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アルセーヌ・ルパン『特捜班ビクトール』-その5 偽者のルパンとの対決!本当のルパンは誰に変装していたのか?-

(Spoiler Alert!ネタバレ注意!)

みなさん、こんにちは!

今回の記事で、『特捜班ビクトール』は終わりにしたいと思います。

本当に、ルパンが国防債権の盗難事件に関わっているのか⁉

ルパンの影はちらつくものの、まだストーリーでは表舞台に姿を現していないルパン。

結末が気になるところです。

そして、今回もパリの様々な場所が登場するので、空想旅行(エア旅行)が楽しめます♪

何度も書いていますが、私はアルセーヌ・ルパンシリーズを読んで、本当にフランスやパリの地理に詳しくなりました。

ルパンシリーズを読んでいるおかげで、パリに行っても、一人でスタスタ歩いて、いろんな場所に行けるんですよね。

それでは早速みていきたいと思いますが、アルセーヌ・ルパンやフランスの旅、謎解きや推理・探偵小説がお好きな方は、拙著とYoutubeもあわせてご覧いただけると嬉しいです。

https://www.amazon.co.jp/dp/B08WHNCLH3

https://www.youtube.com/channel/UCJLOYQcaT1uWCdOOZKjplig

ビクトール刑事(ペルー人に変装しているので、公爵夫人はビクトールが刑事だとは知らない)と、アレグザンドラ公爵夫人は、リボリ通りにあるサン・ジャック広場で待ち合わせすることになる。

サン・ジャック塔があるサン・ジャック広場

(この広場は、パスカルが気圧実験を行ったことで有名。

私もこの広場に行ったことがあるのですが、なにしろもう20年ほど前なので、現在はどうなっているのでしょう?

夏の期間だけ、塔の内部も見学できるようなので、夏に行ってみたいですね。)

ビクトールは、アレクザンドラ公爵夫人がルパンの愛人であると思っているため、夫人からルパンのところへ辿っていけると確信していた。

2人がホテルに戻ると、たくさんの警察関係者がホテルにいて、一人で泊っているイギリス人を捜索していた。

ホテルは警察に包囲されていたのだった。

(この物語の主な舞台になっている「カンブリッジ・ホテル」は、表通りがシャンゼリゼ通り、裏通りがポンティユ通り(Rue de Ponthieu)

パリのポンティユ通り(シャンゼリゼ大通りと並行している通りの1つ)

となっているため、場所の特定は容易に出来ます。

拙著でも、このあたりの写真を掲載しているので、もし宜しければご覧くださいね。

ポンティユ通りは、シャンゼリゼ大通りとは打って変わって、地味な通りというか、ちょっと暗めの雰囲気を漂わせている通りなんですよね・・・。

表通りのシャンゼリゼ大通りから入って、裏通りのポンティユ通りから出て行けば、特捜班ビクトールの気分になれるかも!?)

ビクトールは、警察に包囲されているホテルから、公爵夫人を逃がす。

警戒が解かれたら、リボリ通りにあるサン・ジャック広場で落ち合う約束をする。

(なぜか、ビクトールとアレクザンドラ公爵夫人は、この広場で待ち合わせすることが多いんですよね。)

そして、ビーミッシュが泊まっている部屋に行き、殺されたエリーズのスカーフを取り戻す。

ポンティユ通りの出口から逃げるよう、ビーミッシュに告げたとき、イギリス人ギャングを捜索中の警察官が踏み込んでくる。

その間もホテルは蜂の巣をつついたような騒ぎだった。

ビクトールは、既に裏通りのポンティユ通りから逃げ出しており、通りで待機していた部下に聞くと、男性がひとり、この出口から出て行ったことがわかる。

ビクトールは、その男性がアルセーヌ・ルパンなのではないかと疑う。

ビクトールが、夫人と落ち合う約束をしていたサン・ジャック広場へ行くと、一人の男性が声をかけてきた。

その男性は、自分がルパンであると言い、ビクトールとルパンの2人は、一緒に車に乗り込み、夫人のもとへ行く。

ビクトールはこの展開に満足していた。

なぜなら、ルパンの愛人とされる公爵夫人から、アルセーヌ・ルパンにたどり着いたからだ。

ルパン(今は、ブレサックと名乗っている)は、ビーミッシュの元雇い主が国防債券に関わる書類を持っており、一緒にその書類を奪わないかと提案する。

その書類を持っている人物が、マイヨ通り98の2に住んでいるという。

マイヨ通り(パリとヌイイの間あたりにある通り)

(マイヨ通りは、『金三角』や『ハートの7』にも登場する通り。

ブローニュの森に沿った通りでもあります。)

ビクトールは、ルパンを現行犯で逮捕したいため、あえてルパンの仲間になり、マイヨ通りの家に一緒に侵入する。

マイヨ通りの3階にはしごをたてかけて侵入し、例の書類を探ししている最中に、何者かによって、はしごがはずされているのに気づく。

ビクトールは警視庁に「ここにルパンがいる」と電話をかける。

そして自分の本当の正体を告白する。

自分は、警視庁に勤める特捜班ビクトールだと・・・。

ルパンとビクトールは格闘になるが、ルパンはすぐに倒されてしまう・・・。

ビクトールは、「こいつはルパンではない」と言い放つ。

ルパンをかたった偽者だったのだ。

そしてビクトールはいつの間にか、この偽物のルパンから国防債券を取り戻していた。

この事件後に、驚くべきことが起こる。

公爵夫人と一緒に、ビクトールがゆくえをくらましたのだ。

翌日の新聞で、その理由が明らかになる。

ビクトール刑事は、実はアルセーヌ・ルパン(の変装)だったのだ!


如何でしたか?

ビクトールが実はルパンだと、気づいていた人はどのくらいいるでしょうか?

ルパンが刑事になりすまして、事件を解決するという話は、「813」とも似ていますね。

そして、映画では、『泥棒成金』とストーリーの展開が似ていると思いませんか。

引退して悠々自適の生活を送っている元怪盗のもとで、その怪盗の名をかたった偽の泥棒が現れ、本物が偽物と対決するという展開です。

私は、ヒッチコック監督の映画も大好きで、ほとんどの映画を観ているのですが、この『泥棒成金』も大好きですね。

ヒッチコック監督の映画も、ここでの記事やYouTubeで紹介していきたいなと思っているので、引き続きご覧いただければ嬉しいです。


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