マガジンのカバー画像

音楽楽

31
こんな視点や前情報があるともっと音楽が楽しくなるんじゃないかなぁ、ということを書いていきます。
運営しているクリエイター

#洋楽

大人のためのメタル話⑦ 現在(2022)のメタルシーンを見渡す75曲 ~5.(20)10年代デビュー組編~

大人のためのメタル話⑦ 現在(2022)のメタルシーンを見渡す75曲 ~5.(20)10年代デビュー組編~

70年代からスタートした当連載もいよいよ最後の年代、2010年代です。すでに2020年代に入っていますが、10年代以降ということでまとめて紹介。

振り返ると、1990年代に主流となったNuMetal(≒ミクスチャー)の大きな流れがロックおよびメタル/ハードロックに多大な影響を与え、「それまでに存在していた音楽スタイルを組み合わせる」ことで新しい音像を産む、というスタイルがより一般化していきます。

もっとみる
大人のためのメタル話④ 現在(2022)のメタルシーンを見渡す75曲 ~2.80年代デビュー組編~

大人のためのメタル話④ 現在(2022)のメタルシーンを見渡す75曲 ~2.80年代デビュー組編~

80年代、USにおけるHM/HRの最初の黄金時代とされます。83年、クワイエットライオットの「Metal Health」がメタル初の全米1位を獲得したのを皮切りに幾多のメガヒットが連発。ボンジョビ、デフレパード、モトリークルー、ホワイトスネイク、ヨーロッパなど多くのバンドがミリオンセラーを連発しました。

UKにおいては76年ー78年のパンクムーブメントを経て、ポストパンクのムーブメント=ニューウ

もっとみる
大人のためのメタル話③ 現在(2022)のメタルシーンを見渡す75曲 ~1.70年代デビュー組編~

大人のためのメタル話③ 現在(2022)のメタルシーンを見渡す75曲 ~1.70年代デビュー組編~

ヘヴィ・メタルは多くのことを教えてくれました。「メタル」と名前が付くから行ったことがない国の知らないバンドと出会い、そこから多くのことを知りました。北欧メタルがなければ僕がフィンランド、ノルウェー、スウェーデンの違いについて考えることはなかったでしょうし、ジャーマンメタルがなければドイツに強い親近感を覚えることもなかったでしょうし、オリエンタルメタルがなければイスラム世界における音楽の役割を考える

もっとみる
大人のためのメタル話② あの人は今 ~90年代、日本でトップアーティストだったメタルアーティスト達の近況~

大人のためのメタル話② あの人は今 ~90年代、日本でトップアーティストだったメタルアーティスト達の近況~

連休なので筆が進んでおります。さて、前回「90年代ってどれぐらいメタル系アーティストが売れていたのか」を見返してみたわけですが、そこで出てきたアーティスト達、「日本でビッグだった」アーティストたちの「今」を追っていこうと思います。それぞれ日本でゴールドディスク以上を獲得したアーティスト達。今でも現役バリバリのアーティストもいれば半ば引退モードのアーティストもいますが、全体としてはまだまだ元気なアー

もっとみる
大人のためのメタル話① 90年代の”洋楽ファン”はどれぐらいメタルを聴いていたのか

大人のためのメタル話① 90年代の”洋楽ファン”はどれぐらいメタルを聴いていたのか

20世紀に青春を過ごした方々のためのメタル話を書いていこうと思います。

トップ画像にした通り、現Burrn!編集長の広瀬和生が90年代を語る本「ビッグ・イン・ジャパンの時代」が発売されました。

disk unionの販売ページは→こちら

先だって炎やヘドバン誌で「1991年特集」が発刊され、90年代再評価、振り返りの機運を高めての出版。心待ちにしていました。個人的にもこの辺りを最近見返してい

もっとみる
女性アーティストに見るUSとUKのポピュラー音楽の違い in 2021 +宇多田ヒカルの新譜に聴く「USとUKの違い」

女性アーティストに見るUSとUKのポピュラー音楽の違い in 2021 +宇多田ヒカルの新譜に聴く「USとUKの違い」

「洋楽」「邦楽」という括りがあり、定義としては「洋楽=海外の音楽」ですが、実際には「洋楽=英語(圏)の音楽」ですよね。非英語(圏)の音楽は「ワールドミュージック」とか「グローバルミュージック」と言われていわゆる「洋楽」とは違うジャンルとされる。で、洋楽はだいたい8~9割はUSかUKの音楽だと思います。他はカナダ、オーストラリアといった英語圏の国々と、非英語圏(たとえばドイツとかラテンアメリカ諸国と

もっとみる
グランジムーブメントがメタルに与えた影響:1992-1995

グランジムーブメントがメタルに与えた影響:1992-1995

1991年、NirvanaのNevermindやPearl JamのTenの商業的成功によってUSの音楽業界は地殻変動が起きました。シアトルのバンド群を中心としたそのムーブメントは「グランジ(薄汚れた)ムーブメント」と呼ばれ、80年代中盤からのメインストリームロックの座を占めていた(当時の)ヘヴィメタルから王座を奪い取ります。ただ、最近改めて1991年の再評価※1が進んでおり、それらを読むと多くの

もっとみる
USで売れているメタルアーティスト2015-2020

USで売れているメタルアーティスト2015-2020

しばらく前に書いた記事「インフォグラフで見るメタルのトレンド」がnote公式に取り上げてもらったのでPVが増えています。この機会に偽メタルさんの別の動画もご紹介。いろいろと面白い企画が多いんですが(インダストリアルヒップホップとインダストリアルメタルの比較とか)、今回紹介するのはインフォグラフ系の第二弾動画で、2016年から2020年のUSでのHM/HR系のベストセラーアルバムをまとめてくださった

もっとみる
METALLICAとは何なのか:全アルバムをレビューして思ったこと

METALLICAとは何なのか:全アルバムをレビューして思ったこと

23タイトル、23日間にわたってレビューしてきたメタリカ全アルバムレビューが終わりました。総括として思ったことは「Metallicaって、メタルのショーケースみたいなバンドだな」ということ。実のところ、大物とされるバンドは時代時代でトレンドを取り入れていて、不変の代名詞のようなAC/DCやMotörheadだってアルバムごとにその時代に合わせた音像を持っています。ただ、Metallicaはかなりそ

もっとみる