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夏が好きだ。
意識を持っていかれそうになる夏。
周りを歩く人の歩調はゆっくりで、輪郭がぼやけている。これをかげろうと呼ぶのだっけか。
周りの音は溶け、冷たい静けささえ感じる。
そうして、眩しさにかろうじて見える世界と自分は、どこか隔絶された存在に感じるのだ。
音楽に対して恋するような、どきどきする感覚って、どのくらいの人が持っているのかなあってなんとなく思った。
私は高校の時にその感覚を知った。というつぶやき
【ことばを並べたもの】憂に眠る/瞬き
憂に眠る
空っぽになった花瓶のような
酸素に溢れた水槽のような
自由と不自由の真ん中で
あなたの輪郭を追っていた
私が捨てたささやかな祝福は
誰かが拾っていてと願う
瞬き
瞬きをするたびに季節が巡る
海のように 空のように
あなたの光を映すように
花のように 星のように
あなたが涙を落とせるように
それだけ
で生きていけなくなってしまった
おとなになるということ
その手ですくい上げられるものは限られているということ
【感想】 性別「モナリザ」の君へ
性別「モナリザ」の君へ 最終巻を発売日に読み終えてから、しばらくが経った。
感想を正直に言うと、ラストの結末にモヤモヤが残っている。
「姿が変わっても君は君のまま」と言うメッセージについて。
ひなせの言いたいことはわかる。
性別が変わっていくことへの恐怖。
自分の周りの世界が変わっていくことへの恐怖。
でも、変わることは怖くない。
世界はグラデーションでできていること。
それを知ったひ