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この本いいよ!

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これまで私がnoteに投稿した読書感想記事をまとめたマガジンです。本選びの参考になればいいなと思います。
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2022年3月の記事一覧

第143回:優しい人々との絆から見える「命」の大切さ(汐見夏衛:臆病な僕らは今日も震えながら)

第143回:優しい人々との絆から見える「命」の大切さ(汐見夏衛:臆病な僕らは今日も震えながら)

こんにちは、あみのです!
今回の本は、汐見夏衛さんのライト文芸作品『臆病な僕らは今日も震えながら』(実業之日本社文庫GROW)です。noteで汐見さんの作品を紹介するのは7冊目です。

今回の作品では汐見さんが他作品でもよく描く「生きづらさ」だけでなく、「命の大切さ」というシンプルだけど深いテーマも印象的に描かれていました。ストーリーもわかりやすいので、汐見さんの作品はまだ読んだことがない!という

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第142回:数々の出会いと別れはこれからに必要な「選択肢」なのかも(樋口修吉:ジェームス山の李蘭)

第142回:数々の出会いと別れはこれからに必要な「選択肢」なのかも(樋口修吉:ジェームス山の李蘭)

こんにちは、あみのです!(前回の読書感想文からちょっと時間があいてしまいました…)
今回の本は、樋口修吉著『ジェームス山の李蘭』(徳間文庫:トクマの特選!)です。

ロマンティックなキャッチコピーとエモさのある帯に惹かれて、本屋で見るたびにずっと気になっていました。冒頭から意外なストーリーではありましたが、最近の恋愛小説とは違った魅力を放っていた作品でした。

また作中ではたくさんの「出会い」と「

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第141回:一筋縄ではいかない恋から「普通」とは何かを考える。(人間六度:きみは雪をみることができない)

第141回:一筋縄ではいかない恋から「普通」とは何かを考える。(人間六度:きみは雪をみることができない)

こんにちは、あみのです!とても印象深い恋愛小説に出会えたので、紹介します!
今回の本は、人間六度さんのライト文芸作品『きみは雪をみることができない』(メディアワークス文庫)です。今作は毎年恒例「電撃小説大賞」受賞作のひとつになります。公式略称は「きみ雪」とのこと。

「王道」と見せかけて、実は斬新な恋愛小説。「普通」とは一体何なのか?難しい質問が作中では描かれますが、読むと世の中の見方が少しだけで

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