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Brexitに暗雲?足元の数字は良いがボーイングの影響は大きい

リスク資産の見方を聞くと10人中8人は「Brexit と米中リスクの低下とFEDが短期金利をキャップしてくれる」という理由から強気と答える人が多い。

リスクなのはこう言ったストーリーと実際のポジションが傾いたときだが、少なくともストーリーについては同じ話をする人がこのオーバーナイトで急に増えてきた印象を受ける。しかし、現実を見ると承知のようにBrexit に関してはジョンソン首相の移行延長拒否で GBPが急落しており早くも出鼻をくじかれている。(12/14 GBPは一旦降りどころか)

一方、S&Pなどのオプションを見ると Put サイドにかなりスキューがかかっており、ポジションは現物を買いながらもPut オプションでヘッジをしている状態と推察。その為、Brexit の話で GBP が売られても米国のアセットへの影響はまだ限定的と評価している。(オプションスキューは行使価格別のインプライドボラティリティをグラフにしたもので、Put サイドにスキューがかかっているということは、Put のポラティリティが Callや現水準のボラティリティよりも高く取引されている状態のことを意味する。)

また、本日発表された住宅着工件数は 1365kと強い伸び。着工許可件数も12年ぶりの高水準で、昨日も書いたように米経済はダウンサイドリスクよりもアップサイドサプライズの方が大きくなってきていると感じる。

一方、反対サイドの話として気になるのはボーイングの737MAX の生産停止に関する報道で、本日様々なエコノミストがGDP への影響を試算しているが 1Qの GDP を 0.5%ポイントも下げるとの見方も出てきている。主に在庫やサプライチェーンを通じた影響だが、GDP の 0.5%ポイントというのはかなり大きい印象で、第一四半期の製造業関連指標とGDP 見通しが今後引き下げられる可能性には注意しておいた方が良さそう。一方、リストラは行わないことからその他指標への影響は今のところ限定的という解釈が多い。

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