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読書感想文集

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徒然なるままに書く読書感想文。基本的にネタバレは無しで、ネタバレする時は事前に予告します。
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2022年2月の記事一覧

読書感想文(139)恩田陸『夜のピクニック』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は第二回本屋大賞を受賞した有名な作品です。
最近知り合った人にオススメしてもらったことがきっかけで読みました。

感想内容は全く知らずに読み始めたのですが、タイトル通りの内容でした。
夜のピクニック、「ピクニック」という言葉は楽しい雰囲気ですがら「夜の」と付くとなんだか静かな雰囲気になります。表紙絵がまさにそれらを表し

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読書感想文(138)西加奈子『はちみつ色の』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は西加奈子さんの作品ですが、ほっと文庫という、ちょっと珍しい短編です。昔、入浴剤とはセットになって売れられたものです。

今回読んだきっかけは、「2月は15冊読むのが目標なのにまだ13冊しか読めていない!やばい!そうだ!短いほっと文庫を読もう!」という、不順な動機です笑。でも、1冊は1冊なので……笑。
まあそのおかげで

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読書感想文(137)草薙奈津子『カラー版 日本画の歴史 近代篇 狩野派の崩壊から院展・官展の隆盛まで』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

最近小説が続いているなぁと思ったので、新書を読んでみました。
日本画はほとんど知識が無いので、まずは新書から、と思ってだいぶ前に買った気がします。

感想思っていたよりも難しかったです。
特に序盤は南画と浮世絵の話から始まるのですが、知らない人の名前がたくさん出てきて、それぞれの生い立ちや特徴が描かれるので、なかなか頭に入

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読書感想文(136)金子みすゞ『金子みすゞ童謡全集⑥ さみしい王女・下』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は金子みすゞ童謡全集の最終巻です。少しずつ読み進めてきましたが、ついに完結です。

感想今回は金子みすゞの中でもトップレベルで有名な「こだまでしょうか」が載っていました。改めて、いいなと思いました。
他にもたくさんいいなと思うものがあったので、いつも通り引用しながら書いていきます。

これを読んでまず思うのが、やっぱり

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読書感想文(135)筒井康隆『旅のラゴス』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回読んだこの本は、中学のクラスメイトのオススメで、めちゃめちゃ前に教えてもらいました。
オススメされたから買ってみたという感じなので、内容は全く知らないまま読み始めました。

感想面白かったです。
最初はなんというか、ドライな(?)感じの文体であったり、環境が現代で無かったりしたため馴染みづらく感じましたが、すぐに慣れま

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読書感想文(134)山田詠美『ぼくは勉強ができない』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

この本を買ったのは随分前なので、何故買ったのかは覚えていません。恐らく大学生協の文庫割引セールの時、いつか読むであろう本を片っ端からカゴに入れた時に買ったのだと思います。
今回読もうと思ったのは、偶然目に止まったからで、特に理由はありません笑。
読もうかなと思ったから、読んでみました。

感想面白かったです。
正直、少し文

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読書感想文(133)『ドイル傑作集(Ⅲ)―恐怖編―』(コナン・ドイル作、延原謙訳)

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回はコナン・ドイルの短編集です。
新潮文庫のコナン・ドイル作品はこれで制覇だと思います。
他の傑作選も電子書籍ではあるのですが、しばらくは読まない気がします笑。

感想全体的に面白かったです。
「恐怖」と言っても様々で、未知の恐怖、物理的な恐怖、人の恐怖などなど。
この作品はこの恐怖、と分けられるものでもなく、それぞれに

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読書感想文(132)有川浩『阪急電車』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回読んだ『阪急電車』は久しぶりの再読でした。最後に読んだ記憶があるのが中学一年生の頃の初読のみで、ちょうど映画化された頃だったと思います。
それにも関わらず、読む前から結構内容を覚えていて、この本から沢山の事を学んでいるなぁと思っていました。詳しくは後で書くつもりですが、読み返すと思っていた以上に影響を受けていたので驚き

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読書感想文(131)辻村深月『かがみの孤城 下』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は前回の続きです。

感想とても面白かったです。
下巻の序盤で明かされるパラレルワールド的な謎については、上巻の割と早い段階で気づいていました。予想通りだったのでちょっと嬉しかったです。
ただ、他の伏線については結構気づかなかったので、まだまだです笑。まあその分驚きと共に楽しむことができたので、それはそれでよかったです

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読書感想文(130)辻村深月『かがみの孤城 上』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は知人のオススメがきっかけで読みました。辻村深月さんの作品は以前『凍りのくじら』を読んでから気になっていたので、早速買って読んでみました。
他には高校二年生の頃、修学旅行の空港で買った『オーダーメイド殺人クラブ』を読んだことがあります。こちらはもう5年以上前なのでうろ覚えですが、『鏡の孤城』の主人公はどちらかといえばこ

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読書感想文(129)武田尚子『チョコレートの世界史:近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今日はバレンタインデーということで、チョコーレートの本です。
この本を読むのは二回目で、初めて読んだ時も二月でした。
この本を読むと、チョコレートを食べるのがより楽しくなるのでオススメです。チョコレートの奥深さを垣間見ることができます。

先日この本を読書会で紹介し、その後みんなでチョコーレートの食べ比べをしたのですが、と

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読書感想文(128)三浦しをん『愛なき世界(下)』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は前回の続きです。

感想まず読み終えて思ったことは、世界のどこかにある日常がありのままに描かれている、ということです。
三浦しをんさんの作品は他に『きみはポラリス』しか読んだことがありません。
そちらは短編集なのですが、ありふれていそうで、埋もれてしまっていそうで、でも確かに存在する、愛おしい人の営みが描かれていまし

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読書感想文(127)三浦しをん『愛なき世界(上)』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

シロイヌナズナの研究をしている大学院生に恋をする料理人(見習い)のお話なのですが、最近大学でシロイヌナズナの研究をしていた人とお話する機会があり、その人に教えてもらったのをきっかけに読んでみました。

三浦しをんさんの作品は、先日読んだ『きみはポラリス』と合わせて2作品目です。自分の感性に通ずる所がありながら、まだ自分の中

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読書感想文(126)有川ひろ『アンマーとぼくら』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は前回と同じく有川ひろさんの作品です。今更ですが、そういえばペンネームの表記を変えられたんですよね。私は「有川浩」表記の方が馴染み深いのですが、本に合わせようと思います。

有川ひろさんの作品は結構読んでいますが、この本は初めて読みました。

今回は少しマイナスの感想も含まれます。あまり否定的な発信は良くないと思ってい

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