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エッセイ:大ちゃんは○○である

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大学時代~役者を経て介護業界に飛び込み、現在までを綴るエッセイ。
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2021年4月の記事一覧

エッセイ:大ちゃんは○○である57

エッセイ:大ちゃんは○○である57

例えば、映画の仕事が決まって
「1週間スケジュールを空けておいてくれ。」と言われ撮影に臨んでも、
貰えるギャラは数千円だったりする。
急に入ったりするオーディションやビデオドラマの撮影等でバイトに行けない日も多くなってきて、
収入面ではかなり厳しくなっていった。
こうなると食費を切り詰めるしかなくなってくる。
食事は水で溶いた小麦粉を焼いたものか、
もやし炒めだけの日々が多くなっていった。
意識せ

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エッセイ:大ちゃんは○○である56

エッセイ:大ちゃんは○○である56

その後の活動はというとワークショップに通いアルバイトを掛け持ちし、
オーディションを受け、通れば撮影に入るといった日々。
表現できる場があるならと、オリジナル曲を作ってデュオを組み、
ライブハウスに飛び込んだこともある。
自作のプロモーションビデオを作ってみたり、
自身のホームページを作ってみたりもした。
デモテープを持ち込んで酷評されたこともあれば、
路上でのゲリラ撮影で厳重注意を受けたことも幾

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エッセイ:大ちゃんは○○である55

エッセイ:大ちゃんは○○である55

撮影は順調に進んだ。
順調ではあったと思うが、撮影時に思ったのは
とにかく時間がかかるといった印象だ。
何せ待ち時間が長い。
全身血塗れのまま次のスタートがかかるまで待ち、
カットがかかったらまた次のスタートの声がかかるまで待つ。
完成作品を観てびっくりしたのだが、
朝から夜遅くまで撮影をして、おそらくその日に撮った分で使われていたシーンは
わずか数分程度だったと思う。
地獄の中でいたぶられる人々

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