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キャンセル・カルチャー

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明日は我が身のキャンセル・カルチャー。仕事をクビになり、財産を失い、友情は壊れ、親族からも追放される容赦ない制裁。その実例を紹介し、米国社会の病理に迫ります。
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2022年2月の記事一覧

元リーバイス社CMO:「子供たちを、そして言論の自由を守るため、キャリアも百万ドルも捨てました」

元リーバイス社CMO:「子供たちを、そして言論の自由を守るため、キャリアも百万ドルも捨てました」

ジェニファー・セイ(Jennifer Sey)は、元プロ体操選手で、4児の母である。そしてつい最近まで、20年近くキャリアの梯子を登り続けたリーバイ・ストラウス社でグローバルブランド最高責任者を務め、次期CEOの座に一番近いところにいた。

しかしセイは、自身の口を塞ごうとする同社の圧力に抗い、信念を貫くために、そのポジションに別れを告げる。

退社の際、CEOのチップ・バーグは、秘密保持契約への

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キャンセルカルチャー:バンドを去った僕からアーティスト達へ

キャンセルカルチャー:バンドを去った僕からアーティスト達へ

現在、米国Spotifyを舞台に言論の自由を巡る戦いが起きている。

全米人気ナンバーワンのポッドキャスター、ジョー・ローガンの番組が「コロナに関する誤った情報を流している」として、ニール・ヤングを皮切りに著名人達が続々と抗議の声を上げ、ジェニ・ミッチェルなどの大物アーティストが楽曲の配信取り止めに踏み切っているのだ。

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[2] Joe Rogan Speaks(ジョー・ローガンはかく語りき): ニール・ヤング騒動

[2] Joe Rogan Speaks(ジョー・ローガンはかく語りき): ニール・ヤング騒動

押しも押されぬ全米人気ナンバーワンのポッドキャスター、ジョー・ローガン。そのユニークな人柄や自由な考え方、そして彼を取り巻く騒動の数々については、前回の記事で紹介した。

ニール・ヤングがSpotifyに「偽情報(ジョー・ローガンの番組)の配信を止めるか、自分の楽曲の配信を止めるか選べ」と迫り、同社がヤングの曲の配信を取りやめていた、いわばニール・ヤング騒動を受けて、先日、ローガン本人が10分間に

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