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寝ても覚めても本のこと

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読書記録や感想、本にまつわるあれこれ
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記事一覧

本の話をしよう|2024.1〜6

本の話をしよう|2024.1〜6

ここ3日ほど、雨が降ったりやんだりを繰り返している。少しは暑さもマシになるのかな(それにしても気温40℃はやばい、お風呂入ってる時と同じじゃん、っていつも思う)と思いきや、熱のこもったコンクリートを冷やすには不十分なのか、もわっとした空気が立ち込めている。まごうことなき梅雨。

朝のニュース番組でアナウンサーが「2024年も下半期に突入しました!」とさわやかに言っていたのはついこのあいだ、しかしも

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思い切ったままに書け|いしかわゆき『書く習慣』感想

思い切ったままに書け|いしかわゆき『書く習慣』感想

いしかわゆきさんの『書く習慣』を読んだ。
noteで見かけることが多く、ずっと気になっていた本。このところ「書くこと」に対するモチベーションが保てていないなぁと思っていた(noteではなく、個人的に書いている創作の話)ので、今こそ読むべきタイミング!と思って読んでみた。

タイトルでもある「書く習慣」をつくるコツがわかりやすい文体でまとめられているのだけど、一番最初に出てきた『自分語りをするために

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本の話をしよう|2023.8

本の話をしよう|2023.8

先月、インプットとアウトプットの目標として、本を読むこと、そして書き続けることを挙げた。10冊読みたい、積読本を減らしたい、なんて書いてはみたが、結果はどうだったのか?

というわけで、8月に読んだ本の話をしよう。

うるうの朝顔 / 水庭れん

誰もが抱える普遍的な日常の中に、現実とたった1秒異なる過去を追体験でき、その瞬間から始まっていた心の「ズレ」が直る「うるうの朝顔」というファンタジーが溶

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読書の夏

読書の夏

夏だから、夏の物語とか、タイトルに「夏」が使われている本が読みたくなって、2冊目に江國香織さんの『なかなか暮れない夏の夕暮れ』を読んだ。

この作品を知ったのは文庫になったタイミングで、本屋で見かけた瞬間「なんて美しいタイトルなんだろう……!」と感動したのを今でも覚えている。だけどその時すぐに読もう!という気持ちにはならなくて(定かではないけれど、おそらく他に読む、もしくは読みたい本があったのだろ

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本の話をしよう|2023.7

本の話をしよう|2023.7

言葉にすると余計にそう感じてしまいそうだが、毎日暑い。本当に暑い。猛暑を通り越して酷暑、激暑。それを通り越したら何暑になるんだろう。今日も今日とて熱帯夜の予感がする、7月最後の夜。
そんな7月に読んだ本の話をしよう。

火狩りの王 ≪外伝≫野ノ日々
/ 日向理恵子

先月から読んでいた火狩りの王シリーズ、これにて読破!本編より前の過去と、本編のその後の彼等を描いた物語。
過去編は、あの人にもあの

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近況と本の話

近況と本の話

6月が終わる。つまり、2023年も半年が過ぎた、ということになる。

なんて、なんて一瞬のことだったのだろう。季節は冬から春へ、そして夏へと移り変わっていったのに、わたしときたら何も変われていない。公募に挑戦してみよう、と意気込んでいたのに、結局カタチにできなかった。noteだって。書き続けたい、と思っていた気持ちは一体何処へ行ってしまっていたのだろうか。

言い訳してしまえばいろいろ出てくる。子

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本の話をしよう|2023.2

本の話をしよう|2023.2

1年、また1年と過ぎるたびに、時間の流れるスピードが速くなっているように錯覚する。日数も少ないせいか、2月は余計にその錯覚がひどく感じられる。だから更新も怠っていた、っていうのはいわゆる言い訳というやつですねハイすみません。そういうわけで、もう残り数日となってしまった、2月に読んだ本の話をしよう。



大好きな『虹いろ図書館』シリーズの4作目、『司書先輩と見習いのぼく』を読んだ。前回で終わりな

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本の話をしよう|2023.1②

本の話をしよう|2023.1②

2023年の12分の1が、今日で終わる。あい変わらず、1月は行ってしまうのが速い。そんな1月後半に読んだ本の話をしよう。



各章のタイトルが二十四節気なのが素敵で、ずっと気になっていた瀧羽麻子さんの『博士の長靴』を読んだ。苦手な生物が(たとえそれが可愛らしいイラストであっても)表紙にいることから買えずにいた本。図書館って素晴らしい。

気象学に生涯を捧げた博士とその家族、四世代にわたる物語。

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本の話をしよう|2023.1①

本の話をしよう|2023.1①

週一更新目指そ、がんばろ〜とか書いていた癖に、早速書くことを怠ってしまった。挽回すべく、最近読んだ本の話をしよう。

積めども積めども物足りないのか、また本を買って、または借りてきてしまった。
新年早々ブックオフのウルトラセールに駆け込んで7冊購入し、「そういえば集めている漫画の新刊が出ていたんだった」とついでに本屋へ向かったら、大好きなシリーズ作品の続編が出ているではないか!→いつのまにか3冊購

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本の話をしよう|2022.9

セプテンバーが去っていく。
夏の疲れが出てきたのか、今月は、苛々したり、急に泣き出したりと、情緒不安定な日々の連続。本を読む気力がなくてぼーっとスマホばっかり見ている日が続いた。
九月最後の日曜日の夜、ふと思った。本を読んでいないから、感受性が乏しくなって心の余裕もなくなっているのかも?ということで、スマホを手に取る時間を本を読む時間に代えて意識的に読書しよう、という宣言をしてみた(言っておかない

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本の話をしよう|2022.8

今月も終盤。ここ最近の本の話をしよう。



辻村深月さんの『凍りのくじら』を、ようやく読了した。
実はこの本、おおよそ二年前から手元にあった。好きなバンドがやっていたラジオで、メンバーの一人が最近読んだと話していたのをきっかけに購入した。各章のタイトルはドラえもんの道具であり、物語の要所各所にもドラえもんのストーリーが垣間見える。辻村さんのドラえもん愛がひしひしと感じられる物語だ。

なぜ今に

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おとなと児童書

エイプリルの最終日。

桜の季節もとうに過ぎ去り、世の中的には、昨日からゴールデンウィーク。よく「最大10連休です!(うまいこと有休を使えば)」なんても耳にするけれど、実際そんなふうに休みをとる人って日本にどのくらいいるのだろうか。
大型連休とはいえ、ご時世的な面や体調面、そしておそらくどこも混んでいるだろう(これがいちばん大きい)という考えから、とくにどこへ行くとか何をするといった予定も立ててい

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読書遍歴を振り返る

読書遍歴を振り返る

つい最近、フォロワーさんが「○○(本のタイトル)は心が柔らかい10代のうちに読んで欲しい」とツイートしているのを見てふと思った。そういえばわたしっていつから読書するようになったんだっけ?10代の頃、何を読んでいたんだっけ?と。
そんなわけで、自分の読書遍歴をざーっと振り返ってみた。

物心つく前から、絵本がとても好きな子どもだった、と聞いている。両親と保育園の先生との連絡帳に「○○を読んだらとても

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一行の衝撃

すこし前まで軽い活字中毒であったはずなのに、気がつけば一ヶ月近くまともに読書ができていなかった。先月、大きなイベントを控えていてその準備に追われていたとか、すこし体調が思わしくない日が長く続いたとか、理由はいろいろ考えられる。だけどもっと明確に、本を読むこと自体をストップさせたと思われる理由がある。そしてそれもまた、本によるものなのであった。

9月の中旬から下旬にかけて、とある本を読んでいた。作

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