見出し画像

”公共”の意味を問う。ドキュメンタリー映画『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』2017年、アメリカ


久しぶりの映画。
忙しい夫と2人で、見たかった映画のために時間をつくってデート。3時間の映画で、途中休憩があるのは久しぶり。いまどきはデジタルなので、フィルム交換とかないから。私が過去に経験した映画の休憩は、学生時代に見た『風と共に去りぬ』だけだった気がする。

りっぱな建物で、充実したスタッフで、潤沢な予算。
日本からみればそんなふうに見えるニューヨーク公共図書館。でも、内部は日本と同じ。利用者を増やさなければ意味がない。でも、ベストセラーを貸し出すだけが図書館の機能ではない。どうやって利用者を引きつけるか。電子書籍にどう対応するか。資料の保存をどうするか。時代の変化にどう対応するか。

講演会やパーティ、ハローワーク的行事、経済的に困難な人たちへのWi-Fi機器の貸出、学校関連の蔵書の充実、古い書籍の電子化、利用案内レクチャーなどなど。でも、一番おもしろいのは、多分、図書館幹部たちの会議だと思う。いろんなチャレンジをしつつ、検討、チャレンジ、検討の試行錯誤の繰り返し。どうやって予算を確保するか。それをどう分配するか。悩みはつきない。

地域ごとの分館も特徴があっておもしろい。ブラックの人たちが多い地域、チャイニーズが多い地域で図書館サービスの内容が違うのはさすが多民族国家。子供や大人を対象にした教科書的な書籍が多かったり、オーディオ・ビジュアル資料が多かったり。場合によっては点字や手話のプログラムもあったり。いいなあと思う。

監督 :フレデリック・ワイズマン
邦題:ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス
原題:Ex Libris: The New York Public Library
製作:アメリカ(2017年)
上映時間: 205分


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?