マガジン

  • オーフスの写真たち

    デンマークにいたころの写真を取り上げて、当時のことを振り返るエッセイを書いていきます。

  • 書いた詩を頑張ってまとめます

記事一覧

仕事について

仕事というものについて考えてみる。 大人も子どもも、みんなそれぞれ仕事というものについて考え方を持っていると思う。 それは、嫌だけど我慢することかもしれないし、…

taku
3週間前
7

何度もあった最後の夜に

曲の中盤、ギターとビートが静かになると、ボーカルのエリザベスの声が際立ってくる。エリザベスは、「こんな夜をずっと覚えているんだろう、ずっとおぼえているんだろう、…

taku
3週間前
1

ヴァルビー

これは、バンド仲間のAさんがたまたまヨーロッパにいるというので、ヴァルビーという街のカフェで一緒に朝食をとったときの写真。 外はつめたい風が吹いていたけど、朝か…

taku
1か月前
3

ある冬の散歩

週末の朝や夕食の後、僕とアクセルはよく二人で散歩にいった。 僕らの散歩コースはだいたいいつも決まっていた。家の裏の農道をまっすぐ進む。右手には広い丘が広がって、…

taku
2か月前
8

インク・ポラロイド

これは、オーフスでとても仲良くしてくれたスコットランド出身のクリストファーからもらったプレゼントの2冊のジン。今も手元にあって、宝物のように時々読み返している。…

taku
2か月前
3

スカーゲンのアザラシ

これは、僕がデンマークにいたのと同じ時期にフランスに留学していた友達のYくんがとった写真。まんなかに写っているのは、野生のアザラシ。 Yくんがちょうど休暇かなにか…

taku
2か月前
3

最近は、instagramの方に短歌を投稿しています。
https://www.instagram.com/5gatsujelly/

taku
6か月前

眠れない夜のジャーナリング

夜、何度も目が覚めてしまって眠りが浅く、しかたがないのでベッドから出て、パソコンを開く。 蝋燭をつけ、10年くらい前に作った曲が夜中に頭の中に何度も流れてきたこと…

taku
7か月前
6

First Day of My Life

あっという間に今年が終わってしまう。2023年ってなんだったんだろう。 成長とか、変化とか、そういうものでラベルをつけて振り返る人たちを横目で見ながら、今日も一人で…

taku
9か月前
6

歌ではなく涙に

僕が誰かを慰めたいと思って書いた曲は例外なく、実は自分に向けて語りたかった言葉だったということは、疑う余地のないことのようです。 だれかを慰めるように歌ったこと…

taku
10か月前
1

作品が売れる

最近、数年前に作ったCDが、月に1,2本のペースで売れていく。 自分の命と引き換えにする思いでこの世界に残した曲たち。今思い出しても喉がぐっと狭くなり、吸う息を胸まで…

taku
11か月前
1

アクセルの死(2021年11月10日)

デンマークで一緒に暮らしていたおじいちゃんのアクセルが、日曜日の朝亡くなったそうです。 もともと癌を患っていたのですが、娘さんからは、去年あたりに退院して元気に…

taku
1年前

おじいちゃんのこと

うちのおじいちゃんは牧師をやっていた。 戦争には行かず、東京で過ごした。大空襲のときは咄嗟に川に飛び込んで凌いで、無事に生き延びたとのことだった。 焼け野原だった…

taku
1年前
3

5月20日日記

久しぶりに会う大切な友達が札幌に来てくれる。 ロンドンで美術を学んだその人は、日本の会社が馴染まなくて会社を辞めて、その後アルバイトとか非常勤をやりながら、いつ…

taku
1年前
6

Headphones

I stopped wearing my headphones Because I already miss the sound of this town And the rhythm I hear in your steps I stopped taking pictures Because I want to k…

taku
1年前
8

[Biking home in the evening's glow]

Biking home in the evening's glow Fond farewell lingers on Wind sings, Foxtails flickered, The fading light Yes, the light But you carry them all still A part…

taku
1年前
5
仕事について

仕事について

仕事というものについて考えてみる。

大人も子どもも、みんなそれぞれ仕事というものについて考え方を持っていると思う。

それは、嫌だけど我慢することかもしれないし、生きがいと呼べるものかもしれない。あるいは、価値を提供するという行為なのかもしれない。その時関わっている仕事や人生のタイミングによって、個人の中でも変わってくるものだと思う。

僕にとって、仕事とはなんだろう。お金を稼ぐためにやらないと

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何度もあった最後の夜に

何度もあった最後の夜に

曲の中盤、ギターとビートが静かになると、ボーカルのエリザベスの声が際立ってくる。エリザベスは、「こんな夜をずっと覚えているんだろう、ずっとおぼえているんだろう、あなたを覚えているみたいに」という歌詞を、何度も繰り返す。僕はこの歌が大好きで、聴きながらずっと覚えている夜のことに想いを巡らせる。その夜の記憶が、今の自分の中にちゃんと根を張っていることを確かめるみたいに。



僕らはオーフスという街

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ヴァルビー

ヴァルビー

これは、バンド仲間のAさんがたまたまヨーロッパにいるというので、ヴァルビーという街のカフェで一緒に朝食をとったときの写真。

外はつめたい風が吹いていたけど、朝からキャンドルをつけたテーブルは、おだやかであたたかい空気に包まれていた。冬の朝のひかりに照らされて、キャンドルの火もすきとおって見えた。右からのびる手はAさんのものではなく、一緒にきていた友人の手。Aさんの細かい演出にしたがって完璧な位置

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ある冬の散歩

ある冬の散歩

週末の朝や夕食の後、僕とアクセルはよく二人で散歩にいった。

僕らの散歩コースはだいたいいつも決まっていた。家の裏の農道をまっすぐ進む。右手には広い丘が広がって、いつも胸がすくような風が吹いている。大きな犬が2頭いる大きな家の角をひだりに曲がる。左手に森をみながら公園に出る。一面草が生えたひろい場所で、公園というよりも草原といったほうがイメージしやすいような場所だ。公園をとおって住宅街に戻ってくる

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インク・ポラロイド

インク・ポラロイド

これは、オーフスでとても仲良くしてくれたスコットランド出身のクリストファーからもらったプレゼントの2冊のジン。今も手元にあって、宝物のように時々読み返している。

スコットランドはイギリス、ブリテン島の北側にあって、良質のポップバンドがたくさんうまれる不思議な土地だ。トラビス、プライマル・スクリーム、ティーンエイジ・ファンクラブ、モグワイなど、スコットランド出身の好きなバンドをあげようとすると、枚

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スカーゲンのアザラシ

スカーゲンのアザラシ

これは、僕がデンマークにいたのと同じ時期にフランスに留学していた友達のYくんがとった写真。まんなかに写っているのは、野生のアザラシ。

Yくんがちょうど休暇かなにかで、わざわざ僕に会いにオーフスまできてくれた。そこで、二人で一緒にスカーゲンという小さなまちを訪ねた。スカーゲンはデンマークのユトランド半島の北の先端で、北欧側にはバルト海、ドイツ側には北海を臨んでいる。スカーゲンの町の先端には岬があっ

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最近は、instagramの方に短歌を投稿しています。
https://www.instagram.com/5gatsujelly/

眠れない夜のジャーナリング

眠れない夜のジャーナリング

夜、何度も目が覚めてしまって眠りが浅く、しかたがないのでベッドから出て、パソコンを開く。

蝋燭をつけ、10年くらい前に作った曲が夜中に頭の中に何度も流れてきたことを、ノートにメモする。フルアルバムをもう一度だけ作ろうかと何年も前から考えている。これは自分の人生の未完了なのかもしれない。何年もなり続けている電話を取らないでいるようだ。

夜中に何度も頭の中で鳴っていた曲と、最近できた2曲を合わせ、

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First Day of My Life

First Day of My Life

あっという間に今年が終わってしまう。2023年ってなんだったんだろう。
成長とか、変化とか、そういうものでラベルをつけて振り返る人たちを横目で見ながら、今日も一人で最寄りのコーヒー屋さんで仕事をしている。

今日は朝から雪が降った。雪の日は景色が真っ白になり退屈なので、音楽を聞きながら歩くことにしている。

最近は翻訳やコーチングの仕事のかたわら、友達の作曲した音楽の編曲を手伝っている。フォークギ

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歌ではなく涙に

歌ではなく涙に

僕が誰かを慰めたいと思って書いた曲は例外なく、実は自分に向けて語りたかった言葉だったということは、疑う余地のないことのようです。

だれかを慰めるように歌ったことを今聞くと、今の自分に向けて10年前の声が歌ってくれているようで、受け取りたいような受け取りたくないような、親にプレゼントをもらった思春期の少年みたいな気分になります。10年前、自分はその時の苦しみを歌にして、歌の中で自分を慰め、歌うこと

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作品が売れる

作品が売れる

最近、数年前に作ったCDが、月に1,2本のペースで売れていく。
自分の命と引き換えにする思いでこの世界に残した曲たち。今思い出しても喉がぐっと狭くなり、吸う息を胸まで届かなくするような記憶とともにレコーディングした十数曲の作品。死んでもいいという覚悟で作っていたと思うけど、本当は、消えたい、もう終わりにしたいという言葉の方が、質感が近い気がする。そんな状態で作っていた。それでも音楽をやっていた。音

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アクセルの死(2021年11月10日)

アクセルの死(2021年11月10日)

デンマークで一緒に暮らしていたおじいちゃんのアクセルが、日曜日の朝亡くなったそうです。

もともと癌を患っていたのですが、娘さんからは、去年あたりに退院して元気に過ごしているというところまでしか、聞いていなかったので、突然のことでした。次日本から会いにいけるのは、しばらく先かなと思っていて、コロナが明けたら会いに行きたいと、漠然と考えていました。

知らせを受けた日曜日は仕事で、早起きして久しぶり

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おじいちゃんのこと

おじいちゃんのこと

うちのおじいちゃんは牧師をやっていた。
戦争には行かず、東京で過ごした。大空襲のときは咄嗟に川に飛び込んで凌いで、無事に生き延びたとのことだった。
焼け野原だった東京、といっても青梅の方に、教会を建てて、80歳をすぎても現役で礼拝に立ち、毎日礼拝の講話をしていた。

おじいちゃんの話は、十代だった僕には面白いものではなかった。
毎週の礼拝でおじいちゃんが人前でするお話しは独りよがりな感じがして、中

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5月20日日記

5月20日日記

久しぶりに会う大切な友達が札幌に来てくれる。

ロンドンで美術を学んだその人は、日本の会社が馴染まなくて会社を辞めて、その後アルバイトとか非常勤をやりながら、いつだったかSNSで見かけたときは、アムステルダムで髪に色とりどりのエクステをつけて、体全体で笑って写真に写っていた。

最後にあったのは、3年くらい前?コロナ真っ只中で、緊急事態宣言が出たり出なかったりしていた時期だったと思う。

地下鉄東

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Headphones

Headphones

I stopped wearing my headphones
Because I already miss the sound of this town
And the rhythm I hear in your steps

I stopped taking pictures
Because I want to keep my feelings alive
So I can make song

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[Biking home in the evening's glow]

[Biking home in the evening's glow]

Biking home in the evening's glow
Fond farewell lingers on
Wind sings,
Foxtails flickered,
The fading light

Yes, the light

But you carry them all still
A part of who you've become
They change their

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