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ワンダーワールドツアー。障害者を自然と手助けできる心が育まれるカードゲーム。

こんにちは、翼祈(たすき)です。
皆さんは障害者の方が困っている様子を見かけた時に、自然と声をかけられますか?私は自分自身が障害者なのもあって、発達障害での不注意があったりとか、なかなか自分自身のことで精一杯で、助けるために声をかけることが難しかったりします。

実際にどれ位の方が、困っている障害者の方を助けられているか、数字も出ています。下記がそのデータです。↓

東京都にある日本財団が2018年に17〜19歳の800人に実施した障害に関しての【18歳意識調査】によりますと、「障害を抱えている人が困っている時に助けたことがある」と回答した人は45.8%に留まりました。「機会はあったが助けられなかった理由」は「どう助けていいか分からなかった」が34.6%と1番回答が集まりました。「迷惑またはおせっかいになると感じた」(16.7%)、「恥ずかしかったから」(13.4%)という回答もあったと言います。

この様になかなか「助けたい」と思ってもできないのが現状の様です。

そんな心を前に動かしてくれる様なカードゲームが、2022年からあります。

心身に障害を抱える人たちが必要とする支援を、楽しみながら学習できるカードゲーム『ワンダーワールドツアー』が産声を上げました。開発したのは、自身もダウン症やADHDなどを持つ娘さんを育てるお母さんで、「ともに支え合いながら生きている社会を体感して貰えたら」という願いがカードゲームに繋がりました。 

今回は『ワンダーワールドツアー』ができた経緯などについてお伝えします。

『ワンダーワールドツアー』の遊び方


「大変!速やかに高いところに逃げなきゃ!」

テーブルの上で裏返しに整列されたカードの中から「緊急避難速報発令!」という札を引いた参加者が、一緒に遊ぶ小学生たちに投げかけました。

参加者は、100歳の役の人をおんぶしたり、手ぬぐいで目隠しされた視覚障害を抱える役の人の手を引いて誘導したり。お互いに支え合いながら、カードの指示に従って「旅」を進めていきました。

ワンダーワールドツアー』の参加者は11種類の中の1つの役になりきります。耳や目、手の働きに制限があることや、意思疎通を図るのに工夫が必要だったりする以外にも、4歳児、貧困などの設定もあるといいます。

カードを順番が来たらめくって、色んな出来事を協力して乗り越えていくことで、お互いにどんなサポートが必要なのかを学習できます。参加人数は3〜5人で、対象は8歳以上から推奨されています。『ワンダーワールドツアー』は1回に10〜20分程度時間が必要です。

『ワンダーワールドツアー』を提案したのは東京都文京区に住む会社員の女性で、小学3年の長女は中度の難聴とダウン症、ADHDがあります。

NPO法人などで障害児の家族をサポートしながら、2018年に入学した慶応大学大学院で社会課題を解決すべくゲーム作りを開始しました。ブラインドサッカーといった、数十種類の障害体験も積み重ねていきました。子ども達が学校で障害について学習するのはブラインドサッカーや車椅子体験など1種類に限定されることがほとんどで、「より幅広い経験のチャンスを提供したい」と思い描いてきました。今回の『ワンダーワールドツアー』は2021年秋に試作を作り、1年を要して改良を重ねていきました。

『ワンダーワールドツアー』の製作で1番こだわり、苦労した面では、参加者の役割を表すカードの名前と説明でした。「声が出せない」「目が見えない」などと否定的に言い表すことには抵抗感があったといいます。このことで、一緒に『ワンダーワールドツアー』を製作していた仲間と議論を重ねていった結果、「みぶりてぶりの旅行者」「音で世界を知る旅行者」といった肯定的に言い表すことができました。

参考:ゲームで学ぼう 共生社会 一緒に過ごすことが他者を理解する一歩に 東京新聞(2022年)

『ワンダーワールドツアー』に参加した子ども達は「みんなの声が聞こえてこないとつまんないし、口元が隠れていると何を話しているのも分からない」「目隠しで目が見えないことで『そこ』と指されてもどこか分からない。手を一緒に添えて言って貰える方がいい」と障害を抱える当事者の感じ方を発見できた様子でした。

手が不自由なことで小指しか使えない役の参加者からは「周囲の人がカードを取ってくれる気持ちはとても嬉しかったのですが、本当はゆっくりやると自分でもカードを取れますし、自分でカードを取りたかったです」との感想もありました。

私とカードゲーム(ボードゲーム)。

私は子どもの頃から友達が少なかったことから、余りそういうみんなで遊ぶというゲームをしたことがありません。病気の甲状腺機能低下症の影響で記憶障害になって、記憶が抜け落ちているところもあって、詳しくは思い出せないのですが、子どもの頃の習い事で、多分1回?人生ゲームをしたことがあるかもしれません。

カードゲームに関しては就職する前に通っていたデイケアで、UNOやトランプなどをしました。UNOに関しては幼い頃から遊んだことが少なく、元々ルールを何回やっても覚えられず、いつも初心者マークで、新鮮な気持ちで遊んでいたことを覚えています。

今回紹介したカードゲームに関しては、小さい頃から障害を抱えている人を助けるという心が育まれる点では、凄く良いと思います。

なかなか大人になってこのことを実践するのは難しいところもあるかもしれないですし、カードの名前も誰も傷付けない表現で名前が付けられていることもとても素敵なポイントだと思います。


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