世界遺産完全ガイド「延暦寺比叡山」33年ぶり特別開扉!初開帳など随時更新【京都】【滋賀】
東塔・西塔・横川の3つの地域からなる「比叡山延暦寺」は京都と滋賀を跨ぐ大寺院!麓にある日吉大社なども元々は比叡山の一角だったわけで、日本の祈りの中心地である。ただ、僧兵を持ち、権力の脅威でもあったというのも事実で、時に権力者と争い事も・・・。
「比叡山延暦寺」は、788年に、伝教大師・最澄によって開かれた「天台宗」の総本山。高野山と同じく仏教の総合大学で、浄土宗の開祖・法然、臨済宗開祖・栄西、曹洞宗開祖・道元、浄土真宗開祖・親鸞、日蓮宗開祖・日蓮などを輩出している。平安京の鬼門に位置し、京都の寺社からは必ず比叡山が見えるようになっています。
ということで、平安京の鬼門!というのは嘘で、それ以前からあった!
1994年には「古都京都の文化財」の構成遺産として世界遺産にも登録!
さあ~帰るか・・時間掛かったなあ~。。んっ??
山の上は麓より気温が5、6度低いので服装には注意。秋の紅葉は10月下旬から11月に見頃を迎え、春の桜は4月後半から5月のゴールデンウィーク頃になる。
じっくり廻りたい人は、東塔エリアの「延暦寺会館」に宿泊するのもよいかも。
変更履歴(※2022/MM/DDでページ内検索)
2024/01/13 京都駅で行われていた比叡山展のパネル写真追加(「2023/10/30」参照)
2022/11/20 椿堂&十一面観音初開扉!
2022/05/16 TV番組「歴史探偵」より追記。
2022/05/12 京都国立博物館『最澄と天台宗のすべて』追加
2021/12/25 初版
参拝記録・・・2011年、2013年、2017年、2022年。
▼歴史など
お堂は100以上ある日本仏教の聖地
ユネスコ世界遺産
京都と滋賀に跨り、平安京の鬼門を守る
日本仏教レジェンドが修行したところ
788年、伝教大師・最澄が現在の根本中堂に小さな案を作ったのが始まり
すべての人が成仏できるというのが最澄の教え(それまでは仏教=国家を守るものだった)
延暦寺と名称は最澄没後で、桓武天皇時代の年号「延暦」から与えられた
飢饉で、人々を救うべく修業したのが延暦寺で根本中堂である
正式な僧侶に「戒」を与える戒壇院を設けることを許される
鎌倉時代には3000を超える寺院になるが武装化してしまう
白河上皇は比叡山を「意のままにならぬもの」と謳う
1571年、織田信長が比叡山焼き討ちをする
その後、権力者である豊臣秀吉、徳川家康、家光などにより復興する
2022年時点でずっと消えていない「不滅の法灯」は今でも引き継がれている
延暦寺・比叡山焼き討ちだが、そのころの延暦寺は悪僧が多く、今でいうところの金融業をしたり、僧兵は武士相当の強さを持ったそうな。仏教に帰依しておけばよかったのに自業自得かも?(今も昔も、権威・権力を悪いことに使う人はいる。そういえば今の坊さんも高級車・・・(自重))
「不滅の法灯」は実は消えている!?ただ、山形・山寺に火をバックアップしているので続いた!!ここらが日本の神様の分霊要素ならではな感じがする
2022年、信長の焼き討ちを逃れた奇跡の仏像が見つかった・・保存状態よいな・・
▼HP
▼アクセス
滋賀県大津市坂本本町4220
○ケーブル風景
▼祭神・本尊と脇時
※見どころ参照
▼見どころ
平安京遷都で鬼門を守る!というのはよく言われるが、創建はそれより前なので後付けの話しである。
なぜ?ここに創建したかというと、最澄が幼いころから慣れ親しんだ場所であり、霊山だったのだろう。
比叡山は最澄の故郷・近江である
古事記の段階でオオヤマグイが鎮座する霊山とされ信仰の場
最澄が草庵を作る前に霊山だった
天智天皇勅願寺があり、一説によると最澄が入山したとも
▽奥比叡から横川の道
10月下旬から色づき始める。
▽横川
比叡山の最北端。横川は本堂にあたる横川中堂を中心とするところ。おみくじ発祥の地「元三大師堂」がある。紅葉の名所はこちらですが、11月下旬では散っていますね。
→横川:龍ガ池弁天と龍神
→横川:赤山宮
→横川:横川中堂
横川の中心となるお堂はここ。848年に慈覚大師こと円仁が創建した。昭和初期に落雷により全焼したが、本尊・聖観音@重文は火災を逃れる。
本尊として慈覚大師作と伝えられる聖観音菩薩が安置されている。
→横川:元三大師堂@重文(四季講堂)
元三大師堂は慈恵大師こと元三大師・良源の住居跡とも。
慈恵大師こと良源(元三大師)の住居跡と伝えられている。
▽比叡山峰道レストラン 2022/11/20
▽西塔
自然と共存する地域に感じる。
駐車場から境内へ。
→西塔:椿堂 本尊・千手観世音菩薩像 ※2022/11/20
西塔の坂道を下った所に杉に囲まれて小さなお堂。昔、聖徳太子が比叡山に登られた時に使われた「椿の杖」をここに置かれたところ、その椿が芽を出して大きく育ったということから「椿堂」と名づけられました。
聖徳太子ゆかりの「椿堂」・本尊「千手観世音菩薩像」を初公開。
1275年の『阿娑縛抄』に西塔の一堂として出ており、聖徳太子が建立したものといい、六角堂の金六臂の如意輪観音・椿堂の銀四臂の如意輪観音・石山寺の白檀二臂の如意輪観音とともに、聖徳太子ゆかりの三尊とある。
椿堂はもとは安養堂といい、聖徳太子が登山の時の杖をこの地に建てると、それが大きくなって大地に生えたため「椿堂」という名にした。
聖徳太子が比叡山に登ったというものは平安時代までに溯る古書などにないが、如意輪観音像があったことから聖徳太子と結びついたのかも。
ここから先は撮影禁止ソーンになります。
1571年、織田信長の比叡山焼討ちで椿堂は焼失したが、本尊を三井寺に隠した。その後、三井寺の廃材で再建された。その後老朽化したため、1704年に新たに再建し、堂内に聖徳太子像を安置している。
→西塔:常行堂、法華堂@重文(にない堂)
同じ形の二堂が渡り廊下で繋がり、俗に「弁慶のにない堂」と呼ばれる。常行堂は阿弥陀経、法華堂は法華経を読経し修行する道場。法華と念仏が一体であることを示しているとか。
左右対称のお堂が廊下によって繋がっている珍しい造り。左が常行堂で右が法華堂。それぞれ、本尊は「阿弥陀如来」「普賢菩薩」を本尊とする。非公開なので姿は不明。
↑2017年朝一の写真は人がいない!やはり、こういう観光地化された神社仏閣は朝一に計画すべし!
常行堂にお参り。入れませんがね・・。
法華堂も行きましょう。入れないけど。。重要文化財です!
さて釈迦堂にGO!
今でも修業が行われているところなので静かにしましょう!西塔:常行堂・法華堂(にない堂)から釈迦堂間の道中風景。
階段を下りた左手。
→釈迦堂(転法輪堂)@重文
西塔の本堂で別名「転法輪堂」。熊野にある飛龍神社(那智の瀧)のように下りの階段を下りると釈迦堂。
現在の釈迦堂は延暦寺に現存する建築中最古のもので、もとは三井寺の園城寺の金堂でしたが秀吉が1595年に西塔に移築したものとなります。
釈迦堂は比叡山延暦寺・西塔の中心で、正式には「転法輪堂」だが、本尊が「釈迦如来@最澄作」のため、いつしか釈迦堂と呼ばれるようになった。回峰行の祖「相応和尚」の1000年御遠忌にあたり、三十三年ぶりに本尊が一般公開!!
2017年は以下の写真の通り釈迦堂がオシャレに飾られた。特別開扉については後述の「33年ぶり!釈迦堂の本尊特別開扉&内陣参拝!」を参照。
那智の瀧を思い出しますね。
▽東塔(大講堂、根本中堂、戒壇院、阿弥陀堂)
西塔から南へ1キロメートルほどのところにある。東塔は延暦寺発祥の地であり、本堂にあたる根本中堂を中心とする区域で、高野山好きはここが気に入るだろう。
→東塔:大講堂@重文
東塔に来たらまずは「大講堂」へ!!大講堂左から本尊側をのぞき込むと最澄と聖徳太子像が安置されていた。前回は気づかなかったけど新たな発見!!
山麓坂本の讃仏堂を移築したものです。本尊は大日如来で、脇侍は弥勒菩薩と十一面観音である。その左右には比叡山で修行した各宗派の宗祖の木像が祀られています。
法然、親鸞、日蓮、道元、栄西など修行した日本仏教レジェンドの僧の仏像がある。
→鐘楼
→東塔:根本中堂@国宝&廻廊@重文
延暦寺の総本堂となります。本尊は薬師如来。
延暦寺で一番大事とされる「根本中堂@国宝」ですが、2017年、2022年は修復中です。修復中ですが、拝観は可能で、鞍馬寺と同じ雰囲気を持つお堂である。いつ行っても、本当に仏像に願いを伝える方がいるところです。
2017年、根本中堂内はツアー客2団体がおり、邪魔にならないよう見仏させていただいた。この工事中の風景を見ると出雲大社の式年遷宮を思い出しました。
大阪河内長野・金剛寺で本堂などを16億円かけて修理したが、こういう修理風景を見るとすごくお金が掛かるのはわかりますね。2021年のテレビ番組で観たところまだ修復中でしたので、参拝時は公式HPで確認を!
本尊の前には、1200年間灯り続けている「不滅の法灯」がある。が、厳密には消えている。でも消えていない!?
消えることを予想してかどうかは分かりかねるが、火を分霊していたので、今でも続くということだ!そう、神様を分霊すると増える、分かれるというのが面白い日本の宗教観だなと思う!そう!八百万である。一神教ではなくなった!(´;ω;`)ウゥゥとなるのでしょうけどね。
2026年まで改修するようですね。
→文殊楼@重文 ※2022/11/20追加
急な坂!下りるのも地獄!と思いきや右に緩やかな階段が実はある。延暦寺の山門なのだそうな。ということは、昔はここが表参道なのかな・・。
同時に、名前の通り文殊菩薩を安置する。
→大書院と延暦寺会館 ※2022/11/20追加
延暦寺会館は宿泊や精進料理、修行体験ができる。2022年に行ったときは、秘仏ツアーをよくやっている旅行ツアーの団体が来ていましたね。
→東塔:戒壇院
東塔という地域名にも係らず、東塔に来る人は少ない気がする。東塔途中に戒壇院がある。奈良・東大寺には戒壇堂があり有名な四天王と僧に戒を与える重要なところとして有名です。延暦寺にもありますね。目的の東塔だが、伽藍全体を見ると高野山を思い出しますね。
→出世大黒天堂、万年堂
出世XXといえば、豊臣秀吉です。大黒天×毘沙門天×弁才天が合体!それが三面出世大黒天です!
→東塔:阿弥陀堂、法華総持院東塔
大講堂の左隣に、先祖を供養する「阿弥陀堂(あみだどう)」、仏舎利と法華経が安置されている「法華総持院東塔(ほっけそうじいんとうとう)」がある。
本尊は丈六の阿弥陀如来。お堂の前には水琴窟がある。
法華総持院東塔の本尊は五智如来で、塔の上層部には仏舎利と法華経が安置されているそうな。
→東塔:国宝殿
写真も載ってあるので公式HPでどうぞ!
湖西地域には三井寺、石山寺、西教寺、延暦寺と古寺で有名な寺が多い。この地域に行く場合は、大津市歴史博物館を要チェックで。個々の仏像点で、しれっと快慶、行快、肥後定慶の仏像が展示されています。
〇入口:釈迦如来坐像
入口に平安時代の釈迦如来坐像で、元々は横川霊山院伝来の後で、1571年の織田信長の焼き討ちで、僧が助け出した仏像。
〇薬師如来坐像@重文×梵天×帝釈天×十二神将
平安時代の薬師如来坐像、脇侍に鎌倉時代の梵天×帝釈天で、前に十二神将。十二神将は室生寺、仁和寺などの小さいが力強く、彩色の残り具合も良い。
〇千手観音立像@重文・毘沙門天立像@重文・不動明王立像@重文
面白い三尊形式だが、たまに見る記憶で、比叡山発信の三尊なのかも。
〇五大明王@重文・制多迦童子@重文・矜羯羅童子@重文
パッと見ると運慶か??と思わせるくらい素晴らしい仏像たち!13世紀とのことから運慶工房か運慶の弟子たちなのは間違いない気がする。証明はできないけど。
〇2022/11/20
▼正法寺 ※未参拝
公式HPにもある通り、今でも比叡山所縁の寺である。
仏像展で見仏しているので一筆。
本尊の千手観音坐像の懸仏が展示されていた。本尊が秘仏の場合、お堂中央の上を見ると懸仏があるところが多い。次に本尊を守護する「二天立像」が登場、四天王で本尊を守護したと思われる。そして「帝釈天立像@重文」などから、延暦寺の横中堂をイメージしていた寺だと思う。延暦寺にあって、ここに無いものが、本尊である。
▼33年ぶり!釈迦堂の本尊特別開扉&内陣参拝!
内陣拝観には別途500円/人が必要です。
写真の案内図の通り神仏習合を残しています。内陣に入ったら、まずは釈迦三尊を遠目から見ます。出口辺りは柱などで見にくいので入口でオペラグラスで観ると良いでしょう。
続いて、持国天は慶派が造ったと言われても納得する代物で、見どころありです。続いて、文殊菩薩が安置され、祠に伊勢、山王(日吉)、賀茂、鹿島、祇園(スサノオ)、熱田の本地仏(神像に見えたが)が安置されているが、小さく暗めのためオペラグラスとペンライトを持参したほうが良い。
裏手には梵天と帝釈天が安置され、須弥壇裏には不動明王と(たぶん)秘仏のお前立が安置されていた。そして内陣右側は祠が現れ、真ん中に猿の神様が安置されている。
「猿の神様」と言えば、神仏習合時代の相方神社「日吉大社」ですね。「猿神」とかいて「マサル」と読む!すごいぞ!マサルさん!?
▼セットで行くところ(▼旅行記)
▼仏像展
▽2022年 京都国立博物館『伝教大師1200年大遠忌記念特別展「最澄と天台宗のすべて」』
▽2020年:大津市歴史博物館 開館30周年記念企画展「聖衆来迎寺と盛安寺 ―明智光秀ゆかりの下阪本の社寺―」
比叡山の麓にある阪本地域には、延暦寺、日吉大社、三井寺など多くの神社仏閣があるが、近江の正倉院とも呼ばれる「聖衆来迎寺」には、著名な「六道絵@国宝」をはじめとした国宝や重要文化財が多数所蔵されている。六道絵は東京・大阪・京都・奈良から36年ぶりに里帰り。そして、天台真盛宗「盛安寺」には、近江を代表する十一面観音立像などの名品が伝わる。
▽2021年:聖徳太子展
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