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「めちゃくちゃ優秀な人だけ雇いなさい」って嘘だよね、という話

世の中には、定石と呼ばれるものが多数存在します。
そしてそれは経営においても同じで、タイトルに書いた「めちゃくちゃor自分より優秀な人だけ雇いなさい」というのはよく言われる話です。

ただ、特にスタートアップの立ち上げ期においてはそれは当てはまらない場合が多いし、むしろその方針が害になることもあるよなと思ってるので、本稿ではなぜそのように考えるのかについて書いていきます。

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なぜ誤りだと考えるのか

前提として、"優秀"な人を採用する努力はどの経営者もするべきです。("優秀"の定義はまた改めて)
しかし、それは目的ではなくあくまで手段です。
一般的に優秀と言われる人を雇う難易度はとても高く、そういった方は給与も高いです。
要するに、もろもろのリソースが多く必要になってしまうということです。

つまり、優秀な人を採用することが目的化してそこに固執するようになると、創業時は事業立ち上げなど他に回すべきリソースがそこに注ぎ込まれることになってしまう、ということです。
もちろん、能力も人柄も非常に優れているにも関わらず、低い給与でも頑張ってくれる人をすぐに採用できることはあります。
しかし、そういった方は当然引く手数多で転職の可能性も高まりますし、二匹目のドジョウを狙うことで結果として遠回りになってしまう場合もあります。

繰り返しですが、優秀な方を雇うことは目的ではなく手段であり、スタートアップ経営者が目指すべきは最大効率での事業拡大です。
そのためには、スキル面で見劣りする方を採用したとしても、適材適所の配置や柔軟な雇用形態、そして自社で育成していくというスタンスが重要ではないでしょうか。
(別で書くと思いますが、僕が採用時に最も重要だと考えるのは人柄と学習意欲です)

そもそも、例えば日本を代表するベンチャー企業であるサイバーエージェントさんやソフトバンクさんも最初からキラキラで優秀な方だけで固めていたわけではありません。
サイバーエージェントさんは初期は大量の大学生を採用していますし、ソフトバンクさんも創業時は孫さんとアルバイトの方2人で立ち上げたというのは有名な話です。

フェーズや事業内容による前提の違い

繰り返しになりますが、優秀な人を採用する努力を経営者はするべきです。
しかし、各会社ではフェーズも事業内容もそれぞれで異なります。

まずフェーズの話として例えが古くて恐縮ですが、ドラクエ3の例を挙げます。
ルイーダの酒場(最初の街にあるレベル1の仲間を勧誘できる場所)を訪れた勇者(レベル1)が「レベル30以上の仲間しかパーティーに入れない!」と考えていたとしたら、その勇者は一人で冒険に出ることになり、かなり早いタイミングで冒険は行き詰まります
また「最強の武器・防具しか俺は装備しない!」という方針であったとしたら、その冒険はハッピーエンドを迎えられません。
要するに、その時におけるベストな選択肢を採るべきだよね、ということです。

スタートアップ企業においても、シードからシリーズAなどのフェーズを重ねていくにつれ、より良い人材を採用するための余裕が生まれてきます。
そのため、採用に割くリソースを増やしていくべきですが、まだ会社を立ち上げたばかりという状況であればまず行うべきは事業選定やPMFです。


次に事業内容による違いですが、大量の単純作業が必要な事業と、少数精鋭の受託事業などであれば当然採るべき人材スペックは異なります。
どちらが上とか下とかではなく、適材適所の人材採用を行うべきという話です。
例えばですが、元Googleのトップエンジニアを採用してもその事業においてプログラミングが全く必要ない場合、意味がありません。
これは極端な例ですが、ただ優秀な人を雇えばいいというわけではなく、自社においてどういった人材が必要なのかを定義し、スペックや条件を比較・検討した上で採用すべきだということです。

なぜその説が広がったのか

優秀な人を採用すべきというのは間違いないです。
しかしそこにはトレードオフが存在し、また、それを発信する企業のフェーズや事業内容にそれぞれ違いがあるという前提が無視されているケースが多いように感じます
また、会社の経営者が「うちの会社には優秀じゃない人もいます(いました)」なんてことはまず言えません笑。

まとめ

世の中には生存バイアスやポジショントークが溢れています。
また、時代やマクロ環境などの前提は常に変化しているため、ある時点やある場所では正しい理屈であったとしても、それが全くの誤りであるという場合は往々にしてあります。
さらに、発言者とその受け手の前提が異なることも多いです。

そのため、定石をただ鵜呑みにするのではなく、果たしてそれは自社において本当に正しいのかという思考を一度挟むことが必要ではないでしょうか。

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ありがとうございます!またいい記事書けるようにがんばります。
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ITベンチャー勤務後、2012年に創業 複数回エクイティ・デットでの資金調達を行い各種事業を手がけ、 2015年に既存事業譲渡と訪日旅行者向けWebメディア立ち上げを並行しつつ 2016年にフジメディアホールディングスグループに3.5億円でバイアウト 2019年、2度目の創業