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アートと生き方

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日常経験する現象への柔軟な考え方は、人の生き方にどれくらい影響を及ぼすのかを表現したマガジンです。制作者としてだけではなく、体験者として日常をご紹介します。
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記事一覧

光と影-描写する対象物が無い時

光と影-描写する対象物が無い時

絵を描いたり写真を撮ったり、何かしらの表現をするときに心がけていることは、光と影のバランス。オブジェクトを含む被写体が無い場合こそ、この光と影が主役となり、1枚の絵から温度や動きを感じることができる。

綺麗な風景を見ながら描写するのも一つではあり成立する。だけど、無機質な環境や人間を含む生き物(自然)の温度がない場合はこの光と影が主役になる。

光の温度、差し込む角度、その光の裏側を示す影の太さ

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蒼い風

蒼い風

ほぼ毎日3時過ぎに目が覚める。就寝時間も早いのが要因だろうけど、1日がとても長く感じる。凄く静かな環境で4時過ぎから仕事を開始し、始発の音が聞こえる時間に休憩の代わりとして朝食を頂く習慣。午前9時過ぎのオンライン定例会議をはじめ、国外で作業頂くスタッフとミーティングをする。

札幌の7月、早朝の何とも表現できない緑の香りとヒンヤリとした湿度。窓から少し冷たい風が入り込む度に、去年の夏、その前の夏を

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Re:フリーランス辞めました

Re:フリーランス辞めました

今年1月、10年程フリーランスデザイナーとして生きていた方からメールが届きました。内容は「テンプレート化された制作物の繰り返しに疲れてしまったのと、将来への不安が無くならない」という本文でした。

主にDTP制作物主体だった彼は、デジタル系ウエブデザイナーが急増することを横目でみながら一切靡(なび)くこと無く紙への拘りを保ち続けていました。

名刺、ショップカード、店舗置きフライヤー、大学パンフレ

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デジタル/ジェスチャー/コラージュ

デジタル/ジェスチャー/コラージュ

前回の投稿「20分のデジタルドローイング」では、着手から完成まで短時間で遊ぶことができるサンプルをご紹介しました。

今回は、テーマを決めたコラージュをご紹介します。
本来、新聞や雑誌、手書きの文字などを利用して切り貼りで作成するコラージュですが、デジタル環境が浸透し、現代ではその手法も様々な領域まで行き渡っています。

何か一つのテーマを決めることで、連続する制作物のコンセプトのブレがなくなるた

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20分のデジタルドローイング

20分のデジタルドローイング

商品やサービスを配信する要素として、商業広告ではありとあらゆるデザインを使ってユーザーに宣伝します。紙、ウエブ、音などその素材は多種にわたり、購買に繋げるための大事な作業です。

具体的な商品説明を広告の中で行うとき、デザイナーが作るデザインとアーティストが作るデザインにはどのような違いがあるのでしょうか、というテーマは昔から存在していました。

このテーマは何度も塗り替えられ続け、発表されるメデ

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抽象画の設計図:油絵/完成篇

抽象画の設計図:油絵/完成篇

大きなサイズの油絵/抽象画における「スケッチに依存する」と「スケッチからはみ出る」の2つの作品をご紹介いたします。いずれも1997年に作成した幅210cmの大きめの油絵で、それぞれに3ヶ月程度費やした作品です。

当時通っていた大学(Pacific Northwest College of Art, Portland Oregon, USA)の卒業制作に制作した油絵は合計で4点ありましたが、展覧会

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抽象画には実は設計図があるというお話(着色篇)

抽象画には実は設計図があるというお話(着色篇)

【 簡単なレクチャー 】抽象画のスケッチを描き始めて着色の段階に到達した時、何が大切でどのようにすすめるのが良いか、具体的な実例を参考にご紹介します。

前回の記事をご参考頂き、白紙の状態から何を描くか、またその描き方を御確認ください。躯体となるデッサンが終わったらいよいよ着色の工程にすすみます。

下地スケッチに依存する

作品の躯体となるスケッチに、ある程度忠実に色を加えた際の実例です。直線的

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抽象画には実は設計図があるというお話(スケッチ篇)

抽象画には実は設計図があるというお話(スケッチ篇)

【 簡単なレクチャー 】抽象画を描き始める際に大切なのは、整理された完成予想図です。抽象画は適当に描き綴っているわけではなく、しっかりとした予想展開図のような構想が頭のどこかに存在しているものです。

「真っ白なキャンバスや画用紙に、好きな箇所に好きな色で描き始めるんでしょうか?」と幾度となく講師をしていた時代に質問されました。
対象者が初歩を知りたい場合は「そうですよ。どんなカタチでも色でも構い

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飛び込む勇気ってなんだろう

飛び込む勇気ってなんだろう

幼少期には簡単に飛び込んで行けた小川、窪み、段差。
飛んだ後に対岸に何が待ち受けているかはどうでもよく、ただ単に面白さに執着してトライしてみた記憶がある。

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幼少期を経て、物事への視野が広がったと同時に、挑戦した後のリスクを考慮するようになってきた青年期。
「これをしたらこれをしてあげる」という環境下で育ったわたしは、無条件に与えられたという記憶が薄い。

現在も随所の記憶が色あせ

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西の月

西の月

2009年、ボクにはたくさんの夢があった。
毎晩夜空を眺めては、幾千もの星屑に感謝をしたものだった。

毎日生かされている。
毎日生かされている。ボクは何度もそう繰り返し微笑んだ。

その夜空と眠るために、星に近い高台に寝床を作ろうと思った。
ジブンだけのこの場所は、街中の火も水も風も感じる心の砦だった。

ボクにしか見えない夢。
ボクしか感じない想い。
それらが全て詰まった高台の寝床。

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ボクとスイーツの接点

ボクとスイーツの接点

新緑の香り漂う春の季節を思うと、何故か「苺」が頭に浮かんでくる。スイーツ畑を連想して沢山の種類の甘いもの達に囲まれる感覚は、幾つになっても無くならない。

- All the sweets never disappoint you -

Baku Osawa

過去10年間、飲食店やホテルなどの撮影の際には必ず納めてきたスイーツ。洋菓子/和菓子は当然で、甘いとされる食物はかなりの種類と数を撮影しま

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今の情熱の注ぎどころは何処?

今の情熱の注ぎどころは何処?

今の時空を生き抜く時に、自身の立ち位置と環境を見回して、どこに何を注ぐのが重要であるかを考慮し実行することが、結局後半から上手く物事が回り出すと思います。

2020年に新型コロナウイルスの発症によって様々なことがそぎ落とされました。同時に、日頃盛りすぎていた事柄や様式を再確認し、最低限プラスアルファの生活がいかに楽で低コストであるかも認識した1年になったのではないでしょうか?

小さいレベルであ

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