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アルバムレビュー

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漫然とアルバムを聴いていると印象を忘れてしまうので、アルバムを聴きながら1曲づつ感想を書き留めてみることにしました。特にジャンルレス。その日選んだアルバムを聴いてレビューしていき… もっと読む
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#メタルコア

Babymetal 4thアルバム『The Other One』レビュー

Babymetal 4thアルバム『The Other One』レビュー

2010年代を代表するメタルアクト、Babymetalの5年ぶりのニューアルバム「The Other One」がリリースされました。アルバムレビューを書きつつ、このアルバムを現代メタルシーンの中に位置づけていきたいと思います。

Babymetalのメタル史における位置づけについて考察したことがあります(→関連記事)。結論としては「2010年代を代表するメタルアクト」でした。2010年代に出てきた

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Fit For An Autopsy / Oh What The Future Hands(2022、US)

Fit For An Autopsy / Oh What The Future Hands(2022、US)

モダンなアグレッション表現の完成度 ★★★★★

US、ニュージャージーで2007年に結成されたデスコアバンド、フィットフォーアンオートプシー。本作はドイツのニュークリアブラストレーベルからリリースされた3年ぶり6作目のアルバムです。TIDALのレコメンドに出てきて、冒頭聞いてみたら引き込まれたので全体を聴いてみました。最初聞いた感じだとけっこう硬派なメタル感があったんですが、Metallumでは

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Jinjer / Wallflowers

Jinjer / Wallflowers

総合評価 ★★★★★

ウクライナのバンド。グランジやオルタナを通過した音像で、基本はメタリックハードコアながらところどころにグランジ的な進行や、スラッジ的な酩酊感、そして東欧的な暗さややはり米国や西欧とは違う感じのメロディセンス、節回しが組み合わさっている。ところどころギターのフレーズがキングクリムゾン的。暴虐性、攻撃性が高くテンションが上がるが、攻撃一辺倒ではなくメロディアスなパートや酩酊感も

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Every Time I Die / Radical

Every Time I Die / Radical

Every Time I Dieは、1998年に結成された、ニューヨークのバッファロー出身のアメリカのメタルコアバンドです。彼らは、エネルギッシュで激しいライブショーで高い評価を得ています。現在はメロコアの殿堂エピタフレコードに所属。エピタフはきちんとハードコア色の強い、アンダーグラウンド感を保ったままでメジャーで勝負できるようなバンドを抱えているし、そういう音作りも上手い。USではかなり人気のあ

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A Day To Remember / You're Welcome

A Day To Remember / You're Welcome

デイ・トゥ・リメンバー(しばしばADTRと略される、以前はEnd of a Eraという名前で活動)は、2003年にフロリダ州オカラで結成されたUSのロックバンドで、メタルコアとポップパンクの融合で知られています。

本作は5年ぶり、7作目のアルバム。激烈性が後退し、よりポップになった作品と評されているようです。2022年、ダウンロードUK(キャッスルドニントンで開催される旧モンスターズオブロック

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Bullet For My Valentine / Bullet For My Valentine

Bullet For My Valentine / Bullet For My Valentine

Bullet for My Valentine(しばしばBFMVと略される)は、1998年に結成されたUKはウェールズ、ブリジェンド出身のヘビーメタルバンドです。カーディフ(ウェールズの都市で、世界最古と言われるレコードショップがあるUK有数の音楽都市)の音楽シーンの一員とみなされており、最初はJeff Killed Johnという名前で、メタリカとニルヴァーナのカバーバンドとして音楽キャリアをス

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Architests / For Those That Wish to Exist

Architests / For Those That Wish to Exist



アーキテクツは、2004年に双子の兄弟ダンとトム・サールによって結成された、イーストサセックスのブライトン出身のUKのメタルコアバンドです。デビュー当時はThe Dillinger Escape Planなどに影響された攻撃性が高く、リズムが複雑なカオティックなサウンドでしたが、だんだんメロディアスな要素を取り入れたポストハードコア、メロディックハードコア的な音像に変化。その後、メインソングラ

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Employed To Serve / Conquering

Employed To Serve / Conquering



エンプロイドトゥサーブ(ETS)は2012年にUKで結成されたハードコア、メタルコアバンドで、女性ボーカルを擁する4人組。本作は4作目の作品となります。メディア評価が高いバンドでKerrangが100点。本作は最初にどこで触れたのか忘れましたが、TIDALのレコメンド新譜で出てきてちょっと聞いてみたらよい感じだったのでアルバムリストに入れておいた気がします。まだあまり本作のレビューは出ていませ

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TWELVE FOOT NINJA / VENGEANCE

TWELVE FOOT NINJA / VENGEANCE



今週は平常運転、テーマなく新譜を聴いていこうと思います。1組目はTwelve Foot Ninjaの「Vengeance」。Twelve Foot Ninjaはビクトリア州メルボルン出身のオーストラリアのヘビーメタルバンドで、2012年にデビューアルバムSilent Machineをリリース。前作「Outliner(2016)」は好評を持ってうけ入れられ、オーストラリアのレコードアワード「AI

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Between The Buried And Me / Colors II

Between The Buried And Me / Colors II



ビトウィーンザバリーズアンドミー(BTBAM)は2000年に結成されたUS、ノースカロライナ州ローリーのプログレッシブメタルバンドです。もともとFrom Here OnとPrayer for Cleansingというメタルコアバンドで活動していたRogers(ボーカル)、Waggoner(ギター)、Goodyear(ドラム)の3人がそれぞれのバンドの活動休止に伴い、合流して結成。初期からプログ

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Spiritbox / Eternal Blue

Spiritbox / Eternal Blue



Spiritboxは、カナダ、ブリティッシュコロンビア州ビクトリア出身のメタルバンドです。ボーカリストのコートニー・ラプランテ、ギタリストのマイク・ストリンガー、ベーシストのビル・クルックの3人組(ドラマーもいましたが脱退した様子)。ラプランテとストリンガーは元バンドメイト(USのメタルコアバンドIwrestledabearonceに在籍)であり、2016年からは夫婦。この二人の夫婦デュオを核

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Atvm / Famine, Putrid and Fucking Endless

Atvm / Famine, Putrid and Fucking Endless



UK、北ロンドンで活動するAvtmのファーストフルアルバム。初期はブラッケンドデスメタル(ブラックメタルの影響を受けたデスメタル)を演っていましたがだんだんとテクニカル/プログレッシブデスメタル寄りになってきたそう。演奏力が高いのでしょう。曲のタイトルが各国語(Ⲁⲛⲋ-ⲟⲩ Ⲙⲁⲧⲟⲩとかवाघनखとか)でどんな音像か期待が高まります。AOTYでユーザーレビューが83点。さっそく聞いてみましょ

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Mister Misery / A Brighter Side of Death

Mister Misery / A Brighter Side of Death

Mister Miseryは2018年結成、2019年デビューのスウェーデンのメタルバンドで、ホラーロック、日本で言えばV系、メタルコアやラウドロックに分類されそうな音楽性です。本作は2021年リリースの2ndアルバム。前半はUSというか世界市場を意識したようなメロディで、UKメタルコア的だが、後半、スウェーデン感・北欧感が増してきて良い感じです。

1.Ballad of the Headles

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In Other Climes ‎/ Leftøver

In Other Climes ‎/ Leftøver

なかなか強烈なジャケット。In Other Climesは2004年に結成されたフランスのメタルコアバンドで、こちらは2015年リリースの4th。いわゆるミクスチャーサウンドでかっこいい。フランスのこういうバンドは独特な音像を持っていますね。ちょっと優雅というか、センスが軽やか。かといってエスプリというか独特の哀愁も感じます。まぁ、フランスというお国柄から受ける先入観もあるのでしょうが。Rise

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