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甘いシナモンロールとタピオカを食べながら話す、私たちの人生は甘くない

ベルリンに住み始めて1か月。やっぱり私はベルリンに来てよかったと、心から思いながら帰ってきた今日のこと。

正直にいえば、今日の私は気象病で体が重くて、出かけるのをやめようかと直前まで思っていた。

こんなコンディションで出かけても、付き合い程度にもお酒を飲めないし、ドイツ語でコミュニケーションを取り続けられるかも不安。

正直家から出たくないし、体のだるさのために1時間も昼寝した。


一方で、いいか悪いか、「一度した約束は守らねばならない」気持ちを手放せない私。

だから結局今日の約束も、やっぱり手放すことができずに、時間に間に合うように家を出た。

だけどそれは結果的にすごく重要なことだったし、友人と会えて話せてよかった。大事な大事な友人が、またひとり増えた今日だった。


「シナモンロールを食べに行こう」


数日前に友人から届いたメッセージ。「私たち、これ食べなきゃだよ!」と、シナモンロールの写真を受けとった。

日本だと甘いものをあまり食べない私だけど、こちらではそこそこに食べている。違う場所に住むと、なんだか違うものを食べたくなるのだと思う。

二つ返事で行くと言って、今日の夜に行ってきた。

ベルリンはHackescherハケシャー Marktマルクトにある、シナモンロールのお店。なんだか少し、韓国ぽさを感じる店内。

▲友人に教えてもらいながらふたりで3つを購入


このエリアは、私の大好きなエリア。

何があるというわけでもないけど、この近くのモールがお洒落で何度も通い、モール内のお店では大学卒業時の謝恩会で着るドレスを買った。

9年前に初めてドイツに来た時からの、思い出のある場所。

▲数年前にモール内で撮ったもの

そんな場所で買って食べた、甘い甘いシナモンロール。味はとってもおいしかった。


私たちの人生は甘くない


私はいま31歳、友人はたしか20歳前後。私は日本からここにきて、友人はトルコからやってきた。

ベルリンはトルコからの移民が多い。

ホストマザーによれば教育現場でトルコ人が問題になることがあるそうだし、友人によればベルリンの人口の20%がトルコ人だとか。(事実は不明)

マクロの話を聞けば、確かに移民というのは問題だねと思う。でも、ミクロの私たちの人生の話をすれば、生きたい場所で生かしてくれと思う。

私たちは、ただよく生きたいだけなのだ。


私は、日本の未来を憂いている。私は、日本で結婚して、出産して……という人生を選択したくない。そうするには、あまりにも状況がひどい。

今日会った友人も、同じ考えだそうだ。トルコで生き続けるのは、子どものことを考えれば難しい。それくらいに、経済の状況がよくないのだそう。

お互いに、ただただよく生きることを選択してここにいる。だけど、外国に生きることはそう甘くはない。

例えばトルコ人は人種差別に遭遇しやすいそうだし、それはアジアから来た私も例外ではない。

いままでに出会ったことがないのがラッキーなだけで、私も日本の友人がレイシストに出会った話は何度か聞いたことがある。


私たちの人生は、甘くない。

レイシストからの危険にさらされることもあれば、ビザという法的な問題とか、どうやってお金を得て生きていくかとか。

10歳ほども年齢の離れている私たちだけど、女性として、外国から来た者として、立ちはだかる問題は共通する。


そんな問題を話しながら、甘いシナモンロールをお腹いっぱいに食べて、余ったタピオカを飲みながら帰ってきた今日のこと。

この2時間の余韻を味わいながら、私と彼女の将来を思いながら。

あのシナモンロール屋には、もう一度近いうちに行くのだと思う。


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