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5月20日日記

久しぶりに会う大切な友達が札幌に来てくれる。

ロンドンで美術を学んだその人は、日本の会社が馴染まなくて会社を辞めて、その後アルバイトとか非常勤をやりながら、いつだったかSNSで見かけたときは、アムステルダムで髪に色とりどりのエクステをつけて、体全体で笑って写真に写っていた。

最後にあったのは、3年くらい前?コロナ真っ只中で、緊急事態宣言が出たり出なかったりしていた時期だったと思う。

地下鉄東銀座駅から帰宅する間際になって、少し飲もうという話になった。店に入るほどでもなかったらコンビニを探したのだけど見つからなくて、銀座の街は煌びやかだけどこういう日々の小さな願いは叶わないのかなと思ったりした。

10分くらいうろついて見つけたファミリーマートで酎ハイを2本くらいとじゃがりこみたいなものを買って、地下鉄の駅の真上、晴海通りに面した広い歩道のベンチに座った。

インドの宗教のスピリチュアルな体験とLSDで体験するトリップの体験が同じらしいとか、ネットフリックスでしか見れないアメリカのアニメの話とかをしながら、通りを歩くスーツの人たちを眺めながら酎ハイを飲んで、あ、でも僕らもスーツを着てるんだよなあと思った。

本当になんでもないただの夜の話だけど、すごく覚えている。そこに何か目立つものがあったわけではないけど、何かがあったとしたら、関係性があったんだろうなと思う。

関係性はキャッチボールみたいなもので、その二人の間だけでボールを投げ合い続けている。投げたらちゃんとかえってくる。帰ってくるからまた投げる。そうやって、二人の間のボールに色がついたり、艶が出たりして、かけがえのないものになるのかもしれない。

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