死んで欲しい。9 再熱

たまらなく、君が欲しい。
部屋に入ると、強く君を抱きしめ僕たちは強く激しく求め合った。
君はお酒の力を借りていたんだろうか、前より求めていたように感じた。
 君と重なり合うたびに、体の奥そこから脳まで電気が走るような快感を得る。これまでそれなりの女性経験がある方だと思っていたが、こんな女性がまだ僕の人生に出会えるとは思っていなかった。

もう僕は確信した。
この女(ひと)、君に出会うために僕は生まれてきたのではないか?
そして最初に出会った時に抱いた懐かしさと、君を守りたい、君の力になりたい、側にいたいという思いは、ただの欲望ではなく、宿命に近いものを感じずにはいられなかった。

 それからの僕は、毎日、君のことで頭もカラダもいっぱいになっていった。これまでだったら日帰りに済む出張をわざわざ3時間かけて君のところにいった。
 君は呆れると言いながらも、僕のためにお風呂が準備され、温かいご飯が用意され、僕を受け入れている君の家は居心地良く、家族には申し訳ないが、憧れの新婚生活のような時間を過ごしていた。
 
 時間が限られている君との時間は、1秒たりとも離れずずっと一緒に過ごしていた。離れても許す限り電波を繋げ、とにかくずっと一緒に過ごした。
君との全ての時間、空間が不気味なほど合う。もう僕は君以外、考えられない。 
次第に僕は出張が増え、僕の恋心と下半身は、高校生のように無邪気に君を求め、君に会える喜びを家族の前で隠すことができないほど、舞い上がっていたようだった。

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