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食パンになりたい人必見!世界観ゲーム『I am Bread(アイアムブレッド)』で最高にこんがり焼けたトーストを目指そう #ネタバレあり

こんにちは、水無瀬あずさです。

人間誰しも人生で一度は「食パンになりたい」という儚い夢を抱くもの。ええ食パンです、安心してください聞き間違えではありません。食パンです。英語で言えばBread。

そんな人類の壮大な夢を叶えてくれるゲームがあるのをご存知でしょうか。タイトルは『I am Bread』―その名の通り、パンになるゲームです。

今回は、食パンになりきって最高に美味しいトーストを目指す世界観ゲーム(=世界観が独特すぎるバカゲー)『I am Bread』の魅力を語り尽くしたいと思います。これを読み終わる頃あなたはきっと、こんがりといい匂いで焼かれる食パンになりたくてなりたくて仕方なくなっていることでしょう。最後までごゆるりとお楽しみください。


世界観ゲーム『I am Bread』とは

世界観が独特すぎるゲーム『I am Bread』は、2015年にSteamで発売され、その後PS4/iOS/Android/XBoxの各ハードで展開されたアクションゲームです(現在Android版からは削除されています)。今回私はiOS版をプレイしました。価格は700円、安い。

公式サイトのあらすじ(翻訳)はこちら。

「I am Bread」は、一切れのパンがトーストになるまでの旅の壮大な物語です。
勇敢で不器用な冒険家を、キッチンという自然の範囲から、何も疑うことを知らない所有者の家を通って外の世界への旅に連れて行きます。このパンは、これまで他のパンが行ったことのない領域に果敢に挑戦していきます。
パンの独特で難しい制御システムに慣れてくると、手探りでスライスしたパンから、熟練したパン忍者へと成長します。環境を横断することは、意図的に要求が厳しいものの確実であり、最も壮大でアクロバティックな操作さえも習得することが可能になります。
一切れのパンを巡る、ビデオゲーム史上最も深いストーリーに加えて、夢中になれる焼き菓子のオプションが豊富にあります。
追加のゲームモードや他の種類のパンはあらゆる好みに対応します。ベーグルとしてレベルを超えてスピード記録を樹立しましょう。チーズハントモードのクリスプブレッドとしての自分の運命を実感してください。バゲットを食べてストレスを解消し、暴れまわるモードで目に見えるものすべてを粉砕しましょう。ああ、パンも宇宙に行くと言いましたか?

出典:公式サイト(Google翻訳を適用)

『I am Bread』のSteamおよびPS4/XBox版は、メインとなるストーリーモードのほか、チーズハントやベーグルレースなどのオプションにもチャレンジできます。最終的にパンは宇宙にまで飛び出しちゃうみたいです。ただ、私がプレイしたiOS版はストーリーモードのみだったため、今回はストーリーモードについてご紹介します。

ストーリーモードでは、食パンになりきって壁を伝い、イスを倒し、冷蔵庫のドアを開けるなどしてエリア内を自由に探索します。いやいや食パンを操作するってどういうこと意味がわからないんだが?と疑問に思ってはいけません。心で感じるのです。

操作としては、食パンの四隅をそれぞれ操作でき、グリップを利用して這うように移動します。

移動方法の説明(チュートリアルより)
グリップの説明(チュートリアルより)

タップで小ジャンプや大ジャンプもできます。さすがは食パン、パンの王道だけあって汎用性が高い。

小ジャンプの説明(チュートリアルより)
大ジャンプの説明(チュートリアルより)

これまでにさまざまなゲームをプレイしてきましたが、食パンの移動方法のチュートリアルというのは人生初でした。いやはや生きていると色々なことがあるものですね。

最終的にどうにかしてトーストになればクリア。食パンが焼けさえすればどんなものを利用してもOKで、たとえ一部分しか焼けていなくても焦げていても、両面が100%こんがり焼ければそれはトースト。誰がなんと言おうと、トーストなのです!

IHコンロで焼かれている食パン氏

要は、とにかく火力の有りそうなアイテムを探し、可能なら操作して、両面が焼かれればいいということです。わかりやすいですね。

『I am Bread』の魅力を語りたい

『I am Bread』の概要がわかったところで、プレイしてクリアした私が感じた作品の魅力や面白さについてご紹介したいと思います。なお何箇所か難しくて私には乗り越えられなかった部分があり、小学6年生の次男「ちびた」に協力を仰ぐなどしました。ありがとう、ちびた。

一応ストーリー的なものがある

「パンがトーストになる」というのが最高にクレイジーでユニークな『I am Bread』ですが、一応ストーリー的なものがあります。まあ・・・ストーリーなんてあって無いようなものではあるのですが。展開を読み進めながらプレイすると、「この先どうなるんだろう?」とワクワクしながら見守れるので、ゲームの楽しさが倍増します。

ゲームの冒頭に表示されるのは、精神科医の診察カルテのようなもの。月曜日の診察の様子を記録したもののようです。マートン氏はビジネスに失敗し、奥さんにも離婚され、精神的に不安定な状態でカウンセリングを受けていることが記されています。

「月曜日:キッチン」前のカルテ

火曜日の診察で、マートン氏は「家が何者かによって侵入され、キッチンがめちゃくちゃに散らかされていた」と訴えています。医者はマートン氏のこの言動が、精神的に落ち着かなくて錯乱状態にあると判断し、投薬治療を考えるに至っています。

「月曜日:キッチン」後のカルテ

カンのいい方ならお気づきでしょう、月曜日にキッチンを荒らしたのは何を隠そうこの私―食パンであることを。つまりマートン氏は精神的に錯乱しているのではなく、事実を事実として伝えているにすぎないのです。なのに精神異常者と思われている、ああ可愛そうなマートン氏。

水曜日の診察では、リビングが被害にあったことを訴えています。マートン氏は「部屋のなかにトーストが落ちていたことは、犯人からの何らかのメッセージである」と考えているようで、何かを思いついたと言い残して帰っていったとのこと。

「火曜日:リビング」後のカルテ

確かに前日のステージはリビングでしたね。まずリビングに食パンを置くなよって話なのですが、まあそこはそれ。前日同様に部屋をアドベンチャーしたことを、マートン氏は泥棒の何らかのメッセージと考えているようです。いや違うよ、食パンがトーストになりたかっただけだよ!

木曜日、マートン氏は「この騒動には何らかの形でパンが関わっているに違いない」とパニック状態で診察に訪れました。医者はマートン氏が一種の認識障害に陥っており、彼の混沌とした状態がこのような荒唐無稽なパンに対する固執を生み出しているのだと結論づけています。

「水曜日∶ベッドルーム」後のカルテ

マートン氏、なかなか鋭いですね。すでに真理にたどり着いているようです。医者は彼のことを完全に精神異常者と決めつけているようですが、食パンとして強く言いたい。「マートン氏、キミは正しい」と。

金曜日、マートン氏は「パンをバスルームに閉じ込めたのに、結局トーストになっていた」という事実から確証を得て、「すべてはパンのせいだ」と結論づけたようです。医者は状況を深刻に受け止め、マートン氏を入院させることに決めました。マートン氏は「明日のゴミ収集車に、ゴミ箱に閉じ込めたパンを回収してもらえるかどうか」を気にしているようです。

「木曜日:バスルーム」後のカルテ

マートン氏、確実に気づいてしまいましたね。まさか前日のバスルームステージが、彼の確認作業の一貫だったとは!確かにおかしいと思ったんです、バスルームとトイレのある空間になぜ食パンを置くのかと。でも食パンは、そんな逆境でもくじけず頑張ってトーストになったのです!どんな状況でも希望を失わない、それがこのゲームのメッセージなのかもしれません(たぶん違う)。

土曜日、医者がバートン氏の家を訪ねてガレージのゴミ箱を確認したこと(ごくごく普通のパンが入っていた)、ガレージ内の機器の電源が付いていたこと、ゴミ箱の一番上にパンを置いたことを伝えると、バートン氏はパニックに陥ったと書かれています。医者はバートン氏が「パンがトーストになる夢を叶えるために動き回っている」という妄想に囚われていると結論づけました。

「金曜日:ガレージ」後のカルテ

お医者さん違うんだよ、バートン氏は間違っていないんだよ!と教えてあげたくなる状況ですね。パンは確かにガレージで動き回ったし、スイッチを入れてトラクターを動かしたし、車の排気口みたいなところでトースターに変身できたのです。ありがとう車!ありがとうマートン氏!

そして最後、日曜日。マートン氏は「パンを破壊しなければ!」と叫んで施設から脱走してしまいました。

「土曜日:ガーデン」後のカルテ

脱走したマートン氏はおそらく自宅に帰り、食パン(わたし!)を車に載せ、ガソリンスタンドに向かったのでしょう。そして食パンは、ガソリンスタンドという危険度の高い場所でなおも相変わらず食パンになるべく火気を探すアドベンチャーを繰り広げ・・・あとは想像できますよね?食パンは遠くに吹っ飛ばされ、遠くでは爆発音が鳴り響く光景が。だってガソリンスタンドなんて可燃性の高いものがたっぷりあるのに、そこでトーストになろうとしたらそりゃまあ・・・爆発したって仕方ないよね?

食パン氏「なんかあっちで燃えてますなあ・・・」
マートン氏、心の叫び

エピローグでは、車の荷台に積み込まれた食パンが運転席を目指します。一心不乱に運転を続ける男(たぶんマートン氏)に食パンが近づくと、びっくりした男はハンドルを切り損ね、そして・・・

男に近づく食パン氏
車は横転

さて、こうなったのは一体何が原因だったのでしょう。何が悪かったのでしょうか。おそらくですが、マートン氏はそれほど悪くなかった気がしますよね。いや、だからって食パンが悪いわけなんてあるはずがないんですが。

「トーストになっていただき、ありがとうございます」

とにかくトーストになりたい

ストーリーを見ていただければわかるように、食パンのトーストになりたいという執念は計り知れないものがあります。

キッチンでIHコンロやトースターに焼かれているくらいなら可愛かったんですが、「とにかく熱を発するものなら何でもいいから焼かれとけ!」って勢いで焼かれに行くのです。それほど食パンにとって、トーストになるというのは魅力的なことなんですね。

ストーブに焼かれる食パン氏
アイロンに焼かれる食パン氏
ドライヤーに焼かれる食パン氏
車の排気口で焼かれる食パン氏
草刈り機で焼かれる食パン氏

水と汚れは最大の天敵

食パンにとって、トーストになるのと同じくらい重要なのが可食性です。

何と言っても食べ物なので、美味しく頂いてもらえるかどうかって重要なポイントなんです。そのため、食パンは地面に落ちたり表面が汚れたりすると、可食性(HPのようなゲージ)が少しずつ減っていきます。

鍋から出ると可食性が下がってしまうので
必死で頑張っている食パン氏
割れたタマゴでダメージを受ける食パン氏
魚の小骨で地味にダメージを受ける食パン氏

また食パンにとって水は天敵です。濡れると、汚れるよりも遥かに早いスピードで急激に可食性が下がっていきます。

水滴によって絶命した食パン氏

食パンである以上、水と汚れには最大限の注意を払う必要があります。

ジャムやバターは大歓迎

汚れは大敵ですが、食パンにとって何よりも嬉しいのはジャムやバターとの共演です。

各ステージにはなぜか必ずジャムが置いてあり、割って自身に塗りたくることでジャムまみれの食パンにメタモルフォーゼできます。言ってみれば、推しのアイドルの握手会で握手をしているイメージでしょうか。ああ、これこそ食パンの幸せ!なおジャムやバターを塗っても可食性は下がりません。だって憧れなんだもん。

ジャムにまみれてご満悦の食パン氏

ちなみにバターを塗りたくるというミッションがあるので、おそらくバターを塗ることもできるようなのですが、私は実現できませんでした。いつかバターと夢の共演を果たしたい。

機械やスイッチも押せる

トーストになるためならエンヤコラ。瓶を割るのはお手の物、冷蔵庫を開けたり、物を動かしたり落としたり、機械のスイッチを押すことだってできます。これぞ食パン無限の可能性!

チェーンソーだって動かせる食パン氏

家主であるマートン氏も、食パンが自由に動き回れるだけでなく、スイッチや電源を入れられるなんてことがわかったら、そりゃパニックにもなりますよね。万能すぎる食パンでゴメン。

とうとう新聞にも載る

マートン氏がパニック状態で施設を飛び出した翌日、ガソリンスタンドには山積みの新聞が置いてありました。見出しは「LOAF TOAST?」、ローフとは切っていない一塊のパンのことです。

自分について載っている新聞を熱心に読む食パン氏

Man says BREAD has been destroying his life!(男は言った、「パンが自分の人生を壊している!」と)という扇情的な見出しです。マートン氏が施設から脱走したことを伝える内容でしょうか。たぶん地元のローカル誌ですね。マートン氏、完全に頭のおかしい精神病患者ってことにされています。可哀想に。

でももしこんな見出しの新聞が売っていたら、私も買ってしまうかもしれません。だって究極に面白そうなんだもん。

ガソリンスタンド爆破

最終日、ガソリンスタンドで全力で冒険する食パンは、最終的にショートした電気をガスボンベに近づけて引火させ、一帯を盛大に爆破してしまいます。何という大惨事!

ガスボンベで宙を舞う食パン氏
ガスボンベに電気が降り注ぐ監視カメラ映像

ただこれ、食パンのせいというより、ガソリンスタンドにそんな危険なものをゴロゴロとおいていた人間のせいなのでは。ちゃんと管理していなかったため、食パンがちょっとアドベンチャーしただけで事故が起こってしまったという結論なのでした。

結び

世界観がすさまじいインディーゲーム『I am Bread』の魅力をお伝えしましたが、お楽しみいただけたでしょうか。私はこのゲームをプレイしたおかげで、食パンを買うときに「こいつ、冷蔵庫のなかで動き出さないよね?」と心配するようになってしまいました。またいろいろな食べものをみて、「これを主役にしたゲームってないのかな?」と調べるようになってしまいました。どこかのゲーム会社の人、ぜひ今度おでんの具を主役にしたゲームを作ってください!

世の中にはまだまだ、あまり知られていないけどちょっと頭のおかしいゲームというのがたくさん存在します。私はこれからも、そういう世界観の強いゲーム、通称世界観ゲームを世に広めるべく記事を書き続けていこうと心に誓いました。次はどんなゲームをプレイしようかな。

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