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うちのバッチャ

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同居中の90歳のバッチャが破天荒すぎるのでエッセイにしてみました☆
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#全文公開

☆うちのバッチャ全文公開☆~サロン・ド・バサマ~

☆うちのバッチャ全文公開☆~サロン・ド・バサマ~

うちのバッチャは村の中でも有数の「聞き上手」なので、バッチャの友達はよく我が家の居間、もしくは畑に座って、豆の殻とかを剥きながら夕暮れ近くまでお喋りをしていきます。わが家はまるで、バッチャ達のサロンなのです。

 サロンではおまんじゅうや漬け物、しょうゆ煎餅などが振る舞われます。
我が家のバッチャが近所のバッチャの悩み事を、どのように聞いているのか。少し気になったので何の気なしに聞いてみたところ、

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☆うちのバッチャ全文公開☆ マツヤさん、現る。

☆うちのバッチャ全文公開☆ マツヤさん、現る。

ご近所のおばあちゃん、マツヤさんが来て言いました。

「家の孫が友達連れてきたんだばってよ、その孫の友達ってのがズボン、
がふらがふらってして(ブカブカしてて)パンツ見えてまってらのよ。
それで、わ(私)、ズボンさ手ぇ入れて、ぐんずと上げてやったでばな? 

したら孫、怒ってまってよ……。」
朝の6時頃にマツヤさんが来て言いました。

バッチャ達の夏の朝は4時半に始まりますので、朝6時だとだいたい

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☆うちのバッチャ 全文公開☆ 夫の考えた究極のエコ

☆うちのバッチャ 全文公開☆ 夫の考えた究極のエコ

 青森放送のコマーシャルで、妙~に気になるというか、脳髄に残るフレーズがあったんです。
「買い物袋をエコバックに変える!(かけ声)それもエコ!」
「使わない衣類はセカンドステージへ!(かけ声)それもエコ!」
「♪そうそ私もエコライフそうそ私もエコラ~イフ~♪」

という、あの歌が気になるのです。
気になるのは私だけ……? と思っていたら、ケンさんもそれが気になっていたらしく、先日、カレー屋さんでカ

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☆うちのバッチャ全文公開☆第二章~バッチャを取り巻く人々~

☆うちのバッチャ全文公開☆第二章~バッチャを取り巻く人々~

眼光の鋭い孫・ケンさん
 
先日、子どものためににんじん一本をすり下ろして焼いた、にんじんホットケーキなるものを作っていたところ、台所に来た夫にこう言われました。
「一体、何をやっているんだ?」
と。
「えっ……ホットケーキににんじんを、すり下ろして焼いていたんだけど……」
「それはにんじんだとわかってて入れたのか?」
「わ、わかって……? あの。わかってて、……入れました。」
「知っててやったの

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☆うちのバッチャ全文公開☆「嫁が火事を出したら」

☆うちのバッチャ全文公開☆「嫁が火事を出したら」

嫁が火事を出したらその人が本来、どういう人なのか。そういった本質を知る機会というものは、非常時に現れるものです。

普段は優しくて当たり障りがないというのは、当たり前のことなのだと思います。

問題は、非常事態が起きた時にどれだけ人に優しくできるのか……これは、そうなってみなければわからないことであります。
注意力が散漫なまま生きてしまっている私は、無自覚のままに非常事態を招きやすい人間です。そ

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迷いのないバッチャ ☆うちのバッチャ全文公開中!☆

迷いのないバッチャ ☆うちのバッチャ全文公開中!☆

迷いのないバッチャ

バッチャと暮らしていて1番すごいと思うのは、バッチャには迷いがほとんどないのだなと感じる時です。

80年も生きていれば大体の迷いはなくなってしまうのか、とにかくバッチャの瞬間の判断にはすばらしいものがあります。

若いとどうしても人生経験が足りなくて、悩んでばかりいてしまいますね。悩むということは、どちらにしたらいいのかと「迷う」ことだと思うのです。

どうしたらいいのかと

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