見出し画像

2ヶ月旅しながら働いてみたけど、後悔についても話そう

「ふんどし1丁」に「丁」が使われている理由は、ふんどしを締めたケツにそっくりだから。

こんにちは、よすです。

旅をしながら働くこと(ノマド)に憧れますよね。時間と場所に縛られない生活。行きたい場所へ行って、きれいな景色を見ながら仕事。仕事が終わったら地方の美味しいものを食べて、次の街へむかうーー。

うそみたいな理想的な暮らしですが、この生活を実現することはもはや夢物語ではなく、多くの人が実現している暮らしであります。そして、ぼく自身もその恵まれた環境に身を置くひとりです。

以前の記事でもチラッと触れましたが、ぼくは2ヶ月間、車を運転して(このために買ったのだ!)国内を旅行しながら仕事をしていました。最初のころは冒険的な生活がはじまったことに胸を躍らせながら「どこへ行こう、なにを食べよう」と思い浮かべてはワクワクしていました。

しかし、あるとき気がつきます。
「もしかしたら、こんなことは幸せにはつながらないのかもしれない。」


なぜネガティブな話をするのか?

まず、なぜわざわざネガティブな話をするのか、について断っておきます。

「旅をしながら働く」系の話は、そのほとんどがポジティブなものでしょう。べつにそれらの話が嘘だと言いたいわけでも否定したいわけでもありません。体験したことも考えることも感じることも人それぞれですし、ものごとには光と影があってしかるべきです。

ただ、ぼくの印象では、旅をしながら働くことについてポジティブな側面についての発信は多いが、ネガティブな側面についてガッツリ書いた記事は少ないです。おそらく、旅をしながら働くことが実に楽しいものである一方で、自分が多大な時間とお金をかけて取った行動についての「後悔」を積極的に掘り下げることは大変な作業でもあるからだと思います。

が、この状態では noteをやっている身として記事のネタになりそうだと思ったので 偏った情報しか得られないだろうということで、未来ある若者が「自由」を謳った詐欺に巻き込まれにくくなるように、また、時間や場所の自由が効きづらく大変だけど社会に多大な貢献をされている仕事人が報われるように、ネガティブで現実的な話もネットの隅にちょこんと置いておこうと思います。

なお、この記事は、「とはいえ、旅行は最高でした!みんなも旅に出よう!」という反則技で締めたりしません。

そして、もう一度断っておきますが、この記事は旅をしながら働くことを否定しているわけではなく、ネガティブな側面にも光をあてることを目的としています。明日、ぼくは平気な顔をして旅しながら働いているかもしれません。あしからず。

旅も仕事も100%楽しめなかったな

ぼくの仕事はITエンジニアです。「プログラミング」といえばなんとなく何をしているか想像できますでしょうか?例えばこのnoteのようにブラウザ(SafariやChrome)上で動くサービスをつくっています。

さて、ぼくは正社員として仕事をしているので、平日は8時間働く契約になっています。とはいえ、ぼくが働いている会社はとても寛容なので、就労時間内は管理されているわけでもなく、いわゆるフレックスタイム制のような形で自分のペースで働くことを許されています。例えば、朝少し早く働いておいて、昼はその分観光して、また夜まで働く。のようなことが可能です。なので、旅をしながら働きたいぼくにとっては恵まれた環境です。

が、ぼくは正直、旅と仕事は両立しづらい、誤解を恐れずにいうと「両立しないほうがいい」と思いました。

こんなにも自由に働くことが許されているのになぜか?
それは、人間のメンタルは思ったより自由ではないからです。

「仕事をやるだけやって、あとはパッと切り替えて観光を楽しめばいいじゃん!」と思いますか?ぼくも思ってました。ただ、実際にやってみるとそんなに簡単にスイッチを切り替えることはできません。

三重県松阪市に滞在していた期間がありました。松阪市は「松阪牛」で有名ですよね。ぼくが三重県に寄った目的は伊勢神宮だったのですが、伊勢神宮へも程よい距離にあって静かな町でした。

松阪市自体には特に超有名な観光名所もないので、街を散策しようと思った日のことです。朝少し早めに仕事をしておいて、お昼、ちょっと1時間くらいのつもりで旧小津清左衛門家に寄ったり松坂城跡周辺を散策していました。


歴史的な住居が立ち並ぶエリア

のらりくらりと歩いて雰囲気を味わっていましたが、ふと時計をみるといつの間にか2時間以上経ってしまっていました。急いでホテルへ帰り仕事を再開しましたが、「もう少し気ままにぶらぶらしたいな」と思ったのが本音です。

和歌山県の白浜に滞在したときのことです。ぼくが滞在していたころの話ですが、あるホテルでは宿泊者以外の人でも無料で利用できるコワーキングスペースがありお世話になっていました。そこから見える景色は絶景で、見渡す限り海!というロケーションです。


席から見える景色

「うらやましい」と思う方もいるかもしれませんが、このときに僕が思ったのは「なんかやるせないな」でした。テラスへ出ると絶景が広がっているのですが、仕事をせずに友達とボケーっとできたら最高だなと思いました。友達4人くらいで来ているっぽいグループもいて、心底うらやましかったです。絶景を前にひとりで真っ黒な画面をにらみながらプログラミングしてるいるのは、控えめにいってやるせないです。

つまり、仕事と旅は両立させるのではなく、それぞれ100%集中したほうが満足度が高いのではないか?というのがぼくの正直な感想です。観光モードと仕事モードを高速で切り替えることはできませんでした。

次どこかへ長期で行くなら、観光のためだけのまとまった時間をできるだけ準備しようと思っています。

2ヶ月は長すぎたな

県をまたいで都市から都市へ移動するには、当たり前ですが1時間から数時間かかります。そのため、移動日は主に週末ということになり、1つの拠点に1週間以上滞在する生活を送っていました。

この生活をすると気になってくるのは宿泊費ですよね。ホテルや民泊によっては1週間以上泊まると連泊割りが効いて少しおとくに泊まれたりするのですが、大体1泊5000円だと安いほうです。なので、1週間で35000円以上は確実に使わないといけません。

「いや、安く泊まれるゲストハウスとかネットカフェとかあるやん」と思う方もいるかもしれませんが、ぼくの仕事道具であるPCは会社貸与のものであり、ぼくが自分の都合で仕事道具を毎日盗難のリスクに晒すわけですから、セキュリティにはお金を使わなければなりません。また、当然仕事をする上でも、移動が自分ひとりの力にかかっている上でも体調管理は必須です。他人の行動に睡眠を妨害される環境でストレスや睡眠不足でボロボロになってしまうと元も子もありません。なので寝る環境にも配慮が必要です。

それに、近くに仕事ができそうなコワーキングスペースやネットカフェがない場合、ホテルで仕事をすることになります。そのため、ホテルにWi-Fiや仕事ができるデスクなどがあるか?にも気をつけなければなりません。

そういう理由で、ぼくは最低限、以下の条件をクリアする宿泊先を選んでいました。

  • 個室がある

  • 鍵をかけられる(民泊の場合は要チェック)

  • 部屋に仕事ができる環境(デスクやWi-Fi)がある

  • 部屋に仕事ができる環境がない場合、近くにコワーキングスペースがある

そのため、ただただ費用を抑えるために安宿に泊まるわけにはいかず、宿泊費だけで月14万円ほどかかっていた計算になります。

そしてなにより、これらの条件を満たしつつお得な宿を見つける労力や、それらを踏まえつつ行きたい場所や次の拠点へのアクセスの良さなどを検討する労力が高い買い物だったなと思います。

こんな生活を続けていると、1ヶ月が楽しさの限界でした。ホテルを取るだけで考えることがたくさんありますし、それプラス日々のご飯や観光、観光と仕事のバランスなど考えなければならないことが山積みです。

「楽しければ楽しみながらできる」と思っていましたが、旅行しながら働くという非日常も日常になってしまえば何も新鮮なことはありません。次のパートで詳しくお話ししますが、新鮮さを失ってしまうと観光への意欲も激減します。そうなってしまうと、ただただあらゆるコストが高くつく生活にテンションも下がります。正直、1ヶ月超えたあたりからすんごい帰りたかったです。

なので、個人的には1ヶ月以上にわたって旅しながら仕事をする生活はほとんどおすすめしません。

「もったいない」と思ってがんばりすぎたな

京都に1週間ほど滞在していた期間がありました。JR京都駅から徒歩10分程度のホテルに泊まり、ホテルか近くのコワーキングスペースで仕事をしていました。タイミングよく、京都市からは旅行支援クーポンをたしか1万円ほどいただいて過ごしていました。

でも、正直いうと、この1週間でまともに観光したのは1日だけです。近くに住む友達と遊んだ日のみです。あとは仕事をしてだらだらしていました。

いや、ぼくだって「もったいないかもなあ」と思って何度もGoogleマップを開きました。「この寺はまだ行ったことがないから行かないともったいないか。嵐山のほうも行かないと後悔するかもしれない。」そんなことを思いながらも、スーパーでカップ麺を買ってホテルですすっている自分がいました。ホテルの部屋でカップ麺をすすりながら見るテレビは至高でした。

あるときから徐々に気づいていたんです。「もったいないから」という理由で旅をしてもほとんど辛いだけだということに。

愛知県へ行ったときの話です。愛知県にはいろんな観光スポットがあります。熱田神宮、名古屋城、徳川園、犬山城、大須商店街、知多半島・・・。愛知へ行く前にマップとにらめっこしながらどれに行くか厳選していました。「せっかく1週間愛知県に滞在するならここもここもここも」。そんなふうにワクワクしながら組んだ予定を実行して、ぼくは充実した日々を過ごしたと思いますか?いや、充実どころかクタクタになりました。

残ったのは達成感とかじゃありません。
「あれ、俺、何してるんだろ・・」という変な虚しさです。

だれにも強制されているわけではないのに、いつの間にか強迫観念に駆られ、楽しむことを自分自身に強制されている。そんな感覚が生まれました。

「せっかく」、「もったいない」、「どうせなら」。
こんな言葉にいつの間にか首を絞められていたのです。

教訓

以上、旅をしながら働いてみて感じた3つの後悔です。

これらの経験を踏まえたぼくの教訓は、

  1. 仕事と旅はできるだけはっきり分ける

  2. 1ヶ月未満の旅となるようにする

  3. 観光をがんばらない

です。

「旅をしながら働く」はかっこいいですが、もしかしたら自分にとっての幸せとは別の問題かもしれません。友達と1泊2日の旅行に行くのが普通に楽しかったりしますよ。

共感した記事

さいごに、この記事と同じくネガティブな側面に光を当てた、教訓に満ちた記事も紹介しておきます。

おわりに

お読みいただいてありがとうございました!
この記事が役に立ちそうなご友人にもぜひシェアをおねがいします🤝

#アラサー #哲学 #ライフハック #エッセイ #日記 #お金 #悩み #時間 #時間術 #人生 #コスパ #タイパ #リモートワーク #テレワーク #ノマド #デジタルノマド #ワーケーション #一人旅 #車旅

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?