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読書遍歴を振り返る


つい最近、フォロワーさんが「○○(本のタイトル)は心が柔らかい10代のうちに読んで欲しい」とツイートしているのを見てふと思った。そういえばわたしっていつから読書するようになったんだっけ?10代の頃、何を読んでいたんだっけ?と。
そんなわけで、自分の読書遍歴をざーっと振り返ってみた。

物心つく前から、絵本がとても好きな子どもだった、と聞いている。両親と保育園の先生との連絡帳に「○○を読んだらとても喜んでいました」「幼稚園でもたくさん絵本を読んで欲しいです」と書かれているのを見たことがあるし、実家の本棚にはたくさんの絵本がひしめき合うように詰め込まれていたのを覚えている。
とりわけ「ぐりとぐら」シリーズと「14ひきのねずみ」シリーズが好きだったのはよく覚えている(ねずみが好きだったのだろうか…)。5歳下の弟から奪って読んでいた「こどものとも」シリーズは、今でもあらすじから結末まですらすら言える作品がたくさんある。

なんとなく聞けていないけれど、大量にあった絵本たちはおそらくもう処分されてしまったと思うし、奇跡的に残っていたとしても劣化が激しいだろう。大人になった今こそどどーんと大人買いしたいものだ、大人なだけに。

学校の図書室に足を運ぶようになったのは小学校の3年生くらいから。きっかけはよく覚えていないけれど、よく詩集を借りていた。まど・みちおとか谷川俊太郎とか工藤直子とか。たぶん、国語の授業がおもしろかったとかそんな感じだろう。

国語はとても好きだった、教科書のあとの方に載っている物語を暇な時に読んだりしていた。同じように、授業で扱ったあとに、教科書に載っていない近しい物語を読んでみたりもしていた。戦争をテーマにした「ちいちゃんのかげおくり」や「チロヌップ」シリーズ(思い出しただけでも泣ける)やら、宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」「よだかの星」「注文の多い料理店」やら。

とはいえ、わたしも周りの友達も根っからのりぼんっ子だったので、この頃はまだ活字よりも絵本や漫画を好んで読んでいた。

ハリポタブームが到来したのはそのあと。担任が読書とチョコレートが大好きな先生だった(よく「ハリポタの新刊買っちゃった」とか「白い巨塔を夜通し読んでしまった、ついでに袋いっぱいのチョコレートも半分食べちゃった」とか話していたのがすごく記憶に残っている笑)ので、教室にはハリポタをはじめ、伝記や歴史の漫画が置かれていた。
しかし、我ながら妙に現実的なところがある子どもだったので、ファンタジー要素のつよい活字はほとんどと言っていいほど読まなかった。よく「ハリポタを通っていない人はダレンシャンを読んでいた」なんて聞くけれど、両者とも読んでいないのを考えると、ファンタジーは漫画でしか摂取してなかったんだな〜と思う。
じゃあ何を読んでいたのか、という問いに、明確な答えがある。わたしの読書の扉が開いたきっかけとも言えるあさのあつこの「バッテリー」シリーズだ。わたしより先に幼馴染が読んでいて、「これは本当に児童書なのか!?」と大きく書かれた帯が気になった。試しに読んでみたところ、まんまとハマってしまったというわけである。

この出会いを機に、図書館でも本を読むようになった。青い鳥文庫でとても好きだった本があったのだけど、タイトルが思い出せない…。
この頃は物語以上に、あらすじ、印象的だったこと、感じたことが端的にまとめられている読書感想文もよく読んでいたので、文集に掲載されていた人様の感想文を読み、興味を持ち、図書館でその本を探して実際に読んでみる、みたいなこともたまにしていた。

中学高校では部活に明け暮れ、読書量は少しヒートダウンすることになる。時間割に組み込まれていた朝読書にちょこちょこ読む程度。「バッテリー」に感化されて、「一瞬の風になれ」「楽隊のうさぎ」などといった部活モノの青春小説や、恋愛をテーマにした小説が多かったと思う。作家さんでいうと、森絵都、片山恭一、小林深雪、乙一など。

周りの友達は「キノの旅」シリーズを読んでいたけれど、その流れでラノベには行かなかった。
途中からいわゆる「ケータイ小説」が流行り出して、自分もそれに倣ったけども、まーたくさんありすぎて。「恋空」ともうひとつシリーズもの(タイトル忘れた、告白の返事をシャーペンと消しゴムで確認するみたいな話…)を読んだら満足したのか、ぱったり読むのをやめた。
同じ頃、父親が東野圭吾にどっぷりハマっていて、読み終わった本を借りて(というか、頼まなくとも読み終わった本が机の上に積まれていて)読んでいた。ただしこの頃にはもう「最後の一行を最初に読む」という自分だけの読書ルールが組み込まれていたから、父親に「推理小説にそれはタブーだろ」って何回も言われていた。笑

読書ペースが復活したのは、自由時間の多い大学の頃。本屋でアルバイトをしていたかつアパートの近くにきれいめな中古本を扱う古本屋があったのも相まって、4年間で一気に本が増えた。今もよく読む伊坂幸太郎、江國香織、瀬尾まいこ、村上春樹、森見登美彦、吉本ばなな、三浦しをんの作品に出会ったのはこの頃。
10代はこんな感じだろうか。

以降、社会人になってから再び読書ペースが落ちたものの、前職の先輩後輩がよく本を読む人たちだったので、仕事に慣れてからは復活。小川糸、青山美智子、一穂ミチなど、新たに出会う作品も多い。
加えてここ数年は、転職やら外出自粛傾向があって、本を読む時間が増えた。本屋大賞のノミネート作品をチェックしたり、「十二国記」シリーズを血眼になって読み、SNSで気になる本を見かけては、本屋で探し出したりと、たぶん今まで生きてきた中でいちばん本を読んでいる。

こうして振り返ってみると、ものすごい量の本を読んできたわけでもなければ、だいぶ偏りのある読書遍歴だ。今現在の文章力が甚だ乏しいのも大いに頷ける。
でも一貫して言えるのは、やっぱり本が好き、読書が楽しいということである。ここまで読まれた方はわたしの年齢がだいたいわかったと思うけれど笑、たとえ感情の吸収が乏しくなっても、良い作品には年代関係ないはず。そう思って最近児童書を読んでみたらいたく感動した、なんてこともある。こんなふうに、思いがけない出会いも多い。
今後の読書遍歴にどんな本が足されていくのか、これからの自分に大いに期待しよう!

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