい。

✔︎ 何故、緊急利下げを行なってもクレジットクラッシュが止まらないのか?
✔︎ どれほどヤバいことなのか?

次のグラフは、先日の記事でも紹介した、米国企業のクレジットとフィナンシャルコンディションの最新データである。

これらの指標は「数値の上昇」が、ク

もっとみる
リスクオフで円も、金も、米債も売られる。メルトダウンしたマーケット。

リスクオフで円も、金も、米債も売られる。メルトダウンしたマーケット。

"Don't be a hero in the market"
最初にトレーダーとして入社した会社の先輩に教えてもらった格言の一つだ。

相場のトレンドに逆張るな、という意味である。

逆張りがたまたまうまくいっても、殆どの場合は大した収益にならず、自己満足で終わってしまう。
「行き過ぎだから」という理由で買っても、アゲインストにいったら、すぐ怖くなって損切る羽目になる。そんなトレードはするなと教

もっとみる
サウジ、逆ギレで増産へ。他の王子は粛清。

サウジ、逆ギレで増産へ。他の王子は粛清。

OPEC+で大規模な減産を提案していたサウジアラビアですが、ロシアが減産に反対したことで、OPEC内でも収集がつかなくなり、金曜に会合は破談しました。

ここまでは金曜日のニューヨーク市場で織り込み済みでしたが、週末にはサウジアラビアが「言うこと聞かねぇなら増産してやるよ!価格競争だ!」と言って週明けの原油価格は先物で30ドル台まで暴落しています。(チャートは1バレル当たりの原油価格$)

また、

もっとみる
ドル円上昇と米金利低下に潜む日本のクジラ(GPIF)

ドル円上昇と米金利低下に潜む日本のクジラ(GPIF)

最近、話題になっているのが、ドル円と米金利に潜むクジラ(GPIF)の存在だ。

GPIFは約169兆円(19年12月時点)を運用する日本の巨大年金ファンド。
GPIFの運用手法は基本ポートフォリオというものを決め、原則、それに基づいた範囲で分散投資を行なっている。

下の円グラフは現在、採用されているとする基本ポートフォリオの資産構成である。(2014年から採用している)

この基本ポートフォリオ

もっとみる
金融緩和的、でも下がらない米ドル

金融緩和的、でも下がらない米ドル

オーバーナイトはアップルが1〜3月期の売上見通しを達成できないと発表したことや、米政権がファーウェイなどの中国企業への締め付けを厳しくするとの報道で日本株を筆頭にリスクオフ気味。

しかし、米国時間にはトランプ大統領がツイートで、「議会で議論されている輸出を規制する案は完全なる誤りで、米国は輸出を増やしたい」と述べており、このリスクは一旦忘れてよさそう。

現在、民主党大統領選候補の3位につけ

もっとみる
ニューヨークはリスクオフを気にしない。米国時間は株価全戻し。

ニューヨークはリスクオフを気にしない。米国時間は株価全戻し。

感染者の定義を変更したことで、湖北省の感染確定者は急増。湖北省以外の省は定義を変更していないようなので、今回のようなケースが中国全土で起こる可能性はあるが、マーケットは過去の数字として提え、比較的安定した動きとなっている。
(個人的には、日本の帰国便の感染率が約1.3%ということを考えると、中国はまだ数字を過少報告しており、武漢の人口(1100万人)を踏まえれば 14.3万人の感染者数がいてもおか

もっとみる
緩和期待が市場を支える。パウエル議長も、ECBもBOEも…

緩和期待が市場を支える。パウエル議長も、ECBもBOEも…

JOLT求人数は642 万件と先月の679万件から大幅に減少。求人数は雇用情勢の先行指標になるが、下記のチャートが示すように頭打ちが明確になっている。

パウエル議長の議会証言ポイント
経済情勢について
貿易をめぐる不透明感は落ち着いてきたが、先行きのリスクは依然として残っている。特にコロナウイルスの影響を注視しており、中国の混乱がグローバル経済に波及する可能性がある。経済的な影響を推定するには

もっとみる
1月にGPIFがドル円を買っていた?世界でチープマネーが溢れている。

1月にGPIFがドル円を買っていた?世界でチープマネーが溢れている。

米株と米金利の両方が買われる金融相場が続いており、債券・株ともに直近の最高値圏で推移している。

1月,2月を振り返ると、中国・シンガポール・タイ・マレーシア・フィリピン・インド・南ア・トルコ・ロシア・メキシコ・ブラジルといった国々が利下げ、あるいは流動性供給を行い、金融政策の舵を再び緩和方向へ切ってきた。

また昨年を振り返れば、アジアの製造業が落ち込んだことを皮切りに、新興国が先駆けて金融

もっとみる
Brexitに暗雲?足元の数字は良いがボーイングの影響は大きい

Brexitに暗雲?足元の数字は良いがボーイングの影響は大きい

リスク資産の見方を聞くと10人中8人は「Brexit と米中リスクの低下とFEDが短期金利をキャップしてくれる」という理由から強気と答える人が多い。

リスクなのはこう言ったストーリーと実際のポジションが傾いたときだが、少なくともストーリーについては同じ話をする人がこのオーバーナイトで急に増えてきた印象を受ける。しかし、現実を見ると承知のようにBrexit に関してはジョンソン首相の移行延長拒否

もっとみる
ウォール街の面接。「49%の賭けに投資する最適な方法は?」

ウォール街の面接。「49%の賭けに投資する最適な方法は?」

こんばんは。

僕は最初のキャリアを外資系投資銀行のトレーディングフロアでスタートさせたんだけど、面接試験の質問がいまだにトレーディングをする上でベースになっている考えだなぁ、と感じることがあるので紹介したい。

当時の外銀の面接は若手の社員と面接していって、しばらくするとMD(マネージングディレクター)レベルの人と面接することになる。

4回目くらいの面接だったかな。トレーディングのMDとの面接

もっとみる