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死んで欲しい。12 君と僕

早歩きでレジに向かった彼の後を視線で追って 私は彼の椅子も丁寧に戻し、少し時間をかけてレジへ向かった。 ちょうど精算が終わって彼が振り向く。 微笑んでる。 私も微笑…

福音
1年前

死んで欲しい。11 君

「ゼンブバレタゴメン」 スマホの振動でいつの間にか寝てしまっていた私は 握りしめたままの携帯の画面をみた。 今まで二人の間で使ったことのない、ダイレクトメッセージ…

福音
1年前

死んで欲しい。10 停止

15歳離れた妻とは、再婚だった。 もちろん僕が惚れたわけで、愛していたしその証の子供も授かった。 いつからだろう、歳の離れたバツイチの僕と一緒になってくれて申し訳な…

福音
1年前

死んで欲しい。9 再熱

たまらなく、君が欲しい。 部屋に入ると、強く君を抱きしめ僕たちは強く激しく求め合った。 君はお酒の力を借りていたんだろうか、前より求めていたように感じた。  君と…

福音
1年前
2

死んで欲しい。8 確信

 二度目は君の住む町であった。 君は意外とあっけなく、何事もなかったかのような 接し方で僕との距離をとっている感じだった。 君の気持ちを確認したいけど、はっきり確…

福音
1年前
1

死んで欲しい。7 始動

 いつものように朝起きて、犬の散歩をして子供たちを見送って 午前中仕事を調整し、君とお昼を食べ、コーヒーを飲んだところまでは、 いつもと変わらない日常だった。 変…

福音
1年前

死んで欲しい。6 西日

 部屋に入った僕は君を抱き寄せた。 リアルな君は想像していたより小さくて、ぼくの僕の腕の中にすっぽりおさまった。  僕は勢いよく君の服を剥ぎ取ってツンと立っている…

福音
1年前

死んで欲しい。5 コーヒー

コーヒーのお代わりがふたりのカップに注がれていた。  さっきのお店で飲んだお酒のせいか、君は普段よりおしゃべりだったようだ。 話は仕事の話から、君の恋愛話に変わっ…

福音
1年前

死んで欲しい。4 左側の顔

駅で待ち合わせなんて久しぶりだ。 僕は初めてのデートをするような緊張感と高揚感で待っていた。 君はペコっと会釈して、ニコッと笑いながらこっちに向かって走ってきた。…

福音
1年前

死んで欲しい。3 あの時の君

僕はおしゃべりだけど、君も僕に負けないくらいおしゃべりだ。 僕たちはいつも話し始めるタイミングが同じになることが多く、 どうぞお先にとよく言っていた。 君との話は…

福音
1年前

死んで欲しい。2 僕が僕であることを

君と出会った(再会)日から僕の毎日は少しずつ変わっていたった。 目の前には15歳も離れた若く美しい愛する妻、二人の愛おしい子供が目の前にいる。 僕は家族のために必…

福音
1年前

死んで欲しい。1 「再会」

もう誰か好きになったり愛したりしないと思っていた。 そもそも僕には愛する家族があって、これ以上愛を注ぐ人がこれからの自分の人生に出てくるなんてこれっぽっちも思っ…

福音
1年前

嫌われてしまいたい。

君のことを忘れなければならないのなら タバコも吸うよ。 何度も同じ話をするよ。 夜更かしもする。 黒い靴も履くよ。 髪も切るよ。 だって君は タバコが嫌いな人。 何度…

福音
1年前

死んで欲しい。12 君と僕

早歩きでレジに向かった彼の後を視線で追って
私は彼の椅子も丁寧に戻し、少し時間をかけてレジへ向かった。
ちょうど精算が終わって彼が振り向く。
微笑んでる。
私も微笑み返して、エレベーターに向かった。

もう会話は要らない。
ここで何か発言してしまうと、現実に戻ってしまいそうだった。

そのまま私達は長い廊下を歩いて部屋に向かった
ちょっと私は彼の後ろを歩いた。

レースのカーテンがかかった部屋は陽

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死んで欲しい。11 君

「ゼンブバレタゴメン」

スマホの振動でいつの間にか寝てしまっていた私は
握りしめたままの携帯の画面をみた。
今まで二人の間で使ったことのない、ダイレクトメッセージからだった。

私の体は心臓だけが残ってるのではないかと思うほど
心臓の音だけが鳴り響き、生唾を飲み込んだ。

半角カタカナの一言。
それだけのメッセージでその後いつ来るかわからないメッセージ、連絡を
私はただ待つしかなかった。

昨夜

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死んで欲しい。10 停止

15歳離れた妻とは、再婚だった。
もちろん僕が惚れたわけで、愛していたしその証の子供も授かった。
いつからだろう、歳の離れたバツイチの僕と一緒になってくれて申し訳ないと、何もかも遠慮していたのかもしれない。

 子供が生まれたからは夫婦の営みもめっきりなくなり、一年に数回、ほぼ愛情表現の営みではなく、性処理に近いSEXだった。
家族とはこういうものなんだろう。
夫婦も男女の愛から家族愛に変わり、僕

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死んで欲しい。9 再熱

たまらなく、君が欲しい。
部屋に入ると、強く君を抱きしめ僕たちは強く激しく求め合った。
君はお酒の力を借りていたんだろうか、前より求めていたように感じた。
 君と重なり合うたびに、体の奥そこから脳まで電気が走るような快感を得る。これまでそれなりの女性経験がある方だと思っていたが、こんな女性がまだ僕の人生に出会えるとは思っていなかった。

もう僕は確信した。
この女(ひと)、君に出会うために僕は生ま

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死んで欲しい。8 確信

 二度目は君の住む町であった。

君は意外とあっけなく、何事もなかったかのような
接し方で僕との距離をとっている感じだった。
君の気持ちを確認したいけど、はっきり確認するのは怖く、君のスタンスに合わせていた。

以前から決まっていたゴルフコンペで、僕たちは同じチームだった。
君はだんだん緊張もほぐれてきたのか、ゴルフの調子もよくなってきて
普段の君、普段以上のプライベートな君を垣間見れて本当に楽し

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死んで欲しい。7 始動

 いつものように朝起きて、犬の散歩をして子供たちを見送って
午前中仕事を調整し、君とお昼を食べ、コーヒーを飲んだところまでは、
いつもと変わらない日常だった。
変わっていた事があるとしたら、日常にはない君との顔合わせのお昼にちょっと心躍らせながら行ったことだ。

 その後のたった数時間の出来事で、僕はタイムマシーンにでも乗ってどこかの世界に行ってしまったように、もう元の世界には戻れない、違う世界の

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死んで欲しい。6 西日

 部屋に入った僕は君を抱き寄せた。
リアルな君は想像していたより小さくて、ぼくの僕の腕の中にすっぽりおさまった。
 僕は勢いよく君の服を剥ぎ取ってツンと立っている片方の乳房を口に含んだ。
君の声が漏れる。
僕の鼓動は高まり、荒々しい呼吸で一気に体中が熱くなった。
 これまでの抑えていたの気持ちと、欲望を一気に君にぶつけた。 
何度も何度も、年甲斐もなく、何度も君へぶつけた。

 愛の形は男女愛から

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死んで欲しい。5 コーヒー

コーヒーのお代わりがふたりのカップに注がれていた。
 さっきのお店で飲んだお酒のせいか、君は普段よりおしゃべりだったようだ。
話は仕事の話から、君の恋愛話に変わっていった。
 女子会で恋バナをしているかのように、元カレの話や振られた話、最近の女子恋愛事情を話していた。
 僕はちょっと複雑で、なんで他の男の話をするんだと、ちょっと怒りのような感情を抱いていた。
 完全に嫉妬ではないか。落ち着かせるた

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死んで欲しい。4 左側の顔

駅で待ち合わせなんて久しぶりだ。
僕は初めてのデートをするような緊張感と高揚感で待っていた。
君はペコっと会釈して、ニコッと笑いながらこっちに向かって走ってきた。
あー僕にはデジャブなんだけれど君は気づいていないよな。

「久しぶり、元気?
オンラインでは合ってるから久しぶりな感じはしないけどね。」
内心、リアルの方が断然いいよと心の中で言いながら
僕らはお店へ向かった。

 老舗の料亭で昼御膳を

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死んで欲しい。3 あの時の君

僕はおしゃべりだけど、君も僕に負けないくらいおしゃべりだ。
僕たちはいつも話し始めるタイミングが同じになることが多く、
どうぞお先にとよく言っていた。

君との話は終わりが難しく、次の予定がなければいつまでも続いてしまう
そんな感じだった。

ある程度社会的に、年齢も地位も高くなる僕の年頃になると
誰も意見したり、否定したりしなくなっていく。
そこに君は年齢も立場も関係なく、ある時は先生のように諭

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死んで欲しい。2 僕が僕であることを

君と出会った(再会)日から僕の毎日は少しずつ変わっていたった。

目の前には15歳も離れた若く美しい愛する妻、二人の愛おしい子供が目の前にいる。
僕は家族のために必死に働き、自分のやりたい事は一つずつ諦めていく、それが家族を愛することだと思って疑わなかった。

あの日君と出会ったあの瞬間、僕は君を守らなきゃと家族と同じように
君を愛してしまった。
僕の愛の全ては家族に注いでいたので、君への愛はその

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死んで欲しい。1 「再会」

もう誰か好きになったり愛したりしないと思っていた。
そもそも僕には愛する家族があって、これ以上愛を注ぐ人がこれからの自分の人生に出てくるなんてこれっぽっちも思ってなかった。そんな欲望もなかった。

人生も折り返し、特に不満もなく平日は仕事をし、週末は家族と過ごす、穏やかなありふれた日常が毎日繰り返されていた。あの日もそのうちの同じ1日が繰り返されるはずだった。
そんな中、君はふっと僕の前に現れたん

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嫌われてしまいたい。

君のことを忘れなければならないのなら

タバコも吸うよ。
何度も同じ話をするよ。
夜更かしもする。
黒い靴も履くよ。
髪も切るよ。

だって君は
タバコが嫌いな人。
何度も同じ話をするのを嫌がる人。
夜更かしが嫌いな人。
黒い靴が嫌いな人。
長い髪は好きっていたよね。

だから君が嫌いなことを全部するんだ。
君から嫌われてしまえば
この悲しみも苦しみも終わるんだ。
君への想いは行く宛がなくなって消

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