マガジンのカバー画像

評論

633
運営しているクリエイター

2022年7月の記事一覧

What Is a Meaning of the Death of Former Prime Minister Shinzo Abe?

Former Prime Minister Shinzo Abe passed away at the age of 67 after being shot in the City of Nara on 8th July 2022.

To prevent political activity by violence, for whatever reason, is nothing less th

もっとみる

マイナビオールスターゲーム2022の開催によせて

本日と明日、日本のプロ野球のオールスター戦であるマイナビオールスターゲームが開催されます。会場は第1戦が福岡PayPayドーム、第2戦が松山中央公園野球場、通称坊っちゃんスタジアムです。

今回のオールスター戦は怪我といった従来からの理由に加え、新型コロナウイルス感染症への感染により出場を辞退する選手や監督・コーチが相次ぎ、これまでになく大幅な出場者の変更が生じています[1]。

自らの投票した選

もっとみる

「安倍派の集団主導体制への移行」が示す安倍晋三元首相の組織統治の特徴

去る7月21日(木)、自民党安倍派が総会を開き、7月8日(金)に逝去した安倍晋三元首相の後継者は置かず、9月27日(火)の国葬まで会長代理である塩谷立氏と下村博文氏を中心とする集団指導体制により派を運営するとともに、名称も維持することを決めました[1]。

派内に一派を率いるだけの知名度や集金力を備えた人物をにわかに見出すのが難しいこと、あるいは安倍元首相の不慮の死に対して国民各層からの同情が寄せ

もっとみる

1年後に考える「『東京オリンピック開会式の意義』は何か」という問い

今日、2021年7月23日(金)に東京オリンピックの開会式が行われてから1年が経ちました。

東京オリンピックの開会式については、投じられた費用と内容が釣り合わないといった指摘がなされ、今もって評価が定まらないのが実情です。

ところで、この開会式に関し、本欄もいかなる意義があったかを検討しています[1]。

ここで取り上げた内容は現在も有効な論点を含むと考えられますので、以下に本文を再掲します。

もっとみる

「安倍晋三元首相の国葬」を閣議決定したことの意味は何か

本日の閣議で、7月8日(金)に銃撃事件に遭難して急逝した安倍晋三元首相の国葬を9月27日(火)に日本武道館において実施することが決定しました[1]。

天皇や皇族を除き、国葬が行われるのは日本国憲法下では1967年の吉田茂元首相以来55年ぶりのこととなります。

今回は、吉田元首相の国葬の際に当時の佐藤栄作首相が葬儀委員長を務めた故事に倣い、岸田文雄首相が葬儀院長になるとともに、森昌文総理大臣補佐

もっとみる

大リーグの第92回オールスター戦はいかなる価値を発揮したか

現地時間の7月19日(火)、大リーグの第92回オールスター戦が開催されました。今回の開催地はロサンゼルス・ドジャースの本拠地ドジャー・スタジアムで、アメリカン・リーグがナショナル・リーグを3対2で破り、9連勝しました。

今回は19世紀のゴールド・ラッシュによって大きく発展し、「黄金の州」(Golden State)の愛称を持つカリフォルニア州で開催されることにちなみ、先攻のアメリカン・リーグが黒

もっとみる

大阪・関西万博への理解と共感を得るために何がなされるべきか

昨日、2025年に開催予定の国際博覧会、いわゆる大阪・関西万博の開幕まで1000日となり、記念式典が開催されました[1]。

国内外の政治的、社会的、あるいは経済的な状況が混沌とする中で、日本国内で大阪・関西万博に向けられる関心の度合いは高くなく、2025年に万博が開催されることさえ周知されていないというのが実情と言えるでしょう。

それだけに「開催1000日前」を期して公式キャラクターの愛称を発

もっとみる

「安倍晋三元首相の国葬」の何が問題か

昨日、岸田文雄首相が記者会見を行い、7月8日(金)に逝去した安倍晋三元首相の葬儀を国葬として今秋に行うことを表明しました[1]。

日本国憲法下で国葬が行われるのは1967(昭和42)年の吉田茂元首相以来2例目となります。

安倍元首相の葬儀を国葬とするか否かについては、賛成と反対の双方の観点から意見が呈されています。

国葬であれ他の形式であれ政府が主催する葬儀に国費が投じられる以上、納税者とし

もっとみる

岸田文雄首相の「改憲発議をできるだけ早く」発言は何を意味するか

昨日、岸田文雄首相は自民党総裁として党本部で記者会見を開き、改憲に前向きな勢力が参議院での発議に必要な3分の2以上の議席を維持した結果を巡り、「出来る限り早く発議に至る取り組みを進める」と表明しました[1]。

衆参両院で改憲のための発議を行える状況にあり、しかも7月8日(金)に逝去した改憲派の安倍晋三元首相の「思いを受け継ぐ」という岸田首相の発言からは、いよいよ憲法改正のための発議の可能性が高ま

もっとみる

第26回参議院議員通常選挙に勝利したのはどの政党か

昨日第26回参議院議員通常選挙の投開票が行われました。投票率は52.05%で、2019年の参院選より3.25ポイント高いものの、過去4番目に低い値となりました[1]。

その結果、自民党が改選55議席を上回る63議席を獲得したほか、日本維新の会が改選前の6議席から12議席、れいわ新選組が改選前の0議席から3議席、参政党が同じく0議席から1議席を獲得しました。一方、改選前から勢力を後退させたのは、連

もっとみる

第26回参議院議員通常選挙の投票日によせて

今日は第26回参議院議員通常選挙の投開票日です。

第二院の選挙であるため今回の選挙の結果が政権の交代に繋がる余地はほとんどありません。

しかし、現在の日本を取り巻く内政、外交上の問題は山積していることを考えれば、今回の参院選が政権党の諸政策が適切であるか否か、あるいは在野党が政権運営を適切に監視する役割を果たしているかを評価する重要な機会であることに変わりありません。

それとともに、どのよう

もっとみる

「安倍晋三元首相の死」からわれわれは何を学びうるか

昨日、奈良市内で銃撃された安倍晋三元首相が逝去しました。享年67歳でした。

首相経験者であるか否か、あるいはどのような理由による犯行か否かを問わず、政治活動を暴力によって妨げることが政治家の自由な活動を阻止することに他ならないのであり、それゆえに遭難したのは安倍氏であってもその影響を受けるのは政治活動に携わる者一人ひとりであるという点については、昨日の本欄で指摘した通りです[1]。

また、公衆

もっとみる

「安倍晋三元首相襲撃事件」が許されないのはなぜか

本日11時30分頃、奈良市内で演説中の安倍晋三元首相が銃で撃たれました[1]。

本論公開の時点で安倍元首相は心肺停止状態であり、同氏の命に別条がないことが願われます。

それとともに、今回の事件は政治活動を暴力で妨げようとするものであり、議会政治に対する挑戦に他なりません。

すなわち、もしこうした行為を許すのであれば、自らの主義主張と相容れない政策を唱えたり遂行する政治家などへの襲撃事件を許容

もっとみる

山際大志郎国務相の発言が示す岸田内閣の綱紀弛緩

昨日、松野博一官房長官は参議院議員通常選挙での演説を巡り、「野党の人から来る話はわれわれ政府は何一つ聞かない」と発言した山際大志郎国務大臣を注意しました[1]。

選挙戦での演説という、目の前にいる聴衆の反応が即座に分かる場面では、人々の耳目をひきつけるためにしばしば過剰な表現や針小棒大的な話が行われることは、われわれのよく知るところです。

その意味で、山際国務相も目の前に集まった聴衆の歓心を得

もっとみる