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#心理学
心理学用語#36 期待と希望のピグマリオン効果
ピグマリオン効果は、アメリカの教育心理学者ローゼンタールが発表した心理学の用語です。
ローゼンタールの行った実験で、教師が期待をかけた生徒とそうではない生徒の成績には、明らかな違いが見られました。
教師が期待をかけた生徒の方が、学力的な成長が大きいという傾向が表れたのです。
この実験結果から「他者から期待されることによって成長が高まる」という結論が導かれ、この効果をピグマリオン効果あるいはロ
心理学用語#35 優越の錯覚と抑うつリアリズム
多くの人が、自分は平均より優れていると思う傾向があります。例えば、知能や技能、望ましい性格などについて、平均的な人と比べてもらうと、多くの人が自分は平均より上だと錯覚することが心理学研究で示されています。
このような優越の錯覚を持つことによって、人は未来の可能性を信じて目標に向かうことができると考えられています。
一方、抑うつ状態では、自分について現実的なとらえ方をすることが知られています。
心理学用語#34 カクテルパーティー効果
カクテルパーティー効果とは多くの音の中から、自分が必要としている情報や重要な情報を無意識に選択することができる脳の働きのことをいいます。
なぜ自分に関係する情報だけ無意識に選択ができるのでしょうか。
脳は与えられた情報をすべて取り込んで同時に理解しようとしても処理が追いつかずパンクしてしまいます。必要な情報のみを得て他をシャットダウンしているのです。
例えば、知り合いがいない喧騒の中でも、自
心理学用語#33 ウィンザー効果
ウィンザー効果とは、「第三者が発信した情報は信頼されやすい」という心理的傾向。
米国生まれの作家アーリーン・ロマノネス(1923~2017)による『伯爵夫人はスパイ』(講談社、1991年)(原題:The Spy Went Dancing)に由来すると考えられています。作中で、ウィンザー伯爵夫人が「第三者の誉め言葉がどんなときにも一番効果があるのよ、忘れないでね」と言ったためです。
「情報発信者
心理学用語#32 思い込みと認知バイアス
誰もが、自分の育った環境や経験、 状況などによって、さまざまな影響を受けて偏った価値観、物事の見方をしています。こうした認知の歪みを「認知バイアス」といいます。
そもそも「認知」とは、心理学的に、知覚した外界の刺激を経験や学習によって得た概念と関連付けて受け取り、判断・解釈などをする事象を言います。
人は五感でキャッチした刺激を直接認識しているのではなく、無意識のうちに、刺激をキャッチした点と
心理学用語#31 アンカリング効果
アンカリング効果とは、最初に提示された数字や条件が基準となり、その後の判断を無意識に左右する心理作用です。
私たちの中には、「基準」となる価格があります。「基準」はもともと抱いていることもあれば、ある情報によってできることもあります。ヒトのもつこのような「基準」を、心理学では「アンカー」と言います。
例えば、高い金額のメーカー小売価格が付いた家電が、店舗価格として割り引かれて、さらに期間限定キ
心理学用語#30 鬼滅の刃から学ぶ「ピーク・エンドの法則」
ピーク・エンドの法則とは、最も感情が動いたとき(ピーク)と、一連の出来事が終わったとき(エンド)の記憶だけで、ある経験についての全体的な印象が決定されるという法則です。
過去の経験が「ピーク」「エンド」という2点で印象づけられる、という現象を定式化したものが、ピーク・エンドの法則なのです。
例えば、最近地上波で放送された「鬼滅の刃 無限列車編」で、ピーク(個人差あるので割愛)とエンド(煉獄杏寿
心理学用語#29 ザイガルニック効果(ツァイガルニク効果)
人間は達成できなかったことや中断していることに対し、より強い記憶や印象を持つという心理学的な現象を『ツァイガルニク効果』と言います。その度合いは、夢中になり、完了が間近なものほど、強くなります。
この心理現象は、ドイツのゲシュタルト心理学者のクルト・レヴィン氏が仮説を立てました。
人間の記憶について、「人は目標に向かっているときは緊張感が生まれるが、目標が達成されると緊張感は解消する」という仮
心理学用語#28 セルフイメージと脳内物質
セルフイメージとは、日本語で自己肯定感ともいい、潜在意識、思い込みともいいます。身近な言葉でいうと性格、人格になります。シンプルにいうと、自分が自分をどう思っているかということです。
セルフイメージがいい人は、単純に自信があり、物事に対して肯定的、楽観的に考えることができます。
逆にセルフイメージが悪い人は、自分に自信がなく、メンタルの浮き沈みが激しく、消極的で、物事を悲観的、否定的に捉えやすく
心理学用語#27 意味飽和とゲシュタルト崩壊|脳科学
「ゲシュタルト崩壊」という言葉を聞いたことがあると思います。漢字をずっと眺めていると、「こんな漢字あったけ?」と文字の構造が分からなくなることを言います。
ゲシュタルト崩壊が「こうえん」の「公園」が「ハム園」に見えてくるのに対して、意味飽和はそもそも「『こうえん』ってなんだっけ?」と意味が分からなくなることを指します。
ジェームズ氏は、意味飽和の効果や原因を確かめるために様々な実験を行ないまし
心理学用語#26 一貫性の原理とコミットメント
一貫性の原理(一貫性の法則)とは、一度始めたことを最後までやり遂げようとする心理のことです。
コミットメント(Commitment)とは、「関わりを持つこと・委任・誓約・言質」といった意味があり、「責任」というニュアンスが強い言葉になります。
一貫性の原理は、コミットメントすることで強力に働きます。
一貫性の原理が働く理由の1つ目は、社会生活においては、一貫していることが高い価値におかれるか
心理学用語#25 ホメオスタシスとコンフォートゾーン
心理学におけるホメオスタシスとは、「今のライフスタイルや環境をなるべく維持しよう」という心理です。心理的ホメオスタシスには、良い面と悪い面があります。
良い面は、私たちの生活に安定をもたらしてくれること。悪い面は、自分を変えたいとき、新しい挑戦をしたいとき、心理的ホメオスタシスが足かせとなってしまうこと。
「自分を変えたい」と考えているときは、ホメオスタシスをいかに「解除」するかが重要。そこで
心理学用語#24 DMN|脳科学
DMNとは、デフォルト・モード・ネットワーク(Default Mode Network)の略語。脳が意識的な活動をしていないとき、つまり、ぼんやりしているときに活性化する神経回路です。
近年の脳科学研究により、DMNの働きは「創造性」と関係していることがわかっています。DMNが活発になると創造力が高まり、いろいろなアイデアが浮かんできやすいのです。DMNの主な役割には、「危機への備え」と「情報の
心理学用語#23 感情の粒度
感情の粒度とは、自分の感情を詳しく表現する能力を指します。
感情の粒度が高い人はストレス対処能力が高く
・挫折からの立ち直りが早い
・感情のコントロールがうまい
・依存症にかかりづらい
・人生の満足度が高い
といった傾向があります。
ではなぜ感情の粒度を上げるとストレス対処能力が上がるのでしょうか?
自分の状況を正確に理解することで、とるべき対処法がわかりやすくなるからです。
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