冗漫や冗長って、どう直したらいい?
「小説が冗長です」とか「無駄な部分が多いです」
などと言われた場合、どうしますか?
プロ作家でも、改稿の際に直すのは、
この「冗長部分」というのがトップ5に入るくらい、
やはり多いですね。
作家さん本人ではたぶん、気づかないことが
多いんじゃないかな~と思う、「冗長」。
「冗長」ってなに?
とまずは基本的なところから
ご説明しましょう。
読者が読んでいて
「えー、つまんなーい」「退屈~」
「なんかダラダラしてるから、読み飛ばしちゃえ!」
って思うところです。
もちろん、厳密に言うと、
「退屈かもしんないけど、こことっても重要だから!」
って部分もあるかもしれません。
しかし、小説はエンタテインメントだということを
考えると、退屈=じゃあ、読まなくていいじゃん
ということになります。
退屈でも我慢して読むのは、お勉強です。
WEB小説を投稿してる方なんかは、
このへんよくわかってらっしゃるかと思います。
冗長=読者の離脱
です。
まずは基本的に、読者がいらないと思う部分、
それが「冗長」だということをおさえた上で、
あとは作者が書きたいと思っている物語、
起承転結や本筋において、
「省いても、まぁ、なんとかなるかな…?」
という部分が「冗長部分」、つまり
削ってもいいところになります。
例えば恋愛小説で、ヒーローがヒロインに告白するシーン。
これ、重要な部分なので、削ったらまずいのは
わかりますよね?
まさに「本筋」の大切な部分です。
ですがこの告白シーンが、
ヒーローがもじもじしていて、なかなか告白しない。
ちょっとためらって一旦やめて家に帰ってからまた来て告白する。
そんなシチュエーションがあったとします。
いいですよ、そのためらいが面白いんですよ。
……なんて作品もあるかもしれません。
それが面白おかしく、興味深く読める、
ヒーローのキャラがユニークでドキドキしながら
その告白を待てるとしたら……これはOKです。
編集者も「削ってください」なんて言いません。
しかしこれがですね、
「はよせいや!」「はー、ダルい……」
「なにを読まされとんねん」
と思うとしたら、NGです。
確かにためらって一旦家に帰ってまた来たのかもしれませんが、
それは1文で書くか、せめて2~3行で書いてください、
こんなに1シーン使って書かないでください、
と編集者は言います。
変なたとえになってしまいましたが、
「冗長」とはこんな感じです。
読者にだらだらした印象を与えてしまう、
そんなシーンや描写になります。
編集者から言わせると、
そこ、もっと短くできますよね?
って感じです。
もちろんこの逆もあって、表現が端的すぎて
小説っぽくない、情緒をまるで感じない、
もしかして企画書ですか?
という作品もあったりするのですが、
それはまた別の問題があるので後日お話しするとして。
「冗長」な部分は削る、
その中に必要な要素(上記の例でいうと、ためらってから告白する)
があるとしたら、それを端的にさらっと読ませる工夫をする、
ということが大切になってきます。
冗長になりがちな部分、というのは作家さんによって
癖があったりするので、自分で自分の癖を把握できると、
修正もしやすいですし、どんどん小説のレベルは磨かれていきます。
つまり、読者にとって読みやすい、面白い小説になっていきます。
「冗長な部分」を見つけるには、自分の作品を読者目線で見る、
これが基本になるのですが、作者本人ですと、
なかなか難しいところはあるかもしれません。
そんな時にぜひご活用していただきたい、
小説の講評や作家性の魅力を見つけるサービスのHPを
作りましたので、ご興味のある方はのぞいてみてください。
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