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和合亮一さんの「詩の礫」から派生した 礫を起点に波紋のよう奇想は巡る
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#走る

ライドインマイボディ

乗って走行
シンクロ率は100%
メンテナンス次第で縦横無尽
吐く息は蒸気
白い煙は
前へ後ろへ遠ざかる
屁がなる
ぶっぶっと
自家中毒
穴から穴へ
空気を串刺し
吸って吐いて
ぶほぶほ
鳴らしてエンジン
浮遊
目の前の雲を掴んで
空へ飛んでいった

可惜夜喜多方

可惜夜喜多方

明けてしまうのが惜しい夜
そんな夜はそうそう無いし
そういえばいくつもの夜を使い果たしたし
せっかくの楽しさも眠気にかまけて夢うつつ
ああでも雰囲気は覚えているさ
12月の凍てつく真夜中
パーティーから抜け出して
3月のライオンの新刊を買いに行った
コンビニには
夜を持て余した
似たような私たちが佇んでいた
おでんも食べてこう
小腹を満たして
ゲストの前には戻らなくっちゃ

またみんなで集まって飲

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移動式ライブハウス

移動式ライブハウス

走ってヨガして走って水煙草吸って
吸って吐いて吸って吐いて
繰り返して呼吸して
呼吸と身体
リズムとビート
内側の高揚感
排気する汗と吐息熱を持った水蒸気
ああ
私は
人の皮を被った移動式ライブハウス

反転して
裏返して
質量
100%
喪った声は
21グラム
空気は真綿で首を絞める

クールアップヒートダウン

クールアップヒートダウン

転ぶときは時間に追われているときで
朝からやな予感はしていたけれど
やはり
転んでしまって
血にまみれながら走っています
本気で走っていると
本気で転ぶので
痛みは深い
が患部の熱を
走ることで更にヒートアップさせて
走ることでADRENALINEを
止まっているDOPAMINEを
コントロール

走りながら咀嚼してごっくんする/パッチワークしてニューロンと残像

走りながら咀嚼してごっくんする/パッチワークしてニューロンと残像

片手間に消費しているように
見えるかもしれないし
それについては
罪悪感
のような
若干の
申し訳無さも感じるんだけれど
いや
これは
違うんだ
消費し続けている身体に
即摂取
いわばドーピング
RPGの
コマンドに
おける
戦う
逃げる
魔法
道具
の薬草を使うのパターンなのだ
敵は待ってはくれない
ちょっと待ってて
薬草を摂取して回復するから
とは言えない
2次元の我が分身にとって
コンマ数秒

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いいわけ

いいわけ

それはそれはもう

激しく

力強く

両腕を広げて

ドーンと

大きな鈍い音をたてた

衝撃で 

脇腹と胸と

肩が熱くて痛い

転倒した路上で

ポジティブに

変換したら

地球と頬ずりしながら

ハグしているだけだ

あしうらら

あしうらら

走っていたら
小石がまぎれこんできた
地面を蹴り上げた瞬間に入ってきてしまうのだろう
砂利砂利とゴツゴツとした
違和感のある 
気持ち悪い足裏で
どうにも無視できない存在感
この小石を採集して
オシャレな瓶に詰めて晒してみても
きっとただのなんの変哲もない石ころのフリをするんだ 
足の裏で見えないところでただただ陰湿に陰湿に陰湿に

ワタシ機関

ワタシ機関

汗腺が全開に開け放たれた
滴る汗は無限の泉のようだが
貯水率には限界のある私は
補給しなくてはいけない常に
循環している水は
私の身体を駆け巡って
私という機関は熱を帯びると
汗をかき体温を調節し適正な温度を保つ
毎日
毎日
額で
腋で
つどつど
測定する体温計
レコーディング
記録する
アーカイブ
記憶する
身体から立ち込める水蒸気
私は爆発寸前なのかもしれない