わだあずみ / デザインリサーチャー

デザインリサーチャー/ストラテジスト。 プロジェクトマネジメント、絵や図を用いたリサー…

わだあずみ / デザインリサーチャー

デザインリサーチャー/ストラテジスト。 プロジェクトマネジメント、絵や図を用いたリサーチ&ファシリテーション(グラレコ、ファシグラ含む)、情報設計が得意です。HCD-Net認定人間中心設計専門家。 自己紹介的なポートフォリオはこちら→https://azumi0812.com/

マガジン

  • 体験スケッチ

    デザインに関わる、非デザイナー職(ビジネス職)のUXリサーチャーが、カスタマー目線からサービスの体験をスケッチし、サービスの「美しさ」を考えていくマガジンです。

記事一覧

ビジョンを描く立場から見た、スペキュラティヴ・デザイン

「ビジョンを描いたその先にあるものはなんだろう?」 ビジョンデザインに注目が集まっている昨今、ビジョン創出のプロジェクトに関わるたびに、常に抱え続けてきたこの問…

「思考の言語化サポート事業『ビジュアルインタビュー』」を受けてみたよ!~体験スケッチ~

旧知の友人の関美穂子さんが、ライターの岡島梓さんとユニットを組んで開始された「思考の言語化サポート事業『ビジュアルインタビュー』」。 サービスの実施方法を模索し…

新たな世界をつくるということ~ #oouiqa と #ggdpatch から見えた人間の創造性 ~

7/15(水)に開催された「OOUI 解説+質問に答えます -『オブジェクト指向UIデザイン』発売記念 -」と、7/16(木)に開催された「のぞき見企画!グラグリッド×Goodpatch Anywh…

コロナ禍で感じた、サービスを形作る「関係性」の変化〜妊婦になったデザインリサーチャーの目線から〜

立場が変わると、見えるものも変わる。 よく会社での立場や役職を語るときに、そう語られることが多いのですが、「妊婦」という立場になって、家庭でも同じだなあと感じて…

グループインタビュー(グルイン)が向いているシチュエーションってどんな時?

リサーチャー仲間のかとうこういちさん @ko1katoU  のツイートを拝見していて、ふと気になった問いかけ。 「グルインがむいているシチュエーションってどんな時なんだろう…

「姓を変えないといけないから結婚できない」から考える、「姓」の持つ意味とコンテクスト

「姓を変えないといけないから結婚できない」 国民民主党の玉木雄一郎氏が代表質問で語ったエピソードに対し、「だったら結婚しなくていい」という野次が飛んで話題になっ…

デザイン態度における「理解」がうみだすもの

推しカンパニーのGaji-Laboさんの記事を読みました。 私もデザインやファシリテーションの態度のとき、「共感」ではなく「理解」を大事にするタイプなので、とてもうんうん…

パルシステム(生協の宅配)の体験スケッチ① ~揺らぎをうけとめリズムをつくる、バンドのベース的存在としての美しさ~

食べることが好き。料理することが好き。 思春期突入してすぐ、「自分で自分のお弁当を作ることが自立の一歩だ」そう考えるくらい、私の人生には「料理すること」「食べる…

「共愉的瞬間」~専修大学上平研究室 9つのデザイン実験展~に行ってきた

「デザインに必要な、世界観をつくる『美意識』ってどう育っていくんだろう?」デザインに関わる非デザイナー職として、そんなことを年始から考えています。 サービスデザ…

サービスの「体験スケッチ」はじめます ~非デザイナー職が、サービスデザインの解像度をより上げるために~

こんにちは、UXリサーチャーのわだあずみです。 グラグリッドというサービスデザインファームで、UXリサーチャーやプロジェクトマネジメントを行っています。 これから「…

不妊治療から妊娠、そして稽留流産。「おでむかえ」という言葉が意味していたこと

7月頭のある日。 「お腹の胎芽の心拍が聞こえません。数日前から成長が止まっていますね。」 医師はずいぶん長い時間、エコーで確認をしたうえで、私へそう告げた。 それ…

ビジョンを描く立場から見た、スペキュラティヴ・デザイン

ビジョンを描く立場から見た、スペキュラティヴ・デザイン

「ビジョンを描いたその先にあるものはなんだろう?」
ビジョンデザインに注目が集まっている昨今、ビジョン創出のプロジェクトに関わるたびに、常に抱え続けてきたこの問い。

ビジョン創出のプロジェクトに関わり始めた3年前は「絵に描いたこと」を「実現すること」だと捉えていました。
けれど。3年間ビジョン創出の様々な場に関わることで見えてきた「ビジョンを描いたその先」は、「荒れ狂う波の中で、身体いっぱいに環

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「思考の言語化サポート事業『ビジュアルインタビュー』」を受けてみたよ!~体験スケッチ~

「思考の言語化サポート事業『ビジュアルインタビュー』」を受けてみたよ!~体験スケッチ~

旧知の友人の関美穂子さんが、ライターの岡島梓さんとユニットを組んで開始された「思考の言語化サポート事業『ビジュアルインタビュー』」。
サービスの実施方法を模索しているプロトタイピング中のモニターとして、受けさせてもらいました(2020/5月末~6月段階)。

この記事では、そのときの体験をふりかえりながら、体験のスケッチを記載していきたいと思います。
※注:私がうけたタイミングから、よりビジュアル

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新たな世界をつくるということ~ #oouiqa と #ggdpatch から見えた人間の創造性 ~

新たな世界をつくるということ~ #oouiqa と #ggdpatch から見えた人間の創造性 ~

7/15(水)に開催された「OOUI 解説+質問に答えます -『オブジェクト指向UIデザイン』発売記念 -」と、7/16(木)に開催された「のぞき見企画!グラグリッド×Goodpatch Anywhere合同勉強会」。
連日、ウェビナー参加してきました。

私はこの二つのイベントを通じて、「人間ならではの創造性について探求する場だったなー」と感じていました。
今日は二つのイベントでの話をいったりき

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コロナ禍で感じた、サービスを形作る「関係性」の変化〜妊婦になったデザインリサーチャーの目線から〜

コロナ禍で感じた、サービスを形作る「関係性」の変化〜妊婦になったデザインリサーチャーの目線から〜

立場が変わると、見えるものも変わる。
よく会社での立場や役職を語るときに、そう語られることが多いのですが、「妊婦」という立場になって、家庭でも同じだなあと感じています。
現在、妊娠六か月。
順調にいけば10月半ばにお子が生まれます。

約半年の妊娠生活の中で、デザインリサーチャーとしても、サービスを見る目線が大きく変わりました。この記事では、その目線の変化を書いていきたいと思います。

「移動の障

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グループインタビュー(グルイン)が向いているシチュエーションってどんな時?

グループインタビュー(グルイン)が向いているシチュエーションってどんな時?

リサーチャー仲間のかとうこういちさん @ko1katoU  のツイートを拝見していて、ふと気になった問いかけ。
「グルインがむいているシチュエーションってどんな時なんだろう」

企業のマーケティングやデザインの活動の中で、インタビュー手法としては、以下が対比でよく挙げられます。
・デプスインタビュー(1対1) ※以降デプスと略します
・グループインタビュー(N対1) ※以降グルインと略します
この

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「姓を変えないといけないから結婚できない」から考える、「姓」の持つ意味とコンテクスト

「姓を変えないといけないから結婚できない」から考える、「姓」の持つ意味とコンテクスト

「姓を変えないといけないから結婚できない」
国民民主党の玉木雄一郎氏が代表質問で語ったエピソードに対し、「だったら結婚しなくていい」という野次が飛んで話題になっています。

これに対して、「姓が変わるから結婚できないってどんなケースなの?会社で別性を名乗るところも多くあるじゃないか。」と知人がふともらしていました。
自分はこの問いかけ自体に違和感を感じた部分があったので、その違和感を感じたゆえんと

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デザイン態度における「理解」がうみだすもの

デザイン態度における「理解」がうみだすもの

推しカンパニーのGaji-Laboさんの記事を読みました。
私もデザインやファシリテーションの態度のとき、「共感」ではなく「理解」を大事にするタイプなので、とてもうんうんうなづきながら読んでしまった。

理解すること。想像すること。そこに人間の希望があるのだと思うし、デザインのパワーが強まる領域なのではないかと思います。「理解」からはじめた先に「共感」が生まれたとしたら、きっとその先の事業をぐんぐ

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パルシステム(生協の宅配)の体験スケッチ① ~揺らぎをうけとめリズムをつくる、バンドのベース的存在としての美しさ~

パルシステム(生協の宅配)の体験スケッチ① ~揺らぎをうけとめリズムをつくる、バンドのベース的存在としての美しさ~

食べることが好き。料理することが好き。
思春期突入してすぐ、「自分で自分のお弁当を作ることが自立の一歩だ」そう考えるくらい、私の人生には「料理すること」「食べること」が密接に紐づいています。
料理人になったりするような腕前では、決してないけれど、ね。

体験スケッチでは、まずそんな料理と食べることが好きな自分の生活を支えている、パルシステムという生協の宅配サービスの「体験」を扱います。主観的な「体

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「共愉的瞬間」~専修大学上平研究室 9つのデザイン実験展~に行ってきた

「共愉的瞬間」~専修大学上平研究室 9つのデザイン実験展~に行ってきた

「デザインに必要な、世界観をつくる『美意識』ってどう育っていくんだろう?」デザインに関わる非デザイナー職として、そんなことを年始から考えています。

サービスデザインの仕事、体験スケッチを通じて考えていくのと同時に、つくり手の話もゆっくりきいてみたいなと思って、上平研究室の展示会に伺ってきました。

専修大学は山の上。歩いていくとちょっと汗ばみます。
でも、多摩丘陵の冬は気持ちよいですね。

会場

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サービスの「体験スケッチ」はじめます ~非デザイナー職が、サービスデザインの解像度をより上げるために~

サービスの「体験スケッチ」はじめます ~非デザイナー職が、サービスデザインの解像度をより上げるために~

こんにちは、UXリサーチャーのわだあずみです。
グラグリッドというサービスデザインファームで、UXリサーチャーやプロジェクトマネジメントを行っています。

これから「デザインに携わる非デザイナー職(ビジネス職のプロマネやPDM)として、サービスデザインに必要な『美意識』をどう鍛えていくか?」というのを考えるために。
noteで自分のプロジェクト「サービスの『体験スケッチ』」をはじめることにしました

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不妊治療から妊娠、そして稽留流産。「おでむかえ」という言葉が意味していたこと

不妊治療から妊娠、そして稽留流産。「おでむかえ」という言葉が意味していたこと

7月頭のある日。
「お腹の胎芽の心拍が聞こえません。数日前から成長が止まっていますね。」
医師はずいぶん長い時間、エコーで確認をしたうえで、私へそう告げた。

それは、端的な事実の共有だけども、見守っているという温度感がある、穏やかな声だった。そのいつもと同じ穏やかさにほっとすると同時に。
私は友人たちからきいた「おでむかえだよー」の言葉を瞬間的に思い出した。

その瞬間こそが、私の人生の潮目だっ

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