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In Other Climes ‎/ Leftøver

なかなか強烈なジャケット。In Other Climesは2004年に結成されたフランスのメタルコアバンドで、こちらは2015年リリースの4th。いわゆるミクスチャーサウンドでかっこいい。フランスのこういうバンドは独特な音像を持っていますね。ちょっと優雅というか、センスが軽やか。かといってエスプリというか独特の哀愁も感じます。まぁ、フランスというお国柄から受ける先入観もあるのでしょうが。Rise The Northstarとかもちょっとおしゃれというか、聴いていて洗練された感じがあります。MVとかもクリエイティブ。最初、UKのバンドかと思って聞いていたのですがUKにしては音作りがカラッとしている。ただ、USのバンドにしては捻りがある。カラッとしていて捻りがある。。。ああ、こういうのがフランスなのかもしれません。皮肉が効いているけどジメジメしていないというか。フランスでもニース出身のバンドなので、天候もカラッと晴れているのかも。

2015リリース

★ つまらない
★★ 可もなく不可もなく
★★★ 悪くない
★★★★ 好き
★★★★★ 年間ベスト候補

1.Dreams 2:50
ノイズ、アンプにギターを刺すような音、ホワイトノイズ
遠くからエフェクトがかかった声、「I Am The Free」と言っているのか
吐き出すような声、一気に加速する、ハードコア寄りのヒップホップというかミクスチャー
グルーブ系だが重さはなく飛び跳ねる感じ、モッシュモッシュ
ギターサウンドはしっかりエッジが立っていてカッコいい、アンスラックス的でもある
けっこう音像はヘヴィ、軽めの音作りではない、ザクザク感がありベースも聴いている
ブレイクダウン、上半身でバンギング
リズムが上がる、コーラス(といってもユニゾンで叫ぶだけ)
「I Am The Free」が戻ってきて終曲
★★★☆

2.Now I Know 4:01
リフからスタート、メロコア的
ボーカルはメロディアスではない、吐き捨て型
ただ、バッキングはかなりかっちりしている、メタルコア
不協和音感は少ない、かっちりした「リフ」感があり、心地よい
意外とツインリードみたいなのが出てくる、このハイブリッド具合はMetallica的でもあるな
ボーカルスタイルはあまりジェイムス感はないが
悪ガキ感、けっこうカッコいいサウンド、ダサくない
スケーターとかも聴けそう
ベースが結構バキバキ鳴っている、演奏技術がそこそこ高い
いきなりメロディアスなソロ、おお、カークハメット的、メタリカというよりエクソダスか
この曲はかっこいいな、緩急がついてるし、ボーカルもグロウルまで行かず、仮声帯は使っているがそこそこ聴きやすいダミ声
ノリよくきっぱり終曲
★★★★

3.Who Are You 3:16
少しオールディーズ、古い映画を連想させる語りから
急にドラムと轟音が入ってくる
リフ、ガチャガチャしている、ベースはゴリゴリ
ちょっと飛び跳ねると心地よさそうなリズム、「Who Are You Today」かな、To Dieじゃないよな
サビは妙に耳には残る
ソロ、けっこうメロディアスだな
ちょっとドラムの音作りはヘヴィ目
曲の終わり方がきっぱりしていていいね
★★★☆

4.City Of Glass 3:34
ミクスチャー的なリフ、ボーカルはずっとテンポ、リズムを刻む感じの声
コーラスはユニゾンで叫ぶ感じ、これはこれでいい
お、ちょっとコーラスがメロディアス、メロコア的に
Therapy?とかも思い出すな
途中からテンポアップ、おお、いいなぁ
こういうアルバムを昔何枚か聞いた気がするなぁ、Mary Beats Janeもこんなだったかなぁ
配信サイトにないので今一つ思い出せない、あまりミクスチャーやメタルコアは聞かなかったがあれは好きだった
なんだか、英国的なセンスを少し感じる、ひねくれているというか
これアメリカなのかな? どうなんだろう
メタルコアになると分からないな、音像はカラッとしているが
★★★★

5.Bigger Than Life 3:26
ツーバス疾走、けっこうドラマーがしっかり疾走するんだよね
グルーヴ的なパートも多いのだけれど、疾走するところはけっこう早い
お、カークハメット的なソロ
まぁ、アメリカのバンドなんだろうなぁ
この雄たけびコーラスはTestament的でもある
ただ、「○○らしい」だけではないオリジナリティもあるな、勢いというか
借り物感はない、自分のスタイルがある
そこそこ(このアルバムを出した時点で)ベテランなのだろうか
この曲は歌メロらしきものがある、ちょっとしたメロディだがフックがある
最後疾走して終曲
★★★★☆

6.Brainwashed 4:39
疾走曲、おお、これはコア、バッドレリジョンとかに近い
あれより音ははるかにヘヴィだけど
ドラムの音も存在感がある(ちょっとラーズを意識してる?)
ギターもベースも重い
これはいいなぁ、格闘技に合いそうな音像
疾走で走りきると思いきや途中でペースダウンしてベースだけに
ベースとドラムでリズムを支えて、そこにボーカルが乗ってくる
おおー、こういう展開は英国のバンドっぽい捻りがあるな、Therapy?とかTerrorvisionとかThe Almightyとか
歌メロはシンプルながらコードが展開していく
ノイズが残り、クラシカルなモチーフが出てくる、弦楽器の音
そのまま終曲
★★★★

7.I Walk Alone 3:07
気を取り直したようにイキのいい音像、ハキハキとノリが良い
後半になるにつれてメロコア感が出てくるな
コーラスになると混声の掛け声、コールアンドレスポンスが多いな
雄たけびコーラス、メインボーカルが合いの手、みたいな
筋肉少女帯に多いパターンですね(嘘)
いや、多いのは本当だけど、まああれはもっとメロディアス
コールアンドレスポンスの曲ってライブで楽しいんだよね
ただ、曲を知ってることが前提になるし、何も考えずもっと乗れる方がいい気もしてきた最近
曲を知らないでライブに行ってバンドと出会う、みたいな楽しみを見出したので
★★★★

8.Have You Ever 4:02
車のエンジンをかける音、そこからリフ
おお、かっこいい、Motorhead的な暴走の予感
ベースがめちゃブリブリ言っている
ボーカルがだみ声ながら、Lemmyと言われたらLemmy的、これはいいな
ボーカルメロディがしっかりある
コーラスになってちょっとボーカルが聞き苦しくなってきた、グロール成分が強まったというか
ナチュラルなだみ声でなく、作っただみ声感が強い
ヴァースはいいのになぁ
悪い曲ではないけれど、もう一歩突き抜けられたのに感
個人的好みの話だけれど
★★★☆

9.Dead Man's Fingers 3:03
おお、けっこうメタル耳でかっこいいリフが出てくるな
とはいえスラッシュほどザクザク感はない、面白いバランスだな
メロディアスなソロ、こういうのが出てくるのが面白いな
カッコいい、一曲一曲がコンパクトながら個性もある
★★★★

10.Sincerely Yours 3:39
ドタバタと走りながら言葉を詰め込んでいく
ハードコアマナー、音像はかっちりしている
なるほど、メタルコアというのは音像がかっちりしているハードコアか
で、そこにちょっと前衛的だったり、音の浮遊感とか、メロディアスになるとニューコアか
メロディックメタルコア、でもいい気もするが、、、
このアルバムは比較的オールドスクールなメタルコアなのだろう
ボーカルメロディにメロディ様子は薄い、ギターには適度なメロディがある
メインボーカル×コーラス隊の掛け合いがかっこいい
お、Die! Die! Die!だ、Manowarか!
悪くない、いやむしろ良いね
ややホラー風味なエンディング
★★★★☆

11.We Are An European Band 3:37
酒を注ぐ音、バーか
スペイン語? メキシコあたりの風景か
メロコア的疾走、ウォーウォーとコーラス
軽快かつアグレッシブなギター、ザクザクと、とはいえ扇風機まで刻まずメロコアとスラッシュの中間ぐらい
お、新しいスクリームが出てきた、声を割り、喉笛と同時発生的な
いいねこの声
リズム変化、ミドルテンポに、メロコア色が強い
メロディアス、ウォーーーーウォウォ、とコーラスがメロディアス
ボーカルは吐き捨て、ベースがけっこう暴れるなぁこのバンド
情報量が多い、面白いバンド
★★★★

全体評価
★★★★
面白かった、いわゆる「メタルコア」とか「ミクスチャー」と言われるジャンルなのかな
ボーカルはだみ声だが言葉はしっかり聞こえる、デスボイスまで行かず、ハードコア的
ボーカルメロディも後半にだんだん出てくる、メロディアスとはいいがたいが相対的にメロディが増えるのでキャッチーさすら感じる
面白いのはギターで、ところどころツインリードだったりカークハメット的なソロだったり、メタリカ色を感じる
ベースはうまい、かなりブリブリ弾いている、ちょっとしたファンキーさやグルーヴィーな感じが出てくるところはベースの力量に依るところも大きい
音程移動をガンガンするタイプではなく、リズミカルな刻みが上手い
ドラムもそこそこ音がヘヴィ、これもちょっとメタリカ的、ああいう一歩間違えば不自然なほどのタメや後ろノリはないが、一音一音にそれなりの重さがある
この辺りの音像が絡み合って独自性がある、なんとなくフレッシュでカッコいいのだけれど、B級メタルの心をくすぐる
コレクションしたくなる感じもあるというか
好きな人には心の片隅にひっそり根付く佳作

ヒアリング環境
夜・家・ヘッドホン


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