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終わらない疑問 短い短い物語。

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ちょっとした物語。誰にもこの疑問を未だに聞けない。
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2016年5月の記事一覧

終わらない疑問《終わり》10⁺/10

終わらない疑問《終わり》10⁺/10

本日で『短い短い物語』一旦終わり。毎回コメントやスキ頂けて嬉しかったです…!ここだけの話、コメントは画面写真?を撮っていました。つい嬉しくて…(笑)

今回の内容は、恋した時の迷い、無力な叫び。誰かの声にカッコつけたくなったり、素直になれなかったり…。主に「若さ」「未熟さ」「耳障りの声」が大きなテーマでした。個人的には、「繰り返して、僕は…繰り返して。」が印象的。https://note.mu/a

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変えたいのは、なんだったかな。10/10

変えたいのは、なんだったかな。10/10

気分がグッと下がる瞬間がある。僕を無理にある型の箱に詰めようとする時だ。その型でなければならない、と。どんどん押しつけてくる。僕はキャリーバックではないのに、こぼれた気持ちを箱に詰め込もうとする。どうしようもない状況に逃げ出した。景色を見たくなるんだ。この感情が早く流れていきますように、と。ほとんどの事は流れないけど。どんなどん底だと思える状況で苦しんでいても、世界は冷たく回っている。どんなに泣き

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考える時間なんていらない。9/10

考える時間なんていらない。9/10

風があっちから、そっちから私の髪を揺らす。好き勝手に動く風は誰のせいにもならない。風はどう動こうと自由を許させている。いったりきたり…。風は私で遊ぼうとしている。そんな独り言を言って、押しつける向かい風の中、自転車をこいだ。真っすぐ続く道。風から守ってくれる建物や、乗り物はここにはない。ただ自転車のペダルを漕ぐことだけが私を前に進めてくれる。進んだ先に何があるのか、なんて考えなかった。努力したらい

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手で耳を強く塞いだ 8/10

手で耳を強く塞いだ 8/10

そんなことしたら、嫌われるよ?そう言って私との距離を詰める。さっきまであれだけ広がっていた視界が何人かの人に囲まれていく。気づけば私はしゃがんでいて、たくさんの言葉を投げられていた。私は自由だったはずなのに、私は手を伸ばしてもその外から出られなくなっていた。1つの行動に多くの監視の目と、批判の口先。…………え、違う!違うッ!!そんなつもりじゃないのに、笑顔も涙も否定される。感情を表現しただけなのに

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波だけ私の隣に 7/10

波だけ私の隣に 7/10

感情の波が押し寄せて来たら、ずっとその波に飲み込まれていた気がする。全身を覆いかぶさって私を波の中に引きずり込む。その波のせいで、人に伝え方を間違えたり、横暴になったりしていた。だって、仕方ないじゃん。感情の波が来るんだもん。私のせいじゃないよ。といいわけをして。自分の行動も感情も否定を続けていた。でもわかったんだ。波に飲み込まれていたんじゃなくて、自分から飲み込まれに行っていたことに。大きい波が

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僕を捉えてやまない 6/10

僕を捉えてやまない 6/10

大勢の人が歩く道で私は止まって振り向く。振り向いても誰もいないなのに。いつも後ろばっかり見てしまう。道には一定に流れる皆の速度を乱さないように同じスピードで歩く人達。振り向いた瞬間にぶつかってしまうんだ。そして、後ろに気を取られている僕を異物を見るように、にらんでまた流れに戻っていく。まだそんなところに居るんですか?早く進んでもらわないと困りますよ。上の方から誰かが怒鳴って来る。いつもならその怒鳴

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グラつく感情、カッコ悪い自分。5/10

グラつく感情、カッコ悪い自分。5/10

毎日の流れの中で君が突然現れた。流れが大きく変わって、いつもの平坦な感情がぐらつくようになった。自分の気持ちを上手く表現することが難しんだ。ただのメールの待つ時間を何回も確認したり、会う時間はギリギリに行ってたのに、なぜか30分前に来てしまう。キミと関わる時間にどうしてもなさけない自分になってしまう…。そんな嫌いな自分でもいつも隣で笑ってくれる。その笑い声でやっと安心するよ。時々、擦れ違った時にカ

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掻き分けて掻き分けて、見つけたい答え。4/10

掻き分けて掻き分けて、見つけたい答え。4/10

紙にいくら自分の気持ちを書いても、自分はどんどん遠くにいく。自分で書いた気持ちでさえも、自分じゃない気がしてくる。目の前に広がる白いノートに綴った思いは誰かのつまらない話に見えてきた。何時間もかけて書いた紙を、手で捻り潰して部屋に投げ捨てた。

そんなに考えなくてもいいじゃん、もうやめなよ、意味ないんだし、バカして忘れなよって言われる…。そんな人を睨み続けた。僕は答えを知りたいんだ。貼り付けた笑顔

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心の嘘、雨の中で。3/10

心の嘘、雨の中で。3/10

隠すならここでいい。我ながら最高の隠し場所だと思った。木を隠すなら森に。お金を隠すなら銀行に。これで分からないと思う。だれも気づかないと思う。闇は私の心を隠すのを味方してくれる。

私の前を通り過ぎていく人も、視界は傘と雨で見えないから。ながるる涙を隠す。どしゃぶりの雨の中なら誰も気づかない。みんな、私の前を急ぎ足で通りする。この冷たい水にうたれる状況から逃げたいから。ここなら全てを隠せる。深くあ

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頬杖と笑顔。 2/10

頬杖と笑顔。 2/10

いつも通りにだるい朝。この面倒な朝の支度をする必要はあるのだろうか。学校で嫌われないように流行りの髪型、メイク、興味の無いスカートの長さを微調整して、無駄なラインを返す。癖でまた頬杖をついた。誰かよくない発言をしたらしい。それでライングループ内でごちゃごちゃ言ってる。本文の内容が適格に分からずとも、返信文はお決まりだ。「わかる!」「ひどい!」「笑える!」…………。このやり取りのどこが楽しんだろうか

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繰り返して、僕は…繰り返して。 1/10

繰り返して、僕は…繰り返して。 1/10

耳から流れる音が頭を震動してくる。鳴るたびに自分を孤独にされる。なんでこうなったんだ?あぁ、もう早く早くというささやかな願いは叶わぬまま、音と涙が流れる。繋がらないんだ。君への電話が。あの一言がダメだったのか。あの行動がいけなかったのか。頭に浮かぶ疑問を貴方に聞きたいのに、質問を拒否するかのように発信音が鳴る。なぁ…この嫌な音を繰り返していれば、この疑問は消えるかな?解決することはできるかな?この

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