死んで欲しい。2 僕が僕であることを

君と出会った(再会)日から僕の毎日は少しずつ変わっていたった。

目の前には15歳も離れた若く美しい愛する妻、二人の愛おしい子供が目の前にいる。
僕は家族のために必死に働き、自分のやりたい事は一つずつ諦めていく、それが家族を愛することだと思って疑わなかった。

あの日君と出会ったあの瞬間、僕は君を守らなきゃと家族と同じように
君を愛してしまった。
僕の愛の全ては家族に注いでいたので、君への愛はその愛を削るしかなかった。

最初は自分自身でも気づかないくらいに少しずつ少しずつ削った。
誰にも気づかない程度なら大丈夫。
そう自分にも言い聞かせていた。

僕は少しの時間を見つけては君の名前を検索して
出てくる君の情報を片っぱしから探した。
君の過去を探せるだけ探してそこにいる君を見て
僕の手は下半身へと伸びて触っていた。
そこには自分でもびっくりするくらい硬くなった僕がまだいた。
夫、父親だけではない僕自身がいて、久しぶりに喜びと快感を味わった。

子供も二人いて夫婦も男女から家族になっていけば、お互い協力者のひとりとなり、それ以上の関係もいつしかお互い求めなくなっていた。
お互い不満もなく、父親母親としての時間をずいぶん長く過ごしていた。

ただ髪を切ったよ。
これが美味しかったよ。
どこにいったよ。
なんてない君の写真が僕にとってはたまらなくいやらしく、
日に日に僕は僕であることを実感する一人夜の時間が増えていったんだ。

これ以上も望まなければ、期待もなく
ただ僕一人の秘密の夜時間を過ごしながら、いつしか時は2年が過ぎていた。

もちろん君はそんなことは気付きもせず相変わらず
無邪気に僕のおしゃべりを笑いながら聞いている。






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