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キャリア戦略

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記事一覧

#003 経営学独学にあたっての必須本

おはようございます。

今日はタイトルの通り「経営学独学にあたっての必須」と私が考える本をご紹介したいと思います。

私は大学・大学院で哲学・美術を研究したのち、MBAを取らずに外資系戦略コンサルティングファームに入社しましたので、経営学の基礎的な知識がないままにコンサルティングの激務をこなせるかどうか、当初は非常に不安でした。

今でこそ、MBAを持たずにマッキンゼーやBCGといった戦略コンサル

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#020 成功する起業家ほど慎重という話

あなたのところにビジネススクールに通う若い起業志望者がやってきたと想像してみてください。タイミングは夏休みの直前です。

「友だち3人とメガネのオンライン販売を始めたいんです」
「いいねえ、じゃあ今年の夏はその立ち上げで大忙しだね」
「いえ、失敗すると困るので、コンサルのインターンシップに行きます」
「え、そうか。じゃあ卒業してから立ち上げに専念するのかな?」
「いえ、念のために、いったんは全員別

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#046 「努力は報われる」という考え方はなぜ危険か?

日の当たらない場所であっても、地道に誠実に努力すれば、いつかきっと報われる、という考え方をする人は少なくありません。つまり「世界は公正であるべきだし、実際にそうだ」と考える人です。

このような世界観を、社会心理学では「公正世界仮説」と呼びます。公正世界仮説を始めて提唱したのが、正義感の研究で先駆的な業績を上げたメルビン・ラーナーでした。

公正世界仮説の持ち主は、「世の中というのは、頑張っている

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#048 J.S.Bachに見る「仕事の量と質」

プロの音楽家に「世界で一番いい曲はなんですか?」と聞けば、少なくない人が「それはマタイ受難曲だろう」と答えるのではないかと思います。作曲家の武満徹は毎朝、作曲の仕事に取り掛かる際にマタイ受難曲の終曲をピアノで弾いていたそうですし、坂本龍一さんも自分のお子さんに「これが世界で一番いい曲だよ」と説明してマタイ受難曲を聴かせていた、という話を以前に聞いたことがあります。僕自身も「最も好きな作曲家を挙げろ

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#054 僕たちは「成長の再定義」をするべき時期に来ている 前編

ここ数年「脱成長」に関する議論がいろんなところで盛り上がっていますが、ずっと違和感が拭えません。二つポイントがあります。

一つ目のポイントは、このような論点が建てられるとき、ここで言われている「成長」はそのまま「GDPの成長」が暗黙の前提になっており、「人間性の成長」や「文化的成熟の成長」や「社会関係資本の成長」が全く考慮されていないということ。

二つ目が、仮に「成長」が「GDPの成長」だとし

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#052 「チャンスが来ない」と嘆く人の特徴

人生を変えることになる打席は、思いもかけずにある日、突然にやってきます。そして、その一回きりの打席で周囲を魅了するような鮮やかなホームランが打てるかどうかで、その人の人生の放物曲線の角度は大きく変わってしまう。

ここでポイントになるのが、その打席は「いつやってくるかわからない」ということです。というのも、私たちはなかなか「いつやってくるかわからない打席」のために、地道な準備をすることができないか

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「知的生産における戦略」とは?

一番最初にやるべきなのは「情報収集」ではない仕事でもプライベートでも構わないのですが、なんらかの知的生産を行う、ということになったら、皆さんはまずどこから手をつけますか?

恐らく、まずは資料を集めるとか、その領域に関連する本を買ったり、ネットで関連する情報を集めたりといったことからスタートする人が多いのではないでしょうか。

通常の学校教育を受け、社会人になってある程度の知的生産のトレーニングを

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#001 日本脱出のススメ

先日、自分のブログに書いた記事ですが、いろんなところから支離滅裂な批判が来まして本当に参りました。

僕は常日頃から「知名度にはコストとリターンの両方がある。特に有料コンテンツに金を払う気のない人の間での知名度はコストしか産まない」と言っていますが、これは自分のTwitterアカウントがそういう状況になりつつあったがゆえの実感なのですよ。

ということで難癖をつける相手を見つけて難癖をつけるためだ

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#022 キャリアの滑落死を避けるための三つのポイント

キャリアはよく登山になぞらえられて語られます。では、登山において最も重要視されるのは何でしょうか。それは「生きて帰る」こと。これに尽きます。ところが、キャリアに関する論考の多くは「いかに速く登るか」、「いかに高く登るか」といった論点にフォーカスするばかりで、肝心かなめの「いかに生きて帰るか」「いかに滑落を防ぐか」といった論点がなおざりにされている感があります。

僕は前著の「仕事選びのアートとサイ

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#053 「島」を出よう!

いまからちょうど半世紀前の1973年1月23日、アイスランド沖のヴェストマン諸島に属するヘイマエイ島で突然に火山の噴火が起きました。幸いにして島の住民のほとんどは無事に救出されましたが、その後、噴火は五ヶ月の長きにわたって続き、島民の三分の一が家屋を失うことになります。この「三分の一」という数字がポイントです。

島民の「三分の一」が家屋を失ったということは、逆に言えば島民の「三分の二」の家屋は残

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#025 「いいヤツ」は合理的戦略である

キャリアにおける「縁」の重要性を科学的に明らかにしたのはスタンフォード大学の教育心理学者、ジョン・クランボルツでした。彼は「成功する人は、いったいどうやってキャリアを築いたのか」という、誰もがその答えを知りたがるであろう問いを立て、それを研究によって明らかにしました。

結果、わかったのは「成功者のキャリアの80%は偶然によって決定されている」という衝撃的な事実でした。当初の計画通りにキャリアを積

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#060 キャリアの計画は無意味・・・でも計画する

結果的に成功した人は一体どのようにキャリア計画を考え、どのようにそれを実行しているのか?この論点について初めて本格的な研究をおこなったスタンフォード大学の教育学・心理学の教授であるジョン・クランボルツは、米国のビジネスマン数百人を対象に調査を行い、結果的に成功した人たちのキャリア形成のきっかけは、80%が「偶然」であるということを明らかにしました。

彼らの80%がキャリアプランを持っていなかった

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#073 人生を変えたければ時間配分をかえろ 時間ポートフォリオについて

人生を変えたければ時間配分を変える昨日までと同じ時間配分で生きていれば、昨日までと同じ人生が永遠に続くだけです。人生を変えたければ、何よりもまず、時間配分を変えなければなりません。

世の中には、端から見ていると仕事はサクサクと済ませてしっかりと休みもとっていながら、数千万円、場合によっては数億円の収入を得ている人がいる一方で、クタクタに疲労困憊するまで働いていながら、報酬も名誉も人並み、あるいは

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#062 自己実現した人は友達が少ない

エイブラハム・マズローの欲求五段階説については、すでにご存知の方が多いと思います。あらためて確認しておけば、マズローは人間の欲求を次の五段階に分けて構造化しました。

第一段階:生理の欲求 (Physiological needs)
第二段階安全の欲求 (Safety needs)
第三段階:社会欲求と愛の欲求 (Social needs / Love and belonging)
第四段階:承認

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