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コノハナサクヤ(連続note小説)

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毎年、初夢でふしぎなメッセージを受けとる主人公、恋野 音(こいのおと)。始まりは「みなもとのよりとも けがわ」という夢岸に見た文字。謎を解き明かす為に神社巡りを開始。色んな試練を…
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2021年8月の記事一覧

コノハナサクヤ 九

コノハナサクヤ 九

「地元(東京)なんだから私より詳しいでしょ、浅草」

「地元は世田谷だよ」

「三社祭って入れ墨のひと多いらしいけどなんで?」

「そういうひとのお祭りだからじゃない?」

「神様のお祭りでしょ」

「確かに」

いつもの黒の上下ジャージに穴の空いたランニングシューズを履きながら、今にも走り出しそうな相変わらずの人と新宿のサブウェイ前で話していた。

一人だと一生行かなそうなので、一緒に新しい靴を

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