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自分を磨くコラムとエッセイと小説と

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娘のワクワク

娘のワクワク

先日小学校2年生になる娘と繁華街に行く機会がありました。これまでは繁華街に行っても、カフェでお茶するくらいだったのですが、その日は「女子のテンションが上がりそうな雑貨屋さん」なる場所に初めて娘を連れて行きました。わたしは繁華街の混雑が苦手です。必要なものは混雑の少ない平日に買うようにしているため、わざわざ週末の繁華街に娘を連れていくことはほとんどありませんでした。

はじめに向かったのは、百貨店の

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小さな箱から脱出する

小さな箱から脱出する

社会福祉士の試験を受けるにあたり受講した養成課程に、児童養護施設での現場実習がありました。3歳から18歳までの子が入所する施設ですが、4歳以上は日中、幼稚園や学校に行っているので、3歳児と過ごす時間が多くありました。子どもの世話が得意でも好きでもないわたしは、客観的に子どもたちの様子を見て分析して過ごしていました。(実際は世話もするし、もちろん決められた業務は遂行しています)

たった1ヶ月間では

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生きること

生きること

生きることは、死ぬことである。

人は死に向かって生きている。死ぬ準備をする期間が人生なのではないかと思っている。死を迎える瞬間に感じたい「なにか」のために、いまを生きているのではないだろうか。
その一方で、後先のことなんてまったく考えていない刹那的な情動や行動もあって、「人って面白いな」とわたしは思う。大波は計画的に、小波は即興的に、わたし自身はそんな感覚を持って生きているのかもしれない。

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母

2020年の夏から通っている文章講座のベーシックから数えると、このテーマは3回目のお題になるかもしれない。やっと「書いてもいいかな」と思えるようになった。原体験を探るのに過去体験を振り返る作業を何度か繰り返した。それ以前からわたしのメンタルバランスは母が大きく影響していることは理解していた。それにしても幼少期までさかのぼって出てくる母がこれほどまでに影響しているとは、予想を上回る結果だった。作業の

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いつもの

いつもの

 レンガ造りの壁に目をやると、隅の方に小さな穴が開いているように見えた。大きさは人差し指が入るかどうかくらいのもの。本当に穴が開いているかどうか確かめたわけではないが、そう見えてしまった途端、あちら側にとてつもない暗黒の世界が広がっているかのような気持ちになった。

 想像の世界はいつも薄暗い。色でいうと黒かグレーか。というのも、わたしはどうも目に見えないものに対して、強烈な不安を覚える傾向がある

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