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読書と平凡な日常

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本の紹介と感想、そこから選出したテーマによるエッセイをほぼ毎日書きます!!!!
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#読書

0121 心の本棚

0121 心の本棚

・驚くほど日記を更新しない自分に驚かない。面倒だから。気が向いたら書く。それが私の日記の書き方だ。そしてそれが、今日。
・書かない間に書くべきことが色々あった。でも、それは書かない。文字にするとそれが真実に思えてしまうから。あやふやにしておきたいこともある。今日書くのはあやふやだけど、言葉にしておきたい話だ。

・ミック・ジャクソン著、田内志文訳 『こうしてイギリスから熊がいなくなりました』(創元

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読書と平凡な日常36 黄泉がえりと冥界くだり

読書と平凡な日常36 黄泉がえりと冥界くだり

 どうも、紅りんごです。ギチギチに詰まった時間割、ようやく始まった授業にへとへとの毎日。眠気眼をこすりながら更新していきます。

 36冊目は綾辻行人『Another2001』。Anotherシリーズ三作目である本作は、全二作の集大成となっている作品。(更に次回作の構想もあるみたいです。)本作では、更に呪いの本質について切り込まれており、世界観がより分かりやすくなりました。これからどんな展開してい

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読書と平凡な日常35 山猫軒

読書と平凡な日常35 山猫軒

 どうも、紅りんごです。これまでよりもさらに本を読み、語彙力等を高めようと続けてきた読書と読書報告。6月末日から今日でようやく100冊読むことができました。あまり無理しなくても意外に本は読めるものだと感心しました。賢くなった、なんてことは無いですが、様々なジャンルや題材の小説に触れることで思考の幅は広がったように感じます。まぁ、とはいえまだ100冊。大学生になるまでにもそれなりには読んできましたが

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読書と平凡な日常34 汚れた手で洗うのは足

 どうも、紅りんごです。気温が下がっていく中、冷たい水に触れるのがだんだん厳しくなってきていますが、皆さんはいかがでしょうか? 季節が冬に差し掛かっても手洗いうがいを忘れないことが重要だと思います。でも、洗っても洗っても落ちない汚れってありますよね。今日はそんな作品を紹介します。

 34冊目は芦沢央『汚れた手をそこで拭かない』。イヤミス5編からなる本作は、罪を犯した人間が堕落していく様を上手く描

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読書と平凡な日常33 読者が求める安心

読書と平凡な日常33 読者が求める安心

 どうも、紅りんごです。最近楽しみにしていることは、本屋に立ち寄ることです。立ち並ぶ色鮮やかな本の表紙、閉じられた作品の中に広がっているであろう世界。その本に囲まれて、本に込められた可能性を肌で感じる一時は何物にも代えがたいものがあります。今日はそんな本屋でよく見る「あれ」に関する作品です。

 33冊目は水生大海『最後のページをめくるまで』。最後のページでどんでん返しが待っているショートショート

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読書と平凡な日常32

読書と平凡な日常32

 どうも、紅りんごです。そろそろ髪を切りたいと思いつつ、まだ早いかと思って取りやめる日々。今日は特に紹介する作品と関係することは無いので、早速紹介の方に移りたいと思います。

 32冊目は芦沢央『いつかの人質』。12年前に誘拐された少女が再び誘拐され、捜査線上には12年前の誘拐犯の娘が浮かび上がった。事件を追う刑事たちは次第に事件の異常性、12年前の事件との関りを知ることとなる。

 犯人の思想に

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読書と平凡な日常31 自由とは

読書と平凡な日常31 自由とは

 どうも紅りんごです。最近は天気が芳しくないので、気分が晴れませんね。もし、翼が生えていたら雲の上まで飛んでいって鮮やかな空を目にできるのに。そんなことを思いつつ、その翼に関する作品を紹介します。

 31冊目は米澤穂信『いまさら翼といわれても』。表題作読了後の無力感には打ちひしがれる他ない。自由を奪われた残酷さと自由を与えられる残酷さ。10代の少年少女には背負うには重すぎる問いは、やはり氷菓シリ

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読書と平凡な日常30 後の祭り

読書と平凡な日常30 後の祭り

 どうも、紅りんごです。秋と言えば、食欲の秋、読書の秋、そして運動会に学園祭。少しずついい方向へと転換しつつあるコロナ禍ですが、それでも各イベントは中止されたり、オンラインでの開催がされたりしていることが多いです。今日はそんな今は無き華やかな学園祭を彷彿とさせる作品を紹介します。

 30冊目は米澤穂信『クドリャフカの順番』。(奉太郎と里志の会話については曖昧な記憶なので、確かではないです。)手違

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読書と平凡な日常14 廃墟に感じる歴史

読書と平凡な日常14 廃墟に感じる歴史

 どうも、紅りんごです。今日はスペースダンディを……とお話ししたいところですが、まだ2話ほどしか見ていないので、後日にします。それでは、読書報告から。

 廃村を蘇らせようと、最善を尽くす主人公。しかし、その努力も空しく次々と退去してしまう住民達。その原因たる近隣トラブルの謎を明らかにしていく主人公は、理想と現実の乖離に苛まれることとなる。

 読了後の空しさが一際目立つ本作ですが、廃れ行くもの、

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読書と平凡な日常13 失恋以上恋愛未満

読書と平凡な日常13 失恋以上恋愛未満

 どうも、モカです。昨日、カクヨムにて連載していた短編小説が完結したので一息……と思いつつ、ワクチンを接種しに行きました。二回目なので、明日バタンキューしないことを祈ります。それではどうぞ。

 13冊目は三浦しをん『きみはポラリス』。最強の恋愛小説と名高い本作は、その名に疑いなし。特に最初と最後の話は繋がっていて、おすすめです。恋の甘さや爽やかさ、苦さ、苦しさ、重さが伝わってきて、圧倒されます。

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読書と平凡な日常12 白馬の王子さま

読書と平凡な日常12 白馬の王子さま

 どうも、紅りんごです。今日は、かげきしょうじょ!!を見ていました。分かりやすく説明するなら、宝塚(モチーフ)への就職を前提とした学校で切磋琢磨する少女達の熱き友情が動きで、音楽で鮮やかに描き出される作品。(アニメはED凝ってて、専用曲があったりするんですよおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!)原作の方も気になるので買ってみようかな、なんて思っています。見てくれ……感想も聞かせてくれ……宝塚

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読書と平凡な日常11 死と大連寺鈴鹿ちゃん可愛い問題

読書と平凡な日常11 死と大連寺鈴鹿ちゃん可愛い問題

 どうも、紅りんごです。時間はあるのに勉強もせずだらだらとアニメやネットを見る毎日。今日は東京レイヴンズというアニメを見ました。今日はそのことに関してお話したいと思いますが、その前に11冊目。

 11冊目は、山田詠美『珠玉の短編』。人間の性、そして愛をグロデスクに時にエロティックに描き出す手腕に酔いしれる。人間が壊れる時、そこにはいつだって愛がある。愛に焦がれ、気が付けば焼け死んでいる。それでも

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読書と平凡な日常10 関西弁やん

読書と平凡な日常10 関西弁やん

 どうも、紅りんごです。今日は9月3日。ドラえもんの誕生日……じゃなかったでしたっけ。私の友達2人がドラえもん好きなので思い出しました。(間違ってたら申し訳ない。)それでは10冊目です。

 10冊目は有栖川有栖『高原のフーダニット』。鉄壁のアリバイを鋭い視線と推理で突き崩す有栖川有栖先生の作品は大変面白い。今回の表題、『高原のフーダニット』はアリバイ崩しだけではなく、フーダニットもかなり凝って作

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読書と平凡な日常9 走り出したら止まらない

読書と平凡な日常9 走り出したら止まらない

 どうも、紅りんごです。昨日はお休みさせていただいたので、今日が9冊目になります。

 マラソン大会に参加し、走りながら回想する形式の本作。回想で浮かび上がる、新入生の入部から退部に至るまでの出来事。積み重なる些細な違和感が一気に回収される瞬間はマラソンのランナーズハイ、そしてゴールの快感によく似ている。『氷菓』シリーズの中でもかなり主人公の無力感が感じられる本作は、きっと強い印象を与えることにな

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