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【エッセイ】 読書に必要なこと

読書に集中する為に、図書館を使うことを覚えたのはいつのことだったろう。

市内の図書館を時々訪れていた姉から、雰囲気いいよとすすめられてはいた。

でもかなり長い期間、私はモスバーガーを選んでいた。他のファストフードに比べ割高ではあるが比較的ヘルシーで、何となく客層が静かな気がするので食事を終えた後の読書にさわりにくいからというのがその一番の理由だった。

自由になれる時間、私は可能な限り読書にふけった。そうして本に向かう時間を増やしていくと、楽しくなってしまって、気がつけば2016年には4冊、2017年には11冊、2018年には14冊の作品を読破していた。総合的な冊数としては大したものではないが、3年で3倍以上の数の本を読むようになったのだと思うと、なかなかの変化だと思う。

長いドキュメンタリーなどは間に中断を挟み(その間に幾つかの短編小説を読んだりする)、年をまたいだりすることもあったし、短編集なども1作ずつ細切れに、跳び跳びに読んでいったので、いまだに読了に至っていないものもある。なので、とりあえず手をつけた年の中に、1冊として数えることにした。短編集は、それぞれの作品を数えずにまとめて1冊としてカウントした。

――そうしている内に、読書をする為には静寂というものが大切である、と私は感じるようになった。

その文章、物語の世界をイメージしてその中に入り込む、という作業は、意外に集中力を必要とする。書くときしかり、読むときにもまた、脳の力をフル稼働する多大なエネルギーが必要なのだ。だから読書における充足性を100%満たす為には、隣で他のお客さん達が延々と雑談を続けているような環境ではやはり不充分だ。
そのことに、今年の始めから図書館に通うようになって、初めて気づいたのだった。

私が個人的に考える読書に必要なこととは:

・静寂性
・雑音の出来るだけ入ってこない状況
・静かで、空調の効いた空間
・邪魔する騒音の無いこと
・邪魔されることのないこと
・ゆったりとした時間的余裕
・自由さえ感じる開放的な空間

時間的な余裕ということを別にすれば、全ての条件を満たしているのはやはり図書館だろう。

けれど、可能であれば家の中に読書専用の読書室というのをしつらえてもいいかもしれない。そこは決して広い必要はない。むしろ小ぢんまりしていて、人ひとりがゆったりと座れるほどのスペースが確保出来る程度が最適かもしれない。後は飲み物やおやつなどを置けるちょっとしたテーブル、それに座り心地のいい、疲れたならばすぐに寝落ちするのも可能なソファのようなものがあれば完璧だ。


窓から差し込む光が、時間の経過を
そっと教えてくれるのもいい

もし集中して本を読む為に心地よい空間を作ることに成功すれば、質の良い読書時間に思うさま浸ることが出来るのではないか。

そう思った。


物語の世界に没頭出来る、私だけのこの時間はとても大切

多分、何よりも……。

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