わだあずみ / デザインリサーチャー

デザインリサーチャー/ストラテジスト。 プロジェクトマネジメント、絵や図を用いたリサー…

わだあずみ / デザインリサーチャー

デザインリサーチャー/ストラテジスト。 プロジェクトマネジメント、絵や図を用いたリサーチ&ファシリテーション(グラレコ、ファシグラ含む)、情報設計が得意です。HCD-Net認定人間中心設計専門家。 自己紹介的なポートフォリオはこちら→https://azumi0812.com/

マガジン

  • 体験スケッチ

    デザインに関わる、非デザイナー職(ビジネス職)のUXリサーチャーが、カスタマー目線からサービスの体験をスケッチし、サービスの「美しさ」を考えていくマガジンです。

最近の記事

ビジョンを描く立場から見た、スペキュラティヴ・デザイン

「ビジョンを描いたその先にあるものはなんだろう?」 ビジョンデザインに注目が集まっている昨今、ビジョン創出のプロジェクトに関わるたびに、常に抱え続けてきたこの問い。 ビジョン創出のプロジェクトに関わり始めた3年前は「絵に描いたこと」を「実現すること」だと捉えていました。 けれど。3年間ビジョン創出の様々な場に関わることで見えてきた「ビジョンを描いたその先」は、「荒れ狂う波の中で、身体いっぱいに環境を捉えながら、行きたい方向性を常に見定め、軌道修正し続けて航海する」という行為

    • 「思考の言語化サポート事業『ビジュアルインタビュー』」を受けてみたよ!~体験スケッチ~

      旧知の友人の関美穂子さんが、ライターの岡島梓さんとユニットを組んで開始された「思考の言語化サポート事業『ビジュアルインタビュー』」。 サービスの実施方法を模索しているプロトタイピング中のモニターとして、受けさせてもらいました(2020/5月末~6月段階)。 この記事では、そのときの体験をふりかえりながら、体験のスケッチを記載していきたいと思います。 ※注:私がうけたタイミングから、よりビジュアルインタビューはブラッシュアップされている模様です!気になる方はぜひ以下からご確認

      • 新たな世界をつくるということ~ #oouiqa と #ggdpatch から見えた人間の創造性 ~

        7/15(水)に開催された「OOUI 解説+質問に答えます -『オブジェクト指向UIデザイン』発売記念 -」と、7/16(木)に開催された「のぞき見企画!グラグリッド×Goodpatch Anywhere合同勉強会」。 連日、ウェビナー参加してきました。 私はこの二つのイベントを通じて、「人間ならではの創造性について探求する場だったなー」と感じていました。 今日は二つのイベントでの話をいったりきたりしながら、人間の創造性について、「新たな世界をつくるということ」について、考

        • コロナ禍で感じた、サービスを形作る「関係性」の変化〜妊婦になったデザインリサーチャーの目線から〜

          立場が変わると、見えるものも変わる。 よく会社での立場や役職を語るときに、そう語られることが多いのですが、「妊婦」という立場になって、家庭でも同じだなあと感じています。 現在、妊娠六か月。 順調にいけば10月半ばにお子が生まれます。 約半年の妊娠生活の中で、デザインリサーチャーとしても、サービスを見る目線が大きく変わりました。この記事では、その目線の変化を書いていきたいと思います。 「移動の障壁が高い」コンテクストを身をもって実感まず第一に感じたのが、「移動の障壁が高い」

        ビジョンを描く立場から見た、スペキュラティヴ・デザイン

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        • 体験スケッチ
          3本

        記事

          グループインタビュー(グルイン)が向いているシチュエーションってどんな時?

          リサーチャー仲間のかとうこういちさん @ko1katoU  のツイートを拝見していて、ふと気になった問いかけ。 「グルインがむいているシチュエーションってどんな時なんだろう」 企業のマーケティングやデザインの活動の中で、インタビュー手法としては、以下が対比でよく挙げられます。 ・デプスインタビュー(1対1) ※以降デプスと略します ・グループインタビュー(N対1) ※以降グルインと略します この対比の前提で捉えたとき、グルインが「1人あたりの時間が短いからコスパ悪い」だから

          グループインタビュー(グルイン)が向いているシチュエーションってどんな時?

          「姓を変えないといけないから結婚できない」から考える、「姓」の持つ意味とコンテクスト

          「姓を変えないといけないから結婚できない」 国民民主党の玉木雄一郎氏が代表質問で語ったエピソードに対し、「だったら結婚しなくていい」という野次が飛んで話題になっています。 これに対して、「姓が変わるから結婚できないってどんなケースなの?会社で別性を名乗るところも多くあるじゃないか。」と知人がふともらしていました。 自分はこの問いかけ自体に違和感を感じた部分があったので、その違和感を感じたゆえんと、その違和感と向き合って見えてきた「自分が大事にしたい世界の見え方」について、残

          「姓を変えないといけないから結婚できない」から考える、「姓」の持つ意味とコンテクスト

          デザイン態度における「理解」がうみだすもの

          推しカンパニーのGaji-Laboさんの記事を読みました。 私もデザインやファシリテーションの態度のとき、「共感」ではなく「理解」を大事にするタイプなので、とてもうんうんうなづきながら読んでしまった。 理解すること。想像すること。そこに人間の希望があるのだと思うし、デザインのパワーが強まる領域なのではないかと思います。「理解」からはじめた先に「共感」が生まれたとしたら、きっとその先の事業をぐんぐん大きくしてくれるのではないでしょうか。 と同時に。ブログに促されて、自分が「

          デザイン態度における「理解」がうみだすもの

          パルシステム(生協の宅配)の体験スケッチ① ~揺らぎをうけとめリズムをつくる、バンドのベース的存在としての美しさ~

          食べることが好き。料理することが好き。 思春期突入してすぐ、「自分で自分のお弁当を作ることが自立の一歩だ」そう考えるくらい、私の人生には「料理すること」「食べること」が密接に紐づいています。 料理人になったりするような腕前では、決してないけれど、ね。 体験スケッチでは、まずそんな料理と食べることが好きな自分の生活を支えている、パルシステムという生協の宅配サービスの「体験」を扱います。主観的な「体験」から、サービスの特徴や美しさを、抽象化して捉えていきます。 1:「パルシス

          パルシステム(生協の宅配)の体験スケッチ① ~揺らぎをうけとめリズムをつくる、バンドのベース的存在としての美しさ~

          「共愉的瞬間」~専修大学上平研究室 9つのデザイン実験展~に行ってきた

          「デザインに必要な、世界観をつくる『美意識』ってどう育っていくんだろう?」デザインに関わる非デザイナー職として、そんなことを年始から考えています。 サービスデザインの仕事、体験スケッチを通じて考えていくのと同時に、つくり手の話もゆっくりきいてみたいなと思って、上平研究室の展示会に伺ってきました。 専修大学は山の上。歩いていくとちょっと汗ばみます。 でも、多摩丘陵の冬は気持ちよいですね。 会場は、山の上の素敵な校舎の地下にある展示空間。 いくつかの展示が飾られていて、作ら

          「共愉的瞬間」~専修大学上平研究室 9つのデザイン実験展~に行ってきた

          サービスの「体験スケッチ」はじめます ~非デザイナー職が、サービスデザインの解像度をより上げるために~

          こんにちは、UXリサーチャーのわだあずみです。 グラグリッドというサービスデザインファームで、UXリサーチャーやプロジェクトマネジメントを行っています。 これから「デザインに携わる非デザイナー職(ビジネス職のプロマネやPDM)として、サービスデザインに必要な『美意識』をどう鍛えていくか?」というのを考えるために。 noteで自分のプロジェクト「サービスの『体験スケッチ』」をはじめることにしました。 自分というカスタマーが、日々触れているたくさんのサービス。 そのサービスの

          サービスの「体験スケッチ」はじめます ~非デザイナー職が、サービスデザインの解像度をより上げるために~

          不妊治療から妊娠、そして稽留流産。「おでむかえ」という言葉が意味していたこと

          7月頭のある日。 「お腹の胎芽の心拍が聞こえません。数日前から成長が止まっていますね。」 医師はずいぶん長い時間、エコーで確認をしたうえで、私へそう告げた。 それは、端的な事実の共有だけども、見守っているという温度感がある、穏やかな声だった。そのいつもと同じ穏やかさにほっとすると同時に。 私は友人たちからきいた「おでむかえだよー」の言葉を瞬間的に思い出した。 その瞬間こそが、私の人生の潮目だった。 不妊治療2年目、移植4回目での妊娠結婚7年目の35歳にして、私たち夫婦は

          不妊治療から妊娠、そして稽留流産。「おでむかえ」という言葉が意味していたこと