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あの時の友を想う


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誰しも、ふと昔の友人が懐かしくなることって、あるのではないでしょうか。
私もふとした時に「ああ、今あの人がいたら、もっとこの気持ちを分かってくれるのに」と思ったり、あるいは、
「どうしてそのかけがえのなさに、当時は気付かなかったのだろう」、
と、懐かしくも少し寂しい気持ちになったりもします。

たとえ今、新しい環境で、新しい友人がいたとしても、「自分と一緒にあの時を過ごしたあの人」という存在は、やはり代えがたいものですよね。

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この詩の作者も、夏の夜の心地よい涼しさに気分がよくなって、琴でも弾こうかと思った。
だけど、ふと思えば、昔の友人はもう側には居ない。
自分の琴の音、自分の気持ちを本当に分かってくれた、「あの友人」はもう近くにいない。
ふと、そのことに気付くのです。
心を動かされた作者は、夜の夢のなかで、寂しくも懐かしくも、友人の姿を思い描こうとします。

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唐·孟浩然〈夏日南亭懷辛大〉
夏日 南亭に辛大を懷(おも)う
山光忽西落 山光 忽(たちま)ち西に落ち
池月漸東上 池月 漸(ようや)く東に上る
散髮乘夜涼 髮を散じて夜涼に乘じ
開軒臥閑敞 軒を開きて閑敞(かんしょう)に臥(ふ)す
荷風送香氣 荷風 香氣を送り
竹露滴清響 竹露 清響を滴(したた)らす
欲取鳴琴彈 鳴琴を取りて彈かんと欲するも
恨無知音賞 恨む 知音の賞する無きを

感此懷故人 此に感じて故人を懷(おも)い
中宵勞夢想 中宵 夢想を勞(ろう)す

夏の日、南のあずまやで古い友人をおもう
山の夕陽は瞬く間に西へ沈み、池の上には月がゆっくりと東から昇ってくる。
髪を解いて夜の涼しさに身を任せ、窓を開いて広々とした場に寝そべる。
蓮の花の上を吹く風は香りを運び、竹の葉に降りた霜の滴る音は清らかに響く。
琴を弾こうとして、ふと寂しい気持ちになる。自分の音を本当に理解してくれる友人は、もう側には居ないのだと。
感慨を生じて遠い友を心に思い、深夜、夢のなかに探し求める。

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