読書感想文(133)『ドイル傑作集(Ⅲ)―恐怖編―』(コナン・ドイル作、延原謙訳)

はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回はコナン・ドイルの短編集です。
新潮文庫のコナン・ドイル作品はこれで制覇だと思います。
他の傑作選も電子書籍ではあるのですが、しばらくは読まない気がします笑。

感想

全体的に面白かったです。
「恐怖」と言っても様々で、未知の恐怖、物理的な恐怖、人の恐怖などなど。
この作品はこの恐怖、と分けられるものでもなく、それぞれに様々な恐怖があります。
共通しているのは血が出たり死んでしまったりと、人が傷つくというところでしょうか。
『海洋奇談編』にも血が出る話はあったとは思いますが、どういう分け方なのか少し気になります。

今回最も印象に残ったのは「新しい地下基地」です。
途中(P75)でオチに気づくことができ、久々にホームズを読んでいた時の推理脳を使った気がして楽しかったです。

一方で、「サノクス令夫人」と「ブラジル猫」は直前まで気づきませんでした。
ホームズを読む時のように謎解きの姿勢で読めば恐らく気づいたと思うのですが、気づいた時にはもう手遅れ……という、登場人物と同じような立場で読むことができたので、まあ良しとします笑。

「大空の恐怖」と「青の洞窟の怪」はシンプルに冒険感があって、ドキドキを楽しめました。
似たドキドキ感でいうと「ブラジル猫」もなかなかありましたが、この二つは主人公が自らの命を賭けて冒険しているのが特徴です。
思えばつい最近まで地球にも未知の世界は今より多くあり、遥か上空はそのうちの一つでした。今の私たちにとっての深海の世界のようなものでしょう。
現代は様々な情報に溢れているので、私達はSFをSFとして捉えることができます。しかし実際見たものというのは殆ど無いわけですから、仮に誰か権力者が情報を操作しているとすれば、何が本当かわからなくなってきます。
昔は今ほど情報に溢れておらず、また情報のリテラシーも普及していなかったはずです。
そんな中で、例えば遥か上空の謎について「大空の恐怖」のような空想を描くことも多かったのかもしれません。

空想力は今の自分に足りていないなと感じているものの一つです。
「足りる」のラインはわからないのですが、昔はもっと空想力があったし、ゆえに面白い発想ができていたように感じています。
科学が重視される世の中ですが、何にとって科学が重視されるべきなのか、ということはもっと意識しても良いように思います。
「科学的でない」の一言で終わらせてしまわず、その着想の原点や広がりに目を向けるのも大切ではないかと思います。

いつの間にかよくわからないことをつらつら書いていたので、そろそろ終わります笑。

おわりに

話が脱線するのはいつも通りですね。私の読書感想文は感想文と銘打った連想文になりがちです。
でもこのnoteの目的は読み返した時に「そういえばこの本読んだ時にこんなこと考えたなー」と思うことなので、これからも思いつくままに書いていこうと思っています。

ということで、最後まで読んでくださってありがとうございました。


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