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#80 工場飯と肥満とジャンクフードと貧困

(1188字・この記事を読む所要時間:約3分 ※1分あたり400字で計算)
 
 2キロも太ってしまった。
 お腹周りが明らかに丸くなり、らくらくと履けたスカートも腰あたりでつっかえて上がりづらくなってしまった。
 
 自炊が面倒くさくなってしまい、工場の食堂のご飯を2-3週間連続で食べ続けたせいである。
 
 
 わが工場の食堂はとても安い。
 一食のおかずが3品+ご飯おかわり自由でたったの170円前後だ。
 
 財布にやさしく、且つ自分で献立を考えたり料理したりする手間を省けるので、ほとんどの社員が喜んで食べている。
 
 けれど、見るからに不健康なのだ。
 どのおかずも4割が油に浸っている程に脂っこい。肉も脂身が多いものをたくさん使っている。
 そしてすごくしょっぱい、もっとご飯を食べたくなる。いくらよそっても追加料金は発生しないのでどんどん米が進む。
 
 更に工場勤務なので、身体をたくさん動かす。
 お昼時はいつも目眩しそうな程お腹ぺこぺこなので、ついがっつきたくなり、予想以上の量を食べてしまう。
 
 そんなわけで、みるみる肉がついてしまったということだ。
 
 
 慌てて自炊に戻すも、時間は掛かるわお金は掛かるわで、工場飯が懐かしく感じることが多々あった。
 けれども健康の為だ。どんなに忙しくても体調が悪くてもお弁当を用意し続けた。
 
 一番質素な時は生野菜カット少々とおにぎり1個だけのランチもあったけれど、絶対食堂には行かなかった。
 加えて運動量も増やし、週末は家にいることが多い分、食べる量を半減した。
 
 結果、無事2キロ痩せ戻した。2ヶ月近くかけて。
 ほっ。
 
 
 ところでダイエットについてネットであれこれ調べていたら、アメリカは肥満大国だという情報が目に入った。
 
 子供の頃からちゃんとした食育をされていない。
 食事も外食が多く、どの店もびっくりするほどの量。
 普段食自体カロリーが高いものばかり。
 野菜もあまり食べない。
 
 劣悪な食生活が、国民の多くを体重オーバーにしてしまったのだ。
 
 更に、ジャンクフードであるほど価格が安い。
 待ち時間も短い。手軽にささっと食べられることを考えても、ジャンクフードかなり魅力的だ。
 
 ファーストフードチェーン店は売り上げアップの為「フライドポテト無料おかわり」、「ハンバーガーを1つ買ったらもう1つ無料」といった極端な販促手段さえ取ってくるらしい。
 なので、特に低所得層の方々は節約をしたいことから、つい身体に悪いものばかり口にしてしまうのだそう。
 
 まるでわが工場の食堂のご飯のようだ。
 
 
 そういえば日本で暮らしていた頃も、異様に安い菓子パンやカップラーメンが節約になるという理由でたくさん食べていた時があった。
 
 ファーストフードを初めとするジャンクフードは、原材料を大量生産、一斉加工することから原価が安く、値段もお手頃だ。
 健康を気遣って新鮮な野菜や果物、肉を買おうとすると、それ以上の食費がかかるので、収入が低い時の方がかえって太りやすくなる。
 
 今や健康はお金を払って買う必要がある、そんな時代なのだ。
 なんだか理不尽である。

📚健康を死守せよ

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