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恋の予感 (詩)

人影に紛れて
今日もあなたの姿を探し、目で追う私
あなたの横顔に
そっと視線を当てる
不意に振り向くあなた
何気なく目を逸らす私
胸が高鳴る
ほんの数秒間でも
あなたの姿を捕らえられ
甘美な想いに浸る

あなたのシフトが休みの日は
1日中、暗い海の底にいるようだった
早く明日になることを熱望した

そう、恋はいつでも
気づかぬうちに忍び寄る
そして、気づいた時には恋に堕ちる寸前
抜け出したいと思う時点で
もう手遅れ

今、あなたが私の目の前で
これ以上望めないような優しさを
笑みに滲ませている
好意を受け止めてくれたあなたに
怖いくらい惹かれていく
感情は、もはや制御不能
私達、これからどうなるんだろう?

恋に、真っ逆さまに堕ちていく私を
誰も掬い上げることはできない
奈落の底で、もがき苦しむ自分が
容易に想像できるのに
あなたの腕の中に崩折れていく
そして目を閉じ
あなたの唇を待つ

地獄を見るわよ、と
もう1人の自分が囁いた


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