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*追憶*

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私の過去。ノンフィクション。重たい内容多めです。気をつけてお読みください˚✩*
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#母

心失すとき(2)

心失すとき(2)

病院に到着して母のいる場所を探す

何度も来ている病院で
何度も救急の出入口を通ったこともあったはずなのに
なぜかたどり着けずにいた

やっと到着するも守衛の人の呑気な対応に
無性に腹が立つ
『急いでもらえますか!』
大声をだした後に、大声を出していたことに気づく

救急のナースステーションに案内され
そこでも待たされる

なにをやってるんだ?
父と妹はいるはずなのに、なぜ私は行けない?
なんで待

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心失すとき(1)

心失すとき(1)

その日はなんの前触れもなくやってきた

仕事中、電話が鳴る
もちろん出られない

2~3回かかってきて諦めたように鳴らなくなった

また仕事に集中する

しばらくして電話がまた鳴った
今度は鳴り止まない

何度もかけ直しているのか、ずっと鳴ってる

『もしもし』

血の気が引くとはまさにこのことだと思った

母が倒れて救急車で運ばれた
すぐに来て欲しい
妹からの電話だった

仕事中であった私は、そ

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私と、母という人 (4)

私と、母という人 (4)

今になって

彼女がとってきた言動がわかるような気がしてならない

病気である私の症状によるものにとても近いものがあるから

その頃に気づくことはもちろんできなかったが

*
大人になった「私」
病気と診断された「私」

その「私」の隣にいる「母」

気分の波にのみ込まれ苦しむ「私」

誰よりも必死に私がよくなるようにと
動いてくれたのは「母」だった

「鬱病」と診断され服薬するも
全く改善されな

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私と、母という人 (2)

私と、母という人 (2)

*
気分を害してしまうかもしれない内容が含まれます
精神疾患や異常性などに偏見を持たれる方はご遠慮ください

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母はとても不安定な人だった

それはもしかすると

私と同じ病気だったのかもしれない

今さらながら
そんなふうに思えるようになった

彼女との関わりの記憶は少ない

写真を見ると思い出せることもある
それは「思い出せる」という

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私と、母という人 (1)

私と、母という人 (1)

母のことについて書こうと思う

そう思って幼い頃から見てきていたはずの母を思い出そうとして

衝撃的なことに気づいてしまった

私の子供の頃の記憶に、私のほうを向いている母の顔がない
いや、現実には必ずあったはずなのに
それを思い出すことができなかったのだ

私の記憶にある「母の顔」

それはアルバムの中の「母の顔」だった

それに気づいた時、私の胸は締め付けられ、自然と涙がこぼれ落ちていた

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