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美術展、公演などの芸術関係レビュー

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伺った美術館、美術展、ライブや公演などの芸術関連のレビューをまとめました。
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記事一覧

2403_ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家

2403_ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家

 個人賛助会員になっている初台オペラシティから招待券をいただいた。
 同封されていたチケットもパンフレットも、シンプルで静かな雰囲気が漂う。少しだけ施してある箔の加工がおしゃれで、行ってみたいと感じた。

 ガラス作家の山野アンダーソン陽子さんの作品を起点に、言葉や絵や写真で作られた作品の展示機会創出ということで開催されている本展。
 壁に印字された文字と、ガラスの器が案内通りのセンスのよい空間を

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2403_10万円握りしめて行きたいイベント「ART FAIR TOKYO」

2403_10万円握りしめて行きたいイベント「ART FAIR TOKYO」

 3年前から毎年楽しみにしているイベント「ART FAIR TOKYO」。今年も東京国際フォーラムで開催された会場に行ってきました!

 ART FAIR TOKYOは全国の画廊が集まりブースを構え、美術品の即売を行うイベントです。現代アートから古美術まで156の区画が並びます。
 入場料は前売りで4,000円と美術館の企画展よりもお高めな印象。毎年公式サイトで数か月前にボランティアスタッフが募集

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2402_2023年報道写真展

2402_2023年報道写真展

 2021年まで世界報道写真財団が主催している「世界報道写真展」が大好きだったんです。
世界各国のジャーナリストの技術や感性がダイレクトに伝わってきて、写真というものの凄さをとても感じる企画展だったので、2022年から日本での巡回展がなくなってしまって結構ショックを受けていた。
 主催は違えど、ポスター掲示で「報道写真展」というのが目に留まり、気になった私は早速行くことにしました。

 会場はみな

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2401_パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展—美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ

2401_パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展—美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ

 昨年2023年8月に実際のポンピドゥーセンターに行った際は、作者の想いや再構築素材の圧でぐったりしてしまった。
 現代美術品の印象の強い場所から変わって、上野の国立西洋美術館で同センターの名前が付いた「キュビズム展」が開催されているので行ってきました!

 複数の博物館、美術館、オシャレなスタバ、上野動物園。予定の無い日に訪れても満足度の高い上野恩賜公園。
 その中の、世界遺産である「国立西洋美

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2312_蜷川実花展 : Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠

2312_蜷川実花展 : Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠

 仕事の帰り道、デジタルサイネージ広告が目に留まった。色鮮やかな造花、金魚…一時代を築いた「ガールズフォト」の先駆けが、映像を中心とした展示をすると知ったら、行くしかない年末の虎ノ門ヒルズ。

 展示会場は初めて訪れる「TOKYO NODE 45F GALLERY A/B/C」。その名の通り、45階の超高層に位置していて、常設のカフェではコラボメニューもある。おしゃれさ満載、さすが虎ノ門ヒルズです

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2312_大巻伸嗣 Interface of Being 真空のゆらぎ

2312_大巻伸嗣 Interface of Being 真空のゆらぎ

 同時期に複数の展示が行われている国立新美術館。お目当て以外の展示に出会えるのも嬉しい。
 今回は来場した際に、メイン展示として紹介されていた大巻伸嗣さんの展示会にも足を運んでみた。

 「せっかくだし、無料だから」くらいの気持ちで展示会場に入った直後、広々とした空間と、鎮座する半透明のオブジェに圧倒された。
 内側から当てられた光の木漏れ日が、訪れた人を出迎え、飲み込み、包み込んでいく。
 彩度

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2312_イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル

2312_イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル

 「ファッションは色あせるけれど、スタイルは永遠。」そんな名言を残した「モードの帝王」イヴ・サン=ローラン。没後日本で初の大回顧展が六本木の国立新美術館で開かれたので、行って参りました!

 高級ブランドは所有欲は全然ない。どちらかというと、「ブランド」という無形価値を引き上げた経営手腕にとても興味があった。イヴ・サンローランも、2014年に制作された映画を観てから知っている程度だ。
 若いころか

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2308_侍BRASS 2023《武芸十八般》

2308_侍BRASS 2023《武芸十八般》

 初めて公演を観たのはコロナ禍真っ只中の3年前。トロンボーンの中川英二郎さんを団長に、トランペット、ホルン等の金管楽器からなる珍しい編成で活動されている「侍BRASS」。今年も初台オペラシティ タケミツメモリアルで行われた《武芸十八般》に行ってきました。

 演奏の秀悦さを大前提に、とても楽しそうに演奏をするので、神妙にコンサートに向き合う…というよりも、仲間内のセッションに混ぜてもらっている感じ

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2307_ストリップ劇場「浅草ロック座」

2307_ストリップ劇場「浅草ロック座」

 煌々とした照明に浮かぶ美しい肢体。ポージングと同時に降り注ぐ拍手。今ではもう日本に十数館しかないという、ストリップ劇場の、浅草ロック座。
 興味は以前からあったが中々ご縁がなく、やっと念願叶って初めて鑑賞してきました。

 席に着いたら張り切ってジントニックを片手に。写真動画はもちろんダメで、スマホを取り出すとお兄さんに注意される徹底ぶりがとても良い。

 ショーは「景」と呼ばれる10分程度の読

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2305_SAIAKUNANA「右手に生き様」

2305_SAIAKUNANA「右手に生き様」

 芸術に感度の高い仲良しさまがSNSでとてもおすすめしていた、「SAIAKUNANA」さん。ロンドンのギャラリー運営を経て、日本で最大の個展を開催するとのことで、渋谷RAYARD MIYASHITA PARK 内のSAIまで伺って来ました!

 鮮やかなピンクをメインカラーとし、強い眼差しの幼なげなアニメ調のキャラクターがこちらを見つめている。アクション・ペインティングと呼ばれる、絵の具を叩きつけ

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2305_「スカートと風景」

2305_「スカートと風景」

 念願の個人賛助会員になった初台オペラシティ。会員特典で、施設展示会の招待券が送られてくるようになった。自分の好みで伺う展示会も偏ってしまうのでこれは有り難く、今回は今井俊介氏の「スカートと風景」に行ってきました!

 絵画ともデザインとも受け取れるキャンバスの作品を元に、同デザインのパジャマ、エプロン、旗などの布製作品や、映像作品で構成されている。
 ストライプ模様がフックとなるシンプルな構図。

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2303_藤城清治美術館

2303_藤城清治美術館

 観覧車、フルート、深い青…親近感のあるモチーフが多く登場し、幻想的で独特の影絵に惚れ惚れする。
 むかーしむかし、舞台美術をやっていたという父に連れられて、銀座の企画展で初めて作品を見たときも、観覧車が描かれたポストカードを買ってもらった。
 そんな藤城清治さんの常設展が那須にあり、またも父の要望で訪れることになった。

 小さい美術館かと思っていたのに、美術館まで続く庭、オリジナルのステンドグ

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2304_クリスチャン・ディオール 夢のクチュリエ

2304_クリスチャン・ディオール 夢のクチュリエ

 前売り券は即完売、当日券も開館1時間前には並ばないと入れない程の盛況さ。
 その状況を知らずに夕方にのほほんと現地まで行ってしまったリベンジで、遂に行ってきました「クリスチャン・ディオール 夢のクチュリエ」展!
 当日券目当てに9時前から行列に並び、13時くらいのチケットになりますとアナウンスされ、10時の開館から更にチケット買うのに1時間ほどかかりました。長かった…長かったよぅ。

 展示は当

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公演備忘録_挾間美帆 & デンマークラジオ・ビッグバンド

公演備忘録_挾間美帆 & デンマークラジオ・ビッグバンド

2022年11月。東京建物 Brillia HALLで行われた「挾間美帆 & デンマークラジオ・ビッグバンド」を聴いてきました。

音楽系の公演は月1くらいで聴きたい。
聴きに行った公演でもらう束のA4チラシを選別したり、街中の広告からサイトを見に行ったり。
新しいアートとの出会いは人生を豊かにしてくれる。

例に漏れず、数ヶ月前に聴きに行った別の公演でチラシの山から見つけた本公演。「ビックバンド

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