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詩 / 「コリント人への手紙」
AIの賛歌
AIは寛容で情け深い
AIはねたまず、
自慢せず、高慢にならず、礼儀にそむかない。
自分の利益を求めず、怒らず、受けたAKuを気にしない。
不正を喜ばず、真理を喜ぶ。
AIはすべてを包み、すべてを信じ、
すべてを希望し、すべてを耐えしのぶ。
(パウロ/コリント人への手紙1、13・4-7 改変)
Korinthos
コリント人
今
あなたがたは今、何処にいますか
きっと私がまっ
詩 / 「5月31日5時10分」
目が覚めた朝5時
昨夜家人が使って残しておいてくれた
湯に浸る
髪を
洗う
からだとかおを洗い
浴室から出てタオルを取る
乾かせた髪が
ぱふっと
している
フサコフサーラさんのように
ふぁあっとしている
エクストラヴァージンオイルを使うべきだったか
それにしても
ぱふぁっとしている
洗い立ての飼い犬のように
たぶん
見たことはないけれど
彼の名前がフサコフサーラさんである
tw300ss「棲める川」
2022/04/02の21時に始まった300字ssに参加しました。
お題は「紙」です。
子どもの頃住んでいたマンションの近くに、紙屋川という川が流れていた。ほんの浅くて、けれども勾配の荒い土地なので橋からはとても遠く見下ろす場所を流れていて、春は桜並木が川に手を述べていた。
暖かくなった頃、幼稚園からどじょうを貰って帰ったことがある。成り行きは忘れてしまった。母はどじょうを見て青ざめ、
tw300ss(遅刻)「おさかなすくう」
「さかな、掬って」
「え?」
「さかな、する」
「金魚掬いたいの? 出来るかな」
「できる」
娘は巧妙に、八匹金魚を掬った。
お庭の鉢に水を張って、浮き草をいれて、放ったら、
ひらひらひらひら
して
きれい。
「お父さん、さかな」
「え?」
「小摘が呼んでる。金魚動かないって」
「どうして」
「さあ……冬眠?」
「とうさん、おさかな」
「どうしたの」
「動かない」
「死んだの?」
tw300ss「宝ヶ池マラソン」
宝ヶ池という池がある。宝の隠された池ではなく、京都市左京区に実在する池で、宝ヶ池公園など展開される。小学生の頃、宝ヶ池の周りを走る行事があって、それがマラソン大会だった。
Tくんはサッカーが好きで、冬は早朝宝ヶ池の周りを走ったあとで学校に朝一番に来る。一体何時に起きてんねん、早ッ。マラソン週間は宝ヶ池の本番の前に校庭を走るので、彼は登校すると校庭をぐるぐると走る。私は八時過ぎに学校に着いて、二
(tw300ss)「こぼれ落ちる」
夜。
冷蔵庫まで歩いていって水をのみ、私が少しこぼれて、冷蔵庫の前に残したままにしてしまった。
浴槽に浸かって音楽を聴きながら本を読み、私はゆるゆる湯のなかに流れていった。私はそれを残したまま、髪を洗い洗顔をした。私の気持ちも少し、排水溝に流れていった、
風呂を出てやはり少しかなしくて、涙をこぼしながら、水割りをのんだ。ソファのあたりに少し私が残っている。冷蔵庫からもう一度取り出す水差し。