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アメリカン・ポップス・クロニクル 1960年代編 ch.5 (6)

1964年のNo.1ヒットソング

<"There! I've Said It Again" / Bobby Vinton>

<"I Want to Hold Your Hand" / The Beatles>

<"She Loves You" / The Beatles>

<"Can't Buy Me Love" / The Beatles>

<"Hello, Dolly!" / Louis Armstrong>

<"My Guy" / Mary Wells>

<"Love Me Do" / The Beatles>

<"Chapel of Love" / The Dixie Cups>

<"A World Without Love" / Peter and Gordon>

<"I Get Around" / The Beach Boys>

<"Rag Doll" / The Four Seasons>

<"A Hard Day's Night" / The Beatles>

<"Everybody Loves Somebody" / Dean Martin>

<"Where Did Our Love Go" / The Supremes>

<"The House of the Rising Sun" / The Animals>

<"Oh, Pretty Woman" / Roy Orbison>

<"Do Wah Diddy Diddy" / Manfred Mann>

<"Baby Love" / The Supremes>

<"Leader of the Pack" / The Shangri-Las>

<"Ringo" / Lorne Greene>

<"Mr. Lonely" / Bobby Vinton>

<"Come See About Me" / The Supremes>

<"I Feel Fine" / The Beatles>

御覧の通り、まさにビートルズの年となりました。全米1位の曲は6曲、全52週のうち18週ビートルズが首位にいました。米キャピトル・レコードのデビューシングル"I Want to Hold Your Hand"に始まり、"She Loves You"、"Can't Buy Me Love"この3曲で14週連続1位と圧倒的結果。"She Loves You"は前年9月にスワン・レコードから出ていたものが、ここで日の目を見たことになりました。2月7日、彼らはニューヨークのケネディ空港に降り立ち、9日には伝説のエド・サリバン・ショーに出演しています。

記録ずくめの決定打が4月に生まれています。4月4日付けチャートでは、1位から5位までビートルズの曲が並びました。"Can't Buy Me Love", "Twist And Shout", "She Loves You", "I want To Hold Your Hand", "Please Please Me"の5曲で、おそらく破られることはない記録となりました。

ビートルズの他に複数曲1位にしたのは、ボビー・ヴィントンが2曲、シュープリームスが3曲でした。初の1位獲得は11組ありました。ディーン・マーティンのトラディショナルな"Everybody Loves Somebody"はビートルズのカウンターだったのでしょうか。 R&Bチャートの発行はこの年ありませんでした。

64年のフィレス関連は、なかなかチャート上位に入ってこれませんでした。最高位は、マン&ワイルがロネッツに書いた"Walking In The Rain"で23位。ライチャス・ブラザーズの"You've Lost That Lovin' Feelin'"のリリースは11月で、1位になったのは65年2月です。バリー&グリニッチはロネッツ用に"Chapel Of Love"を書きましたが、スペクターはそれを受け入れず、バリー&グリニッチはリーバー&ストーラーが新しく作ったレーベルのレッドバード・レコードに持っていき、ディキシー・カップスのデビュー・シングルとなり、全米1位に輝いています。11月末に首位に立ったシャングリラスの"Leader of the Pack"も、レッドバード・レコード、バリー&グリニッチ作でした。

スペクターのもとでロネッツやダーレン・ラブに曲を書いていた、アンダース&ポンシアのコンビも、レッドバード・レコードからトレイド・ウィンズ名義で"New York's A Lonely Town" (#33) をスマッシュヒットさせています。

ビートルズに続いて全米1位を獲得したブリティッシュ・グループは、ピーター&ゴードン、アニマルズ、マンフレッド・マンの3組でした。

マンフレッド・マンの"Do Wah Diddy Diddy"は、バリー&グリニッチ作、エキサイターズのカバーで、原題は"Do-Wah-Diddy"です。エキサイターズは、ビートルズの最初の北米ツアーのオープニング・アクトを務めました。

また、ビートルズの"I Want to Hold Your Hand"の次にHot 100に登場した英国人アーティストは、ダスティ・スプリングフィールドで、"I Only Want to Be with You"は1月25日付けチャート77位で初登場すると、最高位は12位のヒット曲でした。彼女はソロシンガーになる以前、スプリングフィールズでナッシュヴィルにレコーディングに行った時に、ニューヨークで聴いたエキサイターズの"Tell Him"に影響を受け、ソロシンガーになる決意をしたようです。

ビルボードの年間ランキングでヒットシングルを見てみると、ここでもビートルズが9曲と強いのですが、デイヴ・クラーク・ファイヴが5曲ランクされていて、1位はありませんでしたが、"Because" (#3)、"Bits and Pieces" (#4)、"Can't You See That She's Mine" (#4) とヒットを飛ばしていました。
アメリカン・ポップスという点で見ると、17歳のダイアン・リネイのヒット曲"Navy Blue" (#6) がありました。

ブリティッシュ・インヴェイジョンはまだ序章、65年、66年と英国ロック・グループが押し寄せてきます。対抗できるアメリカ勢といえば、フォーシーズンズ、ビーチボーイズ、モータウン(特にシュープリームス)ぐらいです。

ビートルズがケネディ空港に降りた時、同行していたのがフィル・スペクターでした。彼は、この時点で既にフィレスの次の展開を考えていたのでしょうか。

(2022/03/15)

ch.5

1.The Boy I Love (2022/03/03)
2.Flip and Nitty (2022/03/06)
3.Tedesco and Pitman (2022/03/08)
4.Twilight Time (2022/03/10)
5.This Could Be The Night (2022/03/12)

ch.4

1.ビートにしびれて (2022/02/13)
2.Power Blues & Sophisticated Soul (2022/02/18)
3.I'll Go Crazy (2022/02/20)
4.Do You Wanna Go With Me (2022/02/23)
5.I Got Lucky (2022/02/25)
6.The Lovin' Touch (2022/02/28)

ch.3

1.サーフビート・ゴーズ・オン (2022/01/29)
2.A Sunday Kind of Love (2022/02/01)
3.夜明け前の月光 (2022/02/03)
4.West Coast R&B (2022/02/05)
5.くよくよしないぜ (2022/02/06)
6.誰にも奪えぬこの想い (2022/02/10)

ch.2

1.シビレさせたのは誰 (2022/01/14)
2.ブロンクス・スタイル (2022/01/15)
3.ツイストが2度輝けば (2022/01/21)
4.太陽を探せ (2022/01/22)
5.1961年のNo.1 R&Bソング (2022/01/25)
6.Romancing the '60s (2022/01/27)

ch.1

1.1959年のNo.1ヒットソング (2021/12/31)
2,1960年のNo.1ヒットソング (2021/12/31)
3.1960年のヒットソング (2021/12/31)
4.インストゥルメンタル・ヒット (2022/01/04)
5.60'Sポップスの夜明け (2022/01/05)
6.R&B、ソウルミュージックの躍進 (2022/01/07)

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