届きたてほやほやのF1を手に散歩へ これはこれで撮りたかったやつ。ケチって詰めれば撮れると聞いたので、窓から保育園児狙ってカシャン。いい音すぎてどうしようとニマニ…
21:9のアスペクト比がとある喫茶店を切り取る。半地下にひっそりと潜む店内には3人、いや4人の客がカウンター越しに店主と談笑している。レコードから流れる軽快な音楽…
さてさて、いつのまにか19歳になった。律儀に18歳の葬送をするつもりだったのになんとなく過ぎていた。新年や年度末、誕生日などは何かと清算したい気持ちになるのは私だけ…
はるがきました はるの はるのつばさは生えかわり はるはあたたかいゔぇーるをまといました びゅうっとかぜもふきます とおくにたたずむろうそくまでけします しかしあなた…
乱雑なスキップで レコードは嘘つきのジャケットを履く 再生された臓腑は 明らかに似ても似つかぬ旋律で 這う溝の血流 止まっては凝固 飛んでは膨張 なんだいこれは はずれ…
「渡らないの?」 「渡りきったら、戻れなくなるかもしれないじゃない。」 「ランドセルに用はないって、自信満々に語っていた癖に。」 「なんだかね、もう少し、あとも…
よ〜い、どん! あーいっちゃうよー いっちゃう、いっちゃう あーいっちゃった
シュークリームとカフェオレ を蛇の指で持つ女 は喉の奥の奥の奥の方 に血の滲むピアス を刺していたのだ すぐにわかった 女はからっぽ あと少し生きたら 小さな空気栓 と…
ホンモノの泣き声が無機質に変換された 受話器の穴から涙が滴り 仁王立ちした電波塔が空に叫んだ 目の大きなエイリアンまで届いてくれたかな ピピピピピッ ワレワレガタ…
喪服の行進が残す足跡 コツコツコツと鉄骨階段でタップダンス 改札機が鳴らすテクノポップと相まって 葬送は踊念仏に風変わり ミラーボールのカラーコンタクトをつけたら …
八月の鯨は大きな口を開けて私に迫ってきた 全てを飲み込む勢いで私を待ち構える 食べられる 光が差し込まない喉の奥で大粒の汗をかいた 水流に身をまかせて目を瞑る ピン…
目覚める太陽 泳ぐ木々 囁く波 走る鳥たち 唸る鐘 抜け出す幻想 軋めく扉 私の起床は全ての始まりの合図 生成された光の享受 彼らの作る風 プログラムされた海原 偽りのラ…
「浮かない顔。」 「気づかれたくはない。見られたくもない。」 「でかいため息のあとに神妙な面持ちで口を開きそう。」 「時々、自分が誰かの片割れで、誰かの一部であ…
樋口塁
2024年4月18日 11:48
届きたてほやほやのF1を手に散歩へこれはこれで撮りたかったやつ。ケチって詰めれば撮れると聞いたので、窓から保育園児狙ってカシャン。いい音すぎてどうしようとニマニマしていたのだが、この構図なら全部写っていて欲しいなと後々後悔している。歩いて生田緑地まで散歩しようと生田駅に向かった。露出の電池が切れて動かなかったため、目測とfpで露出測ってたけど全然甘かった。そもそも期限切れ20年前ISO40
2024年3月27日 23:36
21:9のアスペクト比がとある喫茶店を切り取る。半地下にひっそりと潜む店内には3人、いや4人の客がカウンター越しに店主と談笑している。レコードから流れる軽快な音楽と、コポコポと珈琲を淹れるリズムが交じる。彼らの顔はなぜか白く靄がかかって不透明であるが、何やら楽しそうな会話が聴こえるのでよしとしよう。きっと笑っているのだ。ふと、画面は誰も見ていない壁がけのテレビへズームイン。モニターと重なると、カッ
2024年3月24日 20:40
さてさて、いつのまにか19歳になった。律儀に18歳の葬送をするつもりだったのになんとなく過ぎていた。新年や年度末、誕生日などは何かと清算したい気持ちになるのは私だけだろうか。そんな感じで、振り返りとか性に合わないことをしてみたい。案外、義務教育でやらされていた強制的な振り返りは大事だったのかもしれない。効率化を図って箇条書きにしたくなっているが理系脳だと思われたくないからやめとく。去年の今頃、
2024年3月9日 00:49
はるがきましたはるのはるのつばさは生えかわりはるはあたたかいゔぇーるをまといましたびゅうっとかぜもふきますとおくにたたずむろうそくまでけしますしかしあなたはわざわざがけにつかまってつれていってくださいつれていってくださいてんしのてをつかもうとひっしですひっしですてんしはてをさしのべてくれましたくれましたやさしいてんしのてがっしりとつかみひきよせぐっとちかづけあなたはあ
2024年1月24日 15:52
2024年1月19日 19:40
乱雑なスキップでレコードは嘘つきのジャケットを履く再生された臓腑は明らかに似ても似つかぬ旋律で這う溝の血流止まっては凝固飛んでは膨張なんだいこれははずれ音じゃないか聴衆は提訴しました聴きたかったのよ聴きたかったのよら らら ら ららさあさあみなさんら らら ら ららあらあらら らら ら ららそうそうそれよら らら ら らら整理整頓されてくお おえ お おえ
2024年1月16日 00:59
「渡らないの?」「渡りきったら、戻れなくなるかもしれないじゃない。」「ランドセルに用はないって、自信満々に語っていた癖に。」「なんだかね、もう少し、あともう少しってずっと思うのよね。」点滅する青、対向車線が掻いた汗「ほら早く。」「案外、そうやっていつも急かしていたのは、他人ではないはず。」「考えすぎなんだよ。何も考えずに進めば良いのに。」提示された赤は仁王立ち「
2023年12月1日 07:01
よ〜い、どん!あーいっちゃうよーいっちゃう、いっちゃうあーいっちゃった
2023年11月24日 16:22
シュークリームとカフェオレを蛇の指で持つ女は喉の奥の奥の奥の方に血の滲むピアスを刺していたのだすぐにわかった女はからっぽあと少し生きたら小さな空気栓と大きな傷口からしゅるしゅるしゅるしゅる萎んで萎れてピッピッお会計372円です足早に自動ドアを抜けてたっ駆けてたっ駆けるでも足先がへにゃってぶにゅって言わんこっちゃない横断歩道に寄生した風船が割れ
2023年11月8日 15:25
ホンモノの泣き声が無機質に変換された受話器の穴から涙が滴り仁王立ちした電波塔が空に叫んだ目の大きなエイリアンまで届いてくれたかなピピピピピッワレワレガタスケルヨって明日、細長い手を差し伸べてよ意味のない平日が祝日になっちゃった!なんて冗談が言えるくらい親友になりたいからドロドロの炭酸と緑色のチップスを広げてさちっちゃい地球を転がして遊ぼうよ宇宙船いっぱいに愛を詰めたりしてさ
2023年10月27日 18:49
喪服の行進が残す足跡コツコツコツと鉄骨階段でタップダンス改札機が鳴らすテクノポップと相まって葬送は踊念仏に風変わりミラーボールのカラーコンタクトをつけたら空襲された2秒後の交差点がみえました舗装された焼け野原と叫ぶ眩しい!眩しい!眩しい!眼球が熱いよう、熱いようぽろっあ、片耳の聞こえないイヤホンから私への恋文が届く律儀な便箋には私の狩猟的な耳に惹かれたと書いてありました
2023年8月30日 22:03
八月の鯨は大きな口を開けて私に迫ってきた全てを飲み込む勢いで私を待ち構える食べられる光が差し込まない喉の奥で大粒の汗をかいた水流に身をまかせて目を瞑るピンク色のトンネルを抜け着いたのは広場そこには同じように飲み込まれた小さな魚達が胃の中で暮らしていた彼らはこの場所に楽園を築いたらしい海中の民は私を大いに歓迎し快適な水温に包まれながら盃を交わした鯨を包む海とは正反対の温かさが
2023年8月25日 19:42
目覚める太陽泳ぐ木々囁く波走る鳥たち唸る鐘抜け出す幻想軋めく扉私の起床は全ての始まりの合図生成された光の享受彼らの作る風プログラムされた海原偽りのラジコン狂わない時計繋がれた仮想計算済みの境界私の起床はまるで定められていたかのように壊れた惑星停止する送風機感染した青墜落する前の飛行機鳴り止まない警告絶たれる空想外れた取手私の就床は崩壊の始まりの合図
2023年8月4日 12:31
「浮かない顔。」「気づかれたくはない。見られたくもない。」「でかいため息のあとに神妙な面持ちで口を開きそう。」「時々、自分が誰かの片割れで、誰かの一部であったこの身体を、自分自身と呼んでしまっているだけのような気がする。」「深刻だ。」「そう、深刻。」草木を縫う風太陽光線の散乱「でも、どうして?」「わからない。でも、僕が僕ではないことに嫌気が差す。」「それって