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#上野
バックパッカーズ・ゲストハウス⑧「モヒカンの誘惑」
前回までのお話https://note.com/zariganisyobou/m/mf252844bf4f2
時間を切り売りする以外にも、なにか金を作る方法はないかと考えたが、私に出来ることは競輪の予想ぐらいだった。競輪の予想には、映写機を回すよりも専門的な知識がいる。そのスキルを頼りに、たまに入る日雇いで得た金を元手に競輪場に通った。しかし、手っ取り早く路銀を用意したいという思いに引っ張られ
バックパッカーズ・ゲストハウス㊼「上野ぶらぶら」
前回のあらすじ:秋葉原でオタ芸を見て、その熱量に魂が震えた。【これまでのお話https://note.com/zariganisyobou/m/mf252844bf4f2】
秋葉原から上野へ向ってよく歩いた。山手線の高架下に、ビリケンをもっと丸くしたようなお気に入りの落書きがあった。それを見たり、アメ横で、周りの魚屋がダミ声で呼び込みをするのをマネしたのか、ケバブ屋の外国人がおかしなイントネ
バックパッカーズ・ゲストハウス(52)「ホームレスと紙一重」
前回のあらすじ:借りてた金をちゃんと返した私に友人の龍は、「牛丼屋では紅ショウガで腹を膨らせる」「のぼりを毛布代わりに使う」「切符をわざとなくす」などのサバイバル術を語った。【これまでのお話https://note.com/zariganisyobou/m/mf252844bf4f2】
ブラブラと街を冷やかしながら歩いて、上野公園で龍は立ち小便しながら、
「人生って難しいな」と言った。そして、
バックパッカーズ・ゲストハウス(54)「年寄りに話しかけて無視をされる生活」
まだイタリアンのバイトを辞める前、慣れない環境と仕事に疲れが溜まっている感じがして、たまには浴槽に浸かろうと、休みにひとりで上野の銭湯へ行った。
愛媛ではこういった施設は温泉と相場が決まっているが、東京の銭湯はただの熱いお湯だった。それでも酒を飲むのと同じぐらい、手軽に出来る気分転換になった。
三月二十三日で、WBCの決勝戦が脱衣所のテレビで流れていた。風呂上がりにフルーツ牛乳を飲みながら
バックパッカーズ・ゲストハウス(55)「裸になってなにが悪い」
前回のあらすじ:精神に病を抱える人のための施設、ホームレスをカモにする団体が運営する施設と施設を渡り歩いてきた久米と、ゲストハウスでAVをイヤホンなしで見る漢、藤沢という好メンバーが新たにバックパッカーズ・ゲストハウスの仲間に加わった。【これまでのお話https://note.com/zariganisyobou/m/mf252844bf4f2】
藤沢は全裸で部屋の中をウロウロするクセがあった